PointerFocusは、Windows画面上でマウスポインタを見やすく強調表示してくれるアクセサリツールです。
強調のしかたもバリエーションがあり、さらにポインタ周辺の拡大表示やキー入力した文字の表示など、機能も豊富。
プレゼンテーションやパソコンの実習などでマウスポインタの動きをしっかり見せたいときにぜひお奨めします。
PointerFocusはシェアウェアで1ライセンスあたり12.50USドル。ユーザー登録と支払いの方法は前回の記事で紹介していますから、参考にしてください。
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マウス強調ソフトPointerFocusのライセンス購入
Pointer Focusは、マウスポインタ位置の強調や拡大表示、マーカーを使った画面上への一時的な書き込みなどができる、常駐型のユーティリティです。 実際にライセンスを購入したので、今回は、手続きの ...
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この記事の目次
入力操作を視覚的にわかりやすく強調
PointerFocusは、Windowsのシステムトレイに常駐するタイプのツールです。
マウスポインタを判りやすくするために以下のような機能があります。
- ポインタ周辺にリングを表示する
- 左右ボタンのクリック時に波紋のようなリングを表示
- マウスポインタ周辺以外を暗くしてポインタ部分だけを目立たせる
- マウスポインタ周辺を拡大表示する
- 入力したキーを表示する
- ペンツールで画面上に図形を描く
これらの機能は個別にオン/オフを切り替えるようになっていて、複数の機能を組み合わせて使うこともできます。
たとえばリング表示と拡大表示を同時にオンにできます。
操作はコンソールとキーボードショートカットで
PointerFocusのウィンドウは、半透明の丸い操作パネルです。
外周に各機能のオン/オフを切り替えるボタンがあり、ボタン以外の背景部分をドラッグすることで操作パネルをいろんな場所へ自由に移動できます。
機能のボタンは次の5つ。
- ハイライト(Highlight)
- キーストローク(Keystrokes)
- スポットライト(Spotlight)
- 描画機能(Pen)
- 拡大鏡(Magnifier)
そのほかに、パネルの最小化、設定、PointerFocusの終了と合わせて計8つとなります。
しかしこの操作パネル自体、パソコンの操作を見せるという本来の意味からはじゃまです。
そこで、キーボードショートカットでも操作できるようになっていて、ショートカットを覚えてしまえば、操作パネルは最小化してしまうのがお奨めです。
キーボードショートカット
- ハイライト 【F8】
- キーストローク 【F9】
- スポットライト 【F10】
- 描画機能 【F11】
- 拡大鏡 【F12】
トレイアイコンからも操作できる
もしキーボードショートカットを忘れてしまってもだいじょうぶ。
システムトレイに常駐しているアイコンから、各機能をオン/オフできます。
もちろん最小化した操作パネルを開くこともできます。
操作パネルを開く
トレイアイコンをダブルクリック
操作メニューを開く
トレイアイコンを右クリック
強調表示の各種設定をマスターしよう
強調表示はそれぞれにいろんなオプションがあります。
用途や表示環境に応じて、見やすい設定にしてください。
設定画面を開く
設定ダイアログボックスを開くには、操作パネルの歯車(コグ)ボタンをクリックします。
トレイアイコンから開くばあいは、右クリックで[Options]を選んでください。
ダイアログボックスは、機能ごとのタブに分かれています。
各機能のキーボードショートカットはオフにすることもできます。
ハイライト設定(Hilight Cursor)
"Hilight Cursor”タブは、マウスポインタの周囲に表示するリングの設定です。
- リングの色
- リングの大きさ
- リングの太さ
- リングの透明度
- リング自体の表示/非表示切り替え
また、クリックしたときにだけ細いリングを波紋のように表示させることもできます。
- クリックアニメーション(波紋)の表示
- 左クリックアニメーションの色
- 右クリックアニメーションの色
さらにクリックアクションテキスト(Click Action Text)のオン/オフが可能です。
クリックアクションテキストは、マウスボタンを操作したときに表示されるテキストメッセージです。
