今回はイメージファイルの作成方法とその使い方を紹介します。
この記事の目次
イメージファイルとは
ものすごく簡単にいうと、CDやDVDの内容をパソコンのファイルに変換したものがイメージファイルです。
逆にいうと、CD/DVDを作るときにまず動画や音楽などのコンテンツをまとめたイメージファイルを作成します。
それを実際にディスクに書き込み(一般的には「焼き込み」ともいいます)したものが、皆さんが手に取るCDやDVDのメディアです。
CD/DVDを作るときはイメージファイルをもとにメディアのディスクを作っているのに対し、今回はディスクからイメージファイルを作るという逆方向の作業をやろうというわけです。
イメージファイルを作るメリットは?
なぜディスクからイメージファイルを作るかはいろいろ理由がありますが、代表的なところでは次のようなものでしょうか。
1. ディスクの損傷に備えてバックアップする
取り扱い中のミスでディスクに傷を付けると読めなくなってしまいます。
そんなとき、イメージファイルがあればメディアのクローンコピーを作成できます。
アプリケーションをパッケージメディアで購入していたときは、ディスクそのものに重要な価値があったのでバックアップを作っておくのは重要でした。
2. ディスクを複製する
バックアップの延長ともいえますが、クローンコピーをいくつも作ることができるので、ディスクをたくさん配布したいときに役立ちます(。
自作のビデオ作品を配布/販売するようなときがこれに当りますね(もちろん著作権侵害にならないように)。
3. ディスク入れ替えの手間を省く
大容量ハードディスクならイメージファイルをたくさん保存できます。
必要なコンテンツを探すのに、いちいちメディアを入れ替えることなく簡単に操作できます。
またメディアを入れ替えるときに傷をつけてしまうようなリスクを軽減できます。
膨大な資料の管理などに役立つでしょう。
実はパソコンのドライブ不調対策に・・・
以上、思いつくままにメリットを挙げてみましたが、今回の個人的な理由は3.です。
実はギター教則本の付属CDとDVDをすぐに使えるようにしたかった。
というのもギター練習時に使っているノートパソコンの内蔵ドライブが不調なのです。
現在新しく刊行されるギター教則本の多くはもうCDやDVDを付録にすることはなく、ページ上に印刷されたバーコードを読み取ってYouTubeで公開したコンテンツにアクセスする形になっています。
ところが今回買った本は古いもので、オンラインコンテンツ化されていないので、やむなくイメージファイル化することにしました。
ちなみに、その他の教則本付属CDについてもリッピングで抽出したオーディオファイルをクラウドストレージ上に保存して、ローカルPC上にはプレイリストだけ保存しています。
ImgBurnを入手する
音楽CDのリッピング(ディスクメディアからオーディオファイルを取り出す作業)は、Windows付属のメディアプレーヤーで簡単に行えます。
Fukuzumiはふだんリッピングを頻繁に行っているわけではないので、これでとりあえず間に合っています。
ところが、メディアプレーヤーではDVDからイメージファイルの作成できないので、別途ツールを用意する必要があります。
今回は、いちばん有名どころのImgBurnというツールを使ってみることにしました。
かなり古いソフトですが、Windows10でも動作しました。
インストーラーのダウンロード
にアクセスします。
ミラーサイト(ダウンロード可能なサーバー)がいくつか掲載されているので、どれか好きなものをクリックします。
今回は”Mirror 1”を使いました。
スクリーンショットを見ると[ダウンロード開始]や[ダウンロード]と書かれたボタンがいくつもありますが、これは別のソフトの広告なのでImgBurnとは関係ありません。
ミラーサイトのページへ移動すると、ImgBurnの最新版が公開されています。
[Download ImgBurn]のボタンをクリックします。
ここではセキュリティソフト(ノートン360)がアクセスをブロックしましたが、[サイトを表示]をクリックします。他のセキュリティソフトでも同様の警告が出る可能性がありますので、ご利用のソフトに応じて操作してください。
アラートのダイアログボックスが現れるのでここでは[隔離モードなしで続ける]をクリックしました。
ようやく、ダウンロードページにたどり着いたので矢印ボタンをクリックします。
ファイル名がImgBurnの最新版であることを確認しておきます。
ダイアログボックスが現れるので、ファイルを保存します。
ImgBurnをインストール
ダウンロードしたインストーラー(Setup_ImgBurn_2.5.8.0.exe)をダブルクリックします。
ユーザーアカウント制御画面が出るので、[はい]をクリック。
インストーラーのステップに従って操作していきます。
チェックボックスをクリックしてライセンスに同意。
オプションは特に変更する必要はありません。
インストール先のフォルダーも、ふつうはそのままで構いません。
スタートメニューに表示されるフォルダーを指定します。ここも普通は変更しなくてだいじょうぶ。
アップデートのチェックに関するメッセージが現れます。[はい]をクリック。
これでインストールは終了です。[Finish]をクリック。
最後にWebページが表示されますが、ただの感謝メッセージなので気にしないでそのまま閉じてだいじょうぶ。
DVDのイメージファイルを作成する
インストールが終わったところで、実際にイメージファイルを作成してみました。
Windows10のスタートメニューからImgBurnを起動します。
今回はインストール直後なので、メニューの先頭にある「最近追加されたもの」というカテゴリーからすぐに起動できます。
もちろん、通常のA~Z順でグルーピングされたツリーからも起動できます。
メニュー画面が現れます。今回はディスクからイメージファイルを作成するので、[Create image file from disc]を実行。
DVDにコピープロテクトがかかっていたので警告メッセージが現れました。
「もしイメージファイルを作れなくても、文句はいいっこなしよ」みたいなことが書かれています。
とりあえず試してみました。
実行画面が現れます。
”Source”のところにDVDドライブ、”Destination”には作成するイメージファイルのパスが設定されています。
とりあえず試しにそのまま実行してみます。
作成が終わるまでしばらく待ちます。
派手なメッセージ音が鳴って、いちおうイメージファイルの作成が終わりました。
作成したイメージファイルを開いてみる
イメージファイルが問題なく利用できるか確認してみます。
イメージファイルを利用するには、本物のドライブに見せかけるためのマウントという作業が必要です。
以前はそのために仮想ドライブ作成ツールというアプリケーションが必要でしたが、Windows10以降はエクスプローラ単体でマウントを実行できるのでツールのインストールは必要ありません。
エクスプローラでイメージファイルのある場所(今回はCドライブのルート)を開いてみると、ImgBurnで作成したのと同じファイルが見つかりました。拡張子がISOとなっています。
右クリックするとコンテクストメニューの先頭に[マウント]というコマンドがあるので、これを実行します。
すると、エクスプローラーに新たなDVDドライブが現れました。
もちろん実際にドライブを増設したわけではありません。DVDのイメージファイルを本物のドライブと同じように見せかけているだけですが、これでマウント終了です。
これで実物のDVDメディアをセットしなくても内容を再生できるようになりました。
DVDの再生が終わったら、もういちど右クリックして[取り出し]を実行します。これをアンマウント(マウント解除)といいます。
このようにDVDやCDメディアをイメージファイル化することで、ハードディスク内に何枚も保存できます。
いちどマウントしてしまえば、あとはフォルダーと同じように扱えるのでディスクメディアの入れ替えも必要なく快適に作業できます。
大容量のHDDが安価になったおかげで、何十枚分のメディアもひとつのドライブにまとめることができます。
また本来のディスクメディアに比べると、ハードディスクの方が高速に読み出しできるのもメリットです。
映像資料や音源をディスクメディアで保存している方は、ぜひイメージファイルを活用してみてください。
なお、今回はたまたま無料のImgBurn