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MIDI信号をキャプチャしてみる【Bome MIDI Translator Pro】

BOME MIDI Translator Proを使って、フットスイッチでライブ配信カメラを切り替えようというテストの第一段階として、まず、XTONE Proのスイッチが出している信号をキャッチできるかチェックを行ないました。

 

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MIDIの信号を問題なく検出できたので、まずその経過をレポートします。

XSONIC XTONE Pro

フットスイッチの信号をPC上でチェックしてみる

 

MIDIフットコントローラーの接続を確認

XSONIC XTONE ProをPCにUSBケーブルで接続し、BOME MIDI Translator Proを起動します。

MIDI信号はUSBケーブルでやりとりされるので、MIDIポートを使う必要はりません。

XTONE Pro背面

PCとUSB接続する場合、MIDI端子は使用しない。

 

 

この段階では新たに"00test.bmtp"というプロジェクトを作成してあります。

 

00というのはプリセットリストの先頭に表示させるためで、それ以上の意味はありません。

 

右側のプロパティタブで”Project Default MIDI Ports”というグループを開き、”MIDI INPUT”のリストで、入力ポートを有効化します。

 

XTONE Proを自動認識しているため、XSONIC MIDI Inという項目が表示されています。XSONICはメーカー名です。

 

最初”Status”が「Closed」になっていますが、チェックボックスをマークすると「Open」に切り替わります。

これでチェックの準備終了です。

 

 

フットスイッチのオン/オフでMIDI信号を確認

ウィンドウの右下に”Event Monitor”という名前のタブがあります。

中央に5ピンのMIDI端子のアイコンが描かれているエリアです。

 

左列の上からふたつめに”MIDI In”という項目があり、XTONE Proのスイッチを押すたびに、グリーンのインディケーターが点灯します。

 

点灯はスイッチが動作した一瞬だけです。あくまでMIDI信号を受信したかどうかを示すもので、操作した瞬間しか反応しないので注意してください。

 

BMTP MIDI入力信号の確認

スイッチ操作に反応して”MIDI In”が点灯する。

 

スクリーンショットではキャプチャのタイミングが合わず、インディケーターが消えかかったところしか撮れていませんが、MIDI信号を受信したことがわかります。

 

この段階ではどのスイッチを押したか、どんな信号を受け取ったかといったことはわかりません。

XTONE Proの6個すべてのフットスイッチを順にしていき、問題なくすべてのスイッチの信号が届いているのを確認できました。

 

スイッチの動作タイミング

インディケーターが点灯するタイミングを見ていて、フットスイッチを押したあと実際にはリリースした瞬間に信号が送られているのがわかりました。

この点はコントローラー次第なので、使用する機材によって異なるはずです。

とりあえずXTONE Proを使いたい方は注意してください。

 

 

LOGウィンドウで信号の内容をチェック

次に、具体的な信号をチェックします。

[View]メニューを開くと中に[Log Window]というコマンドがあります。

 

クリックするとEvent MonitorがあったところにLogウィンドウが現れます。

ウィンドウの下にあるチェックボックスの中で、ログを取得したいイベントをチェックします。今回は、”MIDI IN”にチェックしておきます。

 

BMTP ログウィンドウの表示

ログウィンドウにMIDI信号が記録される。

 

 

LOGウィンドウに関する注意

なお、LOGウィンドウを表示する際にはアラートのメッセージボックスが現れます。

LOGの表示にはリソースをかなり消費するので、テストのときだけ使用するようにという勧告です。

 

BMTP LOGビューのリソース警告

LOGビューのリソース消費についての警告。

 

つまり、Translatorの設定を行なうときだけLogウィンドウを表示し、演奏や配信のときには閉じておくようにということです。

 

 

LOGの内容

LOGウィンドウのラベル横にあるボタンをクリックするとウィンドウを拡大表示できます。

 

BMTP LOGウィンドウの拡大表示

LOGウィンドウに記録されたMIDI信号。

 

ここではXTONE Proの6個のフットスイッチを順番にオン/オフしていき、計12個のログをチェックしてみました。

 

1がスイッチAのオン、2がスイッチAのオフで以後、順番に並んでいます。

LOGの内容は次のようなものです。

 

MIDI IN [XSONI MIDI In]: B0 28 7F

MIDI IN [XSONI MIDI In]: B0 28 00

 

まずMIDI 信号の入力であることがわかります。ブラケット内は使用しているポートの名前。最後に実際のMIDI信号のようです。

しかしこれだけでは、具体的になんの制御をしているのかわかりません。

 

 

実際のMIDI信号をキャプチャする

そこで次の段階へ進みます。

実際にTranslatorを作成して信号をチェックしてみました。

 

BMTP キャプチャしたMIDI信号

実際にXTONE ProからのMIDI信号をキャプチャした状態。

 

まず中央のペインに新規でTranslatorを作成します。

ここではフットスイッチAの動作を確認するという意味で「A Button」という名前にしました。

 

 

次に、プロパティパネルの”Incoming”で入力信号を割り当てます。

ドロップダウンリストで「MIDI Message」を選択し、”Capture MIDI”というチェックボックスにマークしてXTONE Proのフットスイッチを押すと、MIDI信号がキャプチャされました。

 

値を見ると次のようになっています。

 

Control Change on ch. 1 with CC# :40 (0x28) and value: 127 (0x7F)

Control Change on ch. 1 with CC# :40 (0x28) and value: 0 (0x00)

 

チャンネル1のCCナンバー40に値を送っています。

1回めはフットスイッチをオン(値が最大)で、2回めはスイッチをオフ(値が0)にしているようです。

 

 

機材コントロールの可能性が見えてきた

ここまでで、実際にXTONE ProがMIDI信号を出力していること、BOME MIDI Translator ProでMIDI信号をキャプチャーできることがわかりました。

 

あとはこの信号をATEM Software Controlに渡せば、ATEM Mini Proをコントロールできるでしょう。

ほかにもアプリケーションを操作することで、楽譜のページめくり、YouTube動画の再生、停止なども足で操作できそうです。

 

うまく行けばギターの練習もはかどりそうです。

 

 

ところで、ここまでBOME MIDI Translatorを使ってみた感触ですが、今回のようにMIDI信号のチェックやコマンドの確認だけだったら試用版のままで充分のようです。

1回の起動時間が20分までというだけで機能自体には制限がないので、信号チェックだけだったらわざわざ有料版のライセンスを購入する必要はないでしょう。

長時間のライブ配信や音楽演奏を想定している方だけ、正規版ライセンスを購入すればいいのではないかと思います。

 

 

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