Syncroomを利用するための接続設定について紹介します。
第2回はライブ配信にも使えるマルチトラックレコーダー ZOOM LiveTrak L-8。
L-8の最新設定例
当記事の公開後もいろいろ改良を重ねて、新しい設定に落ち着いています。
リンク先の記事で紹介しているので併せてお読みください。
この記事の目次
ZOOM LiveTrak L-8
ライブ配信やポッドキャスト番組作成にもお奨めの、USBオーディオインターフェイスを搭載したマルチトラックレコーダーです。
インプットの内容
今回は以下のようなセッティングでテストしています。
チャンネル | 音源/接続機器 |
---|---|
チャンネル1 | ギター(Hi-Zオン) |
チャンネル3 | ダイナミックマイク(音声/ボーカル) |
チャンネル8(ステレオ) | iPhone音源(iReal Pro) |
ギター/ベース入力用のHi-Zボタンがあるのはチャンネル1、チャンネル2のふたつです。
そこでチャンネル1にギターからのシールドケーブルを接続し、ダイナミックマイクはチャンネル3に接続します。
iPhoneや外部オーディオレコーダーからの音はチャンネル7または8に入力します。
チャンネル7と8のLINE入力(標準
ジャックはそれぞれモノラル仕様のようです。
それに対しUSB接続モードのばあい、チャンネル7(USB1-2)と8(USB3-4)はともにステレオとなるようです。
ただし、チャンネル8のUSB3-4については単純にPCをつないだだけでは使用できないようです。
おそらくDAW側で3-4チャンネルを使用するような設定が必要なのだと推測しています。
また、モバイルデバイスからの入力については、チャンネル8へステレオで入力されます。
つまり既存のステレオ録音楽曲については、パソコン上で再生したものをチャンネル7へ入力するか、オーディオプレーヤーなどのAUX入力としてステレオミニプラグでチャンネル8に入力することになります。
ただし、ステレオミニプラグでの入力が可能なのはチャンネル8だけです。
チャンネル7と8のちょうど間にあるΦ3.5mm ステレオミニジャックにiPhoneからのケーブルを接続します。
モバイルフォン接続用プラグは4極仕様(TRRS)です。
モバイルデバイス用4極プラグからステレオミニプラグへの変換ケーブルで接続したところ音が出ませんでした。
ただし、iPhoneからアダプターを経由したばあい、両端ともΦ3.5mmのステレオミニケーブルを使って音の入力が可能でした。
iReal Proという楽器演奏練習用アプリで再生した音をここへ入力しています。
iPhoneとの接続には、Lightning接続のマイク/ヘッドフォンアダプターを経由してΦ3.5mmのステレオミニプラグケーブルを使用しています。
本来マイク/ヘッドフォンアダプター側は4極プラグを使用すべきところですが、3.5mmステレオミニプラグで試したところ問題なく音を流すことができました。
Φ6.3mmの標準ステレオプラグを使えば、チャンネル7への入力も可能です。
またパソコン上で再生した音をチャンネル7または8へ入力することもできます。
ただし、パソコン上の音源についてはSyncroomのアプリ上で再生できるので、そちらを利用した方がいいでしょう。
インターフェイス設定とモード
LiveTrak L-8には大きく分けて4つのモードがあります。
Syncroomを使うにはこのうち”Mixer”または”RECORDER”モードが使用できます。
ただし、初めてオーディオインターフェイスを接続するときや、接続先をパソコン/モバイルデバイスで切り替えたときは”MIXER”で設定を行う必要があります。
ふつうは”MIXER”モードを使うのがいいでしょう。
本体右下のボタンで”MIXER”モードに切り替えておきます。
コンソールパネルの表示がMIXモードになったら、[MASTER]が選択されているのを確認しましょう。
続いてオーディオインターフェイスの接続先設定です。
Windows/MacとiOSデバイスのどちらかを選択できるので、ここはWindows/Macを選択しておきます。
ディスプレイ下のロータリーエンコーダー(丸型ノブ)を廻してWindows/Macを選択し、エンコーダーをプッシュして確定します。
ゲインとフェーダーの調整
チャンネル1とチャンネル3はゲイン設定ノブを使って適正な入力ゲインに調整します。
大音量を出してもインジケーターが赤くならない程度までレベルを上げましょう(ノブを右へ回します)。
iPhoneや外部レコーダーからの音を入力するチャンネル8はゲインのコントロールができないので、iPhone/レコーダー側で音量を調整します。
LiveTrak L-8の再生音量を調整するフェーダーを適切な位置まで上げて、各音源の音量バランスを調整します。
さらにSyncroomへ送る最終的な音量をマスターフェーダー(赤いつまみ)で調整します。
各フェーダーを下げてしまうと、Syncroomに音が入りません。
フェーダーを下げても音が聞えるとき
L-8はデジタルミキサーなので、フェーダーの位置とは関係なく、以前の音量設定を記憶しています。
もし、フェーダーを下げきっているのに音が出ていたり、少し動かしたのに音量が変化しないと感じられるときは、このメモリー機能が働いています。
メモリーをクリアするには、フェーダー横のLEDインジケーターが常時点灯しているポジションまでいちどフェーダーを動かしてください。
それまで常に点灯していたLEDが消えたらメモリーがクリアされて、新たな設定(フェーダー位置)が有効になります。
パソコン側の設定
Windowsパソコン側ではまず、サウンドの設定を”ZOOM L-8 Audio"に切り替えます。
続いてSyncroomを起動し、オーディオインターフェイスの設定を行います。
設定画面を開いて、オーディオデバイスを選択し、チャンネルを割り当てます。
オーディオデバイスは”ZOOM L-8 ASIO Driver”を選択。
入力チャンネルのほうは、ギターを1、マイクを3に接続しているので、それに応じてドロップダウンリストで選択します。
「入力のモニタリング」は”モニタリングする(遅延なし)”に設定しました。
”モニタリングしない”を選択すると、Syncroom画面上では”インプット”のレベルゲージは反応しているにも関わらず、入室メンバーリストのほうのレベルゲージは反応しないので注意が必要です。
Syncroomでの演奏をFacebookやYouTubeでライブ配信するばあい、OBS Studioで”ソース”に音声キャプチャデバイスの設定を追加し、"ライン(Yamaha Syncroom Driver(WDM))"を割り当てます。
ソースの割り当てが、”ライン(ZOOM L-8 Audo)”でも一見動作しているように見えます。
しかし、これだとL-8から直接入ってくる、マイク/ギター/iPhoneの音しかOBS Studioに流れません。
"ライン(Yamaha Syncroom Driver(WDM))"にしておかないと、自分の声と演奏だけがOBSから配信されて、他のメンバーは配信されないので注意しましょう。
Syncroomの記事をまとめて読もう!