だったら、ソフトウェア版のアンプシミュレーターは扱っておくべきだろう、ということでいちばんメジャーと思われるPositive GridのBIAS FX2のデモ版をテストしてみました。
ざっくりまとめると、
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インストールには特に難しいところはない
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オーディオインターフェイスの設定は機種ごとにコツが必要
・・・という印象です。
BIAS FX2の機能についてはネット上に情報があふれているのでここでは割愛し、デモ版の入手方法とセットアップの流れ、そして個人的に引っかかってしまったオーディオインターフェイス本体の設定について紹介します。
この記事の目次
デモ版配布サイトへアクセス。
実はBIAS FX2やBIAS AMP2に無料体験できるデモ版があるというのを知りませんでした。
Positive Gridのサイトを見てもそれらしいリンクは見当たりません。
BIAS FX2のページにはデモ版へのリンクがありませんが、BIAS AMP2の方にはトップバナーにリンクがあります。
ところがネットで情報を探しているうちに、デモ版があるという記述を発見。
さっそく配布ページにアクセスします。
デモ版のリストの先頭にBIAS FX 2があるので、[DOWNLOAD]をクリックすると、まずアカウントを作るかログインしろ、というメッセージが。
[Log in]をクリックしてログイン画面へ移動します。
Positive Gridアカウントを作成
すでにアカウントを持っている人はそのままサインイン(ログイン)できますが、BIAS FX2のデモ版を入手しようというレベルなので、当然アカウントなんて持ってません。
そこで[Join Us]をクリックしてアカウントを作成します。
First Name、Last Name、E-mailの3つとパスワードを登録すればOK。
パスワードは6~20文字で、大文字と数字をそれぞれ1文字含む必要があります。
そのほかに、FacebookかApple IDのアカウントも利用できます。
[Join Positive Grid]をクリックしてアカウントを作成。
”Welcome to Positive Grid”のメッセージが現れます。
登録したメールアドレスに通知が来ているはずなので、リンクをクリックしてアカウント作成を完了しましょう。
ちなみに、この認証用リンクは10分で期限切れになるようなので、放置してはダメ。すぐにクリックしてください。
サイトにログイン
認証が終わると”Email Confirmed”というメッセージが表示されます。
[Continue]をクリックすると、再びサインイン画面。
こんどは"Registerd User”のほうで、先ほど登録したメールアドレスとパスワードを使ってログインします。
するとMy Account画面が表示されました。
ここで購入したアプリケーションの管理を行うようです。
[My Orders]をクリックすると注文履歴画面に切り替わりますが、まだなにも買ってないのでもちろん空っぽ。
[Shop Now]をクリックするとふつうのページに飛びました。もちろんログイン状態ですが。
ついにデモ版をダウンロード
この画面では結局デモ版の場所がわからないので、改めてにアクセス。
すると、先ほどは3つしかなかったのが7つに増えていますが、今回はBIAS FX2だけでいいので[Download]をクリックします。
するとプラットフォームの選択画面が出現。
Windows用については、32bit版と64bit版があります。
64bit版を選択して[Download]をクリック。
しばらく待つとダウンロードが終了します。
Windows版は実行ファイルになっているので、ダウンロードしたファイルを開けばそのままインストール開始です。
インストール
インストーラーを起動すると、まずWindowsのユーザーアカウント制御画面が現れるので当然変更を許可します。
ライセンス認証画面が表示されたら”I accept the agreement"を選択して[Next]をクリック。
続いてインストール先フォルダーを指定。
ふつうはデフォルトのままでいいでしょう。
さらにVSTプラグインのインストール先フォルダーも指定します。
念のためすでにインストール済みのプラグインを調べてみましたが、デフォルトのままで問題なかったのでそのままいきます。
次に追加オプション。スタンドアローン版(アプリケーション単独で動作するやつ)をインストールするときはここをチェックしたままにしておきます。
DAWと連携してプラグインでしか使わないというひとはオフにしておけば、余計なファイルをインストールせずに済むのでドライブの消費を抑えられます。