- 左右どちらのボタンを使ったか
- どんな操作を行ったか
のふたつを表示します。
単純にクリックした場合は”Click"、ドラッグ時などにボタンを押しっぱなしにしたときは”Down"、ボタンをリリースしたときは"Up"と表示されます。
ココがおすすめ
どんな操作をしているか画面上ではっきり判るので、初心者向けのパソコン講習会なんかには便利でしょう。
ただし、残念ながらメッセージ自体をカスタマイズすることはできません。
ハイライト設定まとめ
- ハイライト表示リングの表示
- リングの大きさと太さ、色、透明度を指定
- クリック時のアニメーションと色を指定
- ボタン操作の説明テキストを表示
キーストローク設定(Show Keystrokes)
Show Keystrokesタブは、入力したキーを画面上に表示するための設定です。
入力したキーを画面上に見せることで操作がわかりやすくなります。
注意ポイント
表示できるのは英字や記号、数字だけです。
IMEがかな入力モードであっても日本語(ひらがな、カタカナ)は表示できません。
Text Display Time(Seconds)で表示時間(秒単位)を、Text Font Sizeでは文字の表示サイズを指定します。
なお、矢印キーはそれぞれ、”Up"、”Down”、”Left”、”Right”、【Enter】キーは”Return”と表示されます。
このほかに、Only Show Shortcut Keysというチェックボックスがあります。
このチェックボックスがオフのときは、すべてのキー入力が表示されます。
オンにすると【Shift】、【Ctrl】、【Alt】、【Win】、【Ins】のいずれかのキーといっしょに操作したときだけ表示されます。
特殊キー(修飾キー)すべてを表示するわけではないので注意してください。
ポイント
つまり、文字の入力について説明したいときはこのチェックボックスをオフにし、キーボードショートカットやシフトキーなどコンビネーション操作を見せたいときはオンにするのがお奨めです。
キーストローク設定まとめ
- キーの表示時間、文字の大きさを指定
- すべての文字を表示/コンビネーション操作時のみ表示の選択
- 矢印キーや【Enter】キーの表示に注意
スポットライト設定(Spotlights)
Spotlightタブは、スポットライト効果の設定です。
マウスポインターの周辺の円内だけを通常の明るさで、外側は半透明で暗く表示します。
Spotlight Sizeで円の大きさを、Screen Dim Opacityではスポットライトエリアより外側の暗さ(不透明度)を指定します。
ポイント
マウスポインタ周辺だけが明るいのでどのように動かしているか判りやすくなりますが、その半面、ウィンドウ内の編集・作業状態を見せるのには向きません。
スポットライトとハイライトを組み合わせて使うこともできます。
スポットライト設定まとめ
- ポインタ周辺だけを明るく、その他は暗く表示
- スポットライト範囲の大きさ、周囲の暗さを指定できる
- ハイライトとの組み合わせも可能
描画機能設定(Pen)
Penタブは、描画機能の設定です。
フリーハンドでブラシのように描いたり、矢印や矩形、楕円形などを描くことができます。
画面上を詳しく説明するのに適しています。
ペンモード
ペンモードに入るとウィンドウやタスクバーなどの操作はいっさいできなくなり、描画機能だけが使えます。
ペンもオードを終了するには【Esc】キーを押します。
描画機能では次のような設定ができます。
- ペンの太さ
- ペンの色
- 不透明度
描画ツールの切り替え
Penモードの状態で右クリックすると、5つの描画ツールを切り替えることができます。
- Pen(フリーハンド描画)
- Line(直線)
- Arrow(矢印)
- Rectangle(矩形)
- Ellipse(楕円形)
さらに、ペンの太さや色を一時的に変更するメニューや直前に描いたものだけを消すコマンドがあります。
なお、描画機能もハイライトやスポットライトと組み合わせて使えます。
**Penタブには、すでに紹介した描画色や太さのほかにもShow Hint TextとEnable Presentation Pointer Modeのふたつのチェックボックスがあります。
ヒントの非表示化
Show Hint Textは、ペンモード中に画面上部に表示されるヒントの表示です。
ペンモードに入ると【Esc】キーでペンモードの終了、右クリックで描画ツールの切り替えができるというメッセージが常に表示されます。