[Next]をクリックするとインストール開始。
スタンドアローン版もインストールするせいか、けっこう時間がかかりました。
インストールが終わったら[Finish]をクリックして終了です。
起動とオーディオインターフェイス設定
BIAS FX2を動かすのにどれくらいのリソースを消費するのか気になるところです。
まずアイドル状態でのCPU使用率をチェックしておきました。
ちなみにパソコンのスペックはCPUがCore i7-6500U、動作クロックは2.5GHz、メインメモリは16GBです(ノートPC)。
CPU使用率は17%前後でした。
では動作チェックのためアプリケーション版(スタンドアローン版)を起動します。
まずログイン画面が現れるので、サイトと同じくメールアドレスとパスワードを使ってログインします。
初回起動時にログインしておけば、2回め以降毎回メールアドレス、パスワードを入力するは必要ありません。
余談ですが、サイトの方では「サインイン」、アプリケーションでは「ログイン」と統一されていないのが気になります。
まったくのパソコン初心者は混乱するかもしれませんが、要は同じモノです。
無事起動してギターアンプとその前後の機材の信号の流れ(シグナルチェイン)を表す画面が表示されました。
左がギターに近い入力側、右が出力側です。
とりあえず起動はできましたが、これだけではまだ安心できません。
次はギターをつないでちゃんと音が出るか確認しましょう。
ウィンドウ右上の歯車(コグ)アイコンをクリックしてメニューを開きます。
”SETTINGS”メニューが開いたら、”Audio Settings”を選択。
注意ポイント
実はこのオーディオセッティングでうまく音が出ず、しばらく悩みました。
特にふだん使っているZOOM LiveTrak L-8ではミキサーの設定がよくわからず、盛大なフィードバックノイズ(ハウリング)で使い物になりません。
そこで、よりシンプルなヤマハのAG03でまずセッティングを進めました。
”AUDIO SETTING”画面では、アウトプット(出力)とインプット(入力)のそれぞれに指定を行います。
YAMAHA AG03の設定例
まずサウンドの出力設定です。
設定項目 | 設定値 |
---|---|
Audio Driver Type | ASIO |
Output Device | Yamaha Steinberg USB ASIO |
Output | Stereo |
Output Channel | Output 1-2 |
以上の設定ができたら、[TEST]ボタンをクリックします。 緑色のインディケーターが点灯し、オーディオインターフェイスに接続したスピーカーやヘッドフォンから音が出れば出力設定は終了。
続いて入力の設定。
設定項目 | 設定値 |
---|---|
Input Device | Yamaha Steinberg USB ASIO |
Input | Mono |
Input Channel | Input 2 |
ギターの信号はふつうモノラルなので、"Input'は”Mono”にしておきます。
重要なのが”Input Channel”。
AG03ではギター用の入力ジャックはチャンネル2になっているので、”Input 2”を選択します。
ここはお使いのユーザーインターフェイスによって違ってくるので注意しましょう。
ここでギターを接続し、ボリュームを設定(ギター、オーディオインターフェイスの両方とも)したら音を出してみましょう。
”Input Check”のところでレベルメーターが動けば信号を入力できています。
その下の"Sample Rate”、"Audio Buffer Size”、”Active MIDI Inputs”は最初の段階では設定不要です。
ZOOM LiveTrak L-8の設定例
続いてLiveTrak L-8での設定も紹介します。
基本的な考え方は同じで、”Output Device”と”Input Device”のところがL-8用に変るだけです。
設定項目 | 設定値 |
---|---|
Audio Driver Type | ASIO |
Output Device | ZOOM L-8 ASIO Driver |
Output | Stereo |
Output Channel | Output 1-2 |
設定項目 | 設定値 |
---|---|
Input Device | ZOOM L-8 ASIO Driver |
Input | Mono |
Input Channel | Input 2 |
ただし、マルチトラックレコーダー/ミキサーでもあるL-8はギターをステレオ入力することもできます。
その場合、”Input”を”Stereo”に変更し、”Input Channel”を指定してください。
L-8のチャンネル1と2を使うときは、”Input 1-2"のようになります。
オーディオI/F側にもコツがあった
以上でBIAS FX2側の設定は終わりなんですが、実はこれだけではきれいなギターの音が出ず、ここからがひと苦労でした。
AG03ではシャカシャカした薄っぺらい音しかしないし、L-8に至っては盛大なフィードバックノイズで演奏どころではありません。
どうやらインターフェイス側にもひと手間必要なようです。
AG03の設定
AG03では、ふつうギターをCH2につなぎ、ノブで音量を調整すると思いますが、ふだんどおりにそれをやると、例のシャカシャカした薄っぺらい音になって、アンプシミュレーターを通した音にならないようです。
そこでいろいろ調べた結果、AG03の設定は結局こうなりました。
ポイントは、”TO PC”の設定をDRY 1-2Gにすること。
を見ると、次のように説明されています。
チャンネル1と2(AG03ではチャンネル2G)に入力された音を、直接USBで接続されたPC/iPadへ送ります。 送られる音はレベルツマミ/フェーダーの影響を受けません。 また、チャンネル1、2に入力された音を別々に録音できます。
要は、シャカシャカした音はギターからAG03に入った音をそのまま聴いている状態で、アンプシミュレーターを通ってないということです。
つまりギターの、というよりBIAS FX2の音はPCからの音であると考えて、PC用のボリュームノブで調整しました。
一方、ギターからの入力ノブはめいっぱい絞って音が出ないようにしてあります。
DRY 1-2Gでは入力信号を直接パソコンへ送っていて、"送られる音はレベルツマミ/フェーダーの影響を受けません”ということなので、ボリュームノブは最小で構わないわけです。
これでギターから直の信号はカットして、BIAS FX2で処理されたかっこいいギタートーンだけが聞こえるようになりました。
LiveTrak L-8の設定
LiveTrak L-8のほうはもうちょっと複雑です。
この機種独特の機能としてメインで出力する音とは別に、違うミックス(音量設定)の音を出せるので、その機能を使いました。
要はミキサーの設定を最大4つ使えるので、そのうちメインの設定(マスター)をPCへ送る音に使い、音を聴く方は別のミキサー設定(今回はMIX-B)を割り当てるというものです。
マスターミックスでは、ギターの音を入れるCh1のゲインとフェーダーをセットし、マスターボリュームで音量を調整します。
これがパソコン/BIAS FX2に送られます。
一方、BIAS FX2からの音を聴くには、まずミキサーモードで”MIX-B”を選択。
そしてパソコンからの音が入るCh7(実際はステレオ)のフェーダーで音量を調整します。
そしてギターの音が入るCh1のフェーダーはめいっぱい下げてしまいます(ミュートボタンをオンにしてもいいでしょう)。
マスターミックスとMIX-Bの設定は独立してまったく関係ないので、マスターミックスではギター入力がちゃんとパソコンへ送られますが、MIX-Bのほうには入ってきません。
そして演奏を聴くヘッドフォンはMIX-B用のモニター端子につなぎ、音量を調整します。
これでMIX-Bには、ギターからの直接入力音は入らず、BIAS FX2で処理した音だけが聞こえるようになりました。
ライブ配信に耐えられるか(PCが)?
こうしてようやく、2種類のオーディオインターフェイスどちらでもBIAS FX2のギターサウンドを聴けるようになりました。
実際には、L-8のほうではブツブツといったノイズが入っていてまだ実用になりません。
おそらくオーディオインターフェイスの設定でバッファ量を増やせば解決するのではないかと見ていますが、デモ版のせいなのかバッファ量が固定されていて値を選択できません。
L-8のバッファは、コントロールパネルアプレットで変更します(Windowsの場合)。
将来正規版を購入することがあれば、改めてチェックしたいと思います。
なお、BIAS FX2の
だいたい35%前後というところですが、スクリーンショット用にアプリケーションが動いているのでその分は多少割り引いてください。
ここからSyncroom用の設定を行い、さらにOBS Studioでのライブ配信に耐えられるパフォーマンスを出せるかテストを続けていきます。
ココに注意
その後いろいろ考えましたが、(BIAS FX2に限らず)アンプシミュレーターを買うのは当分控えようと思います。
設定いじるのに時間を費やしすぎて、ギターの練習自体がおろそかになるからです。
つまり、「ギター初心者でこれから上手くなりたいと思っている人には、敢えてアンプシミュレーターはお奨めしない」というのがFukuzumiの見解。
デモ版を使った、設定の紹介だけはしばらく続けるつもりです。
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