操作方法を覚えてしまったら、チェックボックスをオフにしましょう。
描画方法の変更
Enable Presentation Pointer Modeは描画のしかたを変更します。
このチェックボックスがオフのばあいはドラッグ操作、つまり左ボタンを押しながらマウスを動かすと描画できます。
チェックボックスをオンにすると、左ボタンのクリックで描画を開始するのでマウスをドラッグする必要がありません。つまり左ボタンを押しっぱなしにしなくても、マウスを動かすだけで描画してくれます。
ドラッグが苦手な人にはお薦めの設定です。
描画を終了するには、もういちど左ボタンをクリックします。
描画設定まとめ
- 5種類のペンツール
- 基本の色と太さ、透明度の指定
- 色と太さは一時的な変更も可能
- ドラッグが苦手な人はプレゼンテーションモード
拡大鏡設定(Magnifier)
Magnifierタブは、ポインタ周囲の拡大表示機能に関する設定です。
Maginifier Sizeで拡大鏡の大きさを、Magnifier Zoom Factorで拡大倍率を指定します。
拡大鏡にはさらにふたつのオプションがあります。
Magnifier Position []Follow Mouse Pointer
Use Grass Effect
Magnifier Positionは拡大鏡の表示場所です。
Follow Mouse Pointerにチェックが入っていると、マウスポインタといっしょに拡大鏡が移動します。
細かい作業をしているところを集中して見せたいときにはこちらがお奨めでしょう。
チェックがオフのばあい、マウスポインタを動かしても拡大鏡は移動せず同じ位置に表示されます。拡大鏡の位置を動かしたいときは、拡大鏡そのものをドラッグしてください。
ピクチャーinピクチャーで表示する感じになるので、念のため拡大表示もしておくといった使い方ならこちらがいいでしょう。
Use Grass Effectは拡大鏡の見た目です。縁の処にハイライトを入れて周囲に影を付けることで、実際のレンズっぽく表示します。不要だったらチェックボックスをオフにしましょう。
拡大鏡の表示もハイライトやスポットライトと併用できますが、やりすぎるとかえって判りにくくなるので、注意してください。
拡大鏡設定まとめ
- 大きさと倍率を指定
- 拡大鏡の位置は、ポインタ追尾または固定位置で選べる
- レンズ風の効果はオフにできる
リモート設定(Remote)
Remoteタブは、アプリを使ってAndroidスマートフォンからPointerFocusを操作するための設定です。
FukuzumiはiPhoneユーザーなので、この機能は使ったことがなく詳細はわかりません。
画面キャプチャ時の注意点
設定解説は以上ですが、そのほかに一点、注意すべきところを紹介しておきます。
画面キャプチャソフトでアクティブウィンドウをキャプチャしようとして、意図していないのにPointerFocusをキャプチャしてしまうことがあります。
これは、、見かけ上はポインター(カーソル)の強調しかしていたくても、PointerFocus自体がアプリケーションとして動作しているから、キャプチャソフトのほうでアクティブウィンドウと認識してしまうからです。
次のキャプチャは操作パネルを含む周辺をキャプチャしてしまったところです。
次の例は、ハイライト+スポットライト+拡大鏡を組み合わせているときのもの。
このように、うっかりキャプチャすると目的のアプリケーションではなく、PointerFocus自体をキャプチャしてしまうことがあるので注意しましょう。
対策としては、マウスポインタがキャプチャしたいウィンドウ上にちゃんとあるのを確認してからキャプチャするといいようです。
画面キャプチャでポインタを目立たせたい
Fukuzumi個人のばあい、マウスポインタ強調ツールはこれまでそれほど頻繁に使ってきたわけではなく、フリーソフトで済ませてきました。
なのに今回PointerFocusのユーザー登録を行い、しかも2ライセンスまとめて購入したのは、ブログ記事作成に使えそうだと考えたためです。
解説記事用にスクリーンショットを作成するとき、その段階でポインター位置を強調できればあとから画像編集ソフトで加工する手間が省けます。
そのほか、しばらくお休みしていますが、ソフトウェア解説動画作成でも役だってくれると期待しています。
みなさんもこの記事を参考に、自分なりの使い方を見つけていただければ幸いです。
マウスポインタを判りやすくするツール&テクニック