ワープロで文書を作っているときや、プレゼンテーション用にスライドショーを作っているとき、パソコンの画面を貼り付けて使いたいと思ったことが、だれでもいちどや二度ぐらいあるはずです。
Window10ではこれがとても簡単、便利になっているので紹介しましょう。
この記事の目次
パソコン画面を説明したいとき、ありますよね?
スクリーンショットと画面キャプチャについて知っておきましょう
まず、最初に用語の説明です。
パソコンの画面を取り込んで、ワープロやプレゼン文書に貼りつけるには、まず画像として保存しておかなければなりません。
この取り込んで保存するという作業を、画面キャプチャや単にキャプチャといいます。
そして取り込んだ画像のことをスクリーンショットといいます。もっと簡単にキャプチャ画像という場合もあります。
画面をキャプチャするには専用のツール(プログラム)が必要です。このツールのことを画面キャプチャツールやスクリーンショット作成ツールといいます。
呼び方が違うだけで基本的には同じものです。
これまでのキャプチャ方法はどうだった?
もともとWindowsよりずっと前の時代からパソコンの画面を印刷したいという要望があって、そのためにパソコン本体に機能を備えていました。それがキーボードに今も残っているプリントスクリーン[Print Screen]というキーです。
Windowsでもこのキーを押すと画面のキャプチャを行ってくれました。しかし[Print Screen]はそもそもそんな機能があることを知っている人しか使えません。
キーボード入力でしか使えないので、Windowsの画面を見ていてたまたま気づくということもないからです。
そこでWindows10ではSnipping Tool(スニッピングツール)という機能が追加され、メニューから呼び出せるようになりました。
ところが2018年の途中から方針が変わり、このSnipping Toolをやめて新しい機能に切り替えることになりました。
Windowsのキャプチャ機能に不満なユーザーは?
話を少し戻します。
Snipping Toolが登場するまで、Windowsのキャプチャ機能は貧弱で、できることは少なく、操作性もよくありませんでした。
そこでパソコンに詳しくてプログラム作成が得意な一部のパソコンユーザーは、自分にとって使いやすいキャプチャソフトを作り、それを他の人にも使ってもらえるように一般公開してきました。
こうしてWindowsの不満な部分を長年にわたって補ってきたんですが、いよいよWindows自身が本腰を入れて取り組みはじめたというわけです。
新しくなったWindows10のキャプチャ方法
新たに登場した「切り取り&スケッチ」ツール
Snipping Toolに取って代ることになった、Windows10の新しいキャプチャ機能を「切り取り&スケッチ」といいます。
「切り取り&スケッチ」の特徴はWindowsのシステム本体と深く結びついているという点で、Windows本体の他のツールと連携して使うようになっています。
しかしその分だけちょっと複雑というか、呼び出し方がいろいろあって、最初のうちはどうやって使ったらいいのかわかりにくところがあります。
「切り取り&スケッチ」はどうやって呼び出す?
「切り取り&スケッチ」を呼び出す方法は大きく分けて3通りぐらいあるようです。
- アクションセンターから呼び出す
- Windows Ink ワークスペースから呼び出す
- スタートメニューから呼び出す
いちばんオーソドックスで判りやすいのは3.のスタートメニューから呼び出す方法ですが、ここではもっと特徴的な1.について紹介します。
最新機能ならではのツール間の連携と操作性向上で、文書作成の流れを妨げずにスムーズに使えるので、ぜひこの方法を覚えてください。
アクションセンターからキャプチャを実行する
そもそもアクションセンターってなに?という方へ
アクションセンターとは、Windows画面のいちばん右下隅にあるメッセージ機能です。いろんな通知がここに出てくるので、いちどは見たことがあるはずです。
実は、このメッセージが煩わしくて、私は通知機能をオフにしていました。
おかげで「切り取り&スケッチ」についての説明を読んだとき、どこにあるのかわからずにさんざん迷いました。
アクションセンターそのものは使っていたのに、名前を覚えていなかったんで説明を読んでも理解できなかったというわけです。
アクションセンターで[画面領域切り取り]を実行!
アクションセンターのアイコンをクリックすると、下の方に並んでいるボタンの中に[画面領域切り取り]があります。
これをクリックすると画面キャプチャツールが起動します。
実はこのキャプチャツール自体には名前がないみたいです。
しかも、[画面領域切り取り]を実行せずに、キャプチャツールをいきなり呼び出すキーボードショートカットが用意されています。
私は、このキーボードショートカットを先に覚えてしまったので、アクションセンターその他のツールとの連携を理解するのに却って時間がかかってしまいました。
ちなみにそのキーボードショートカットは
[Windows]+[Shift]+[S]
です。
[画面領域切り取り]の3つのモード
画面キャプチャツールには3つのモードがあって、切り取りの方法を選べます。
四角形クリップ
マウスやタッチパッドを使ってドラッグした四角い領域をキャプチャします。
ドラッグして四角い領域が表示されたら、マウスボタンを放すとキャプチャが実行されます。
フリーフォームクリップ
マウスで描いた軌跡に沿って選択した領域をキャプチャします。
クリックした点をつないでいく多角形型ではなく、ドラッグした軌跡に沿って領域を広げていくので不定形で雲形みたいな感じになります。
形を描き終わってマウスのボタンを放すと、キャプチャが実行されます。
ここが気になる
個人的な感想をいうと、このような形に選択しなければならない理由が思い当たらないし、ドラッグ中のちょっとした動きで形が崩れてしまうので使いづらいと思います。
このようなモードをつけた理由がなにかあるとは思いますが、個人的には使いません。
全画面表示クリップ
文字通り画面全体をキャプチャするモードです。これがいちばん使うと思います。
ボタンをクリックしたとたんに実行されますが、効果音もめだった通知もない(実はこっそりあるんですが)ので、Windowsに慣れていないユーザーは、何が起きたか判らないというよりは何も起きないよ?と心配になるかもしれません。
その他のキャプチャ方法は?
モードはいまのところ(2019年5月現在)これだけです。
個人的にはいちばん使いたい、特定のウィンドウだけキャプチャするモードがありません。それに、メニューのキャプチャなどで便利な遅延設定(コマンド選択から時間差をつけて実行する)やポインタのキャプチャに関する設定などもありません。
私のように、原稿に添える図版としてキャプチャを大量に作ってきた人間からすると全然もの足りないのですが、それでもたまに作る資料に画面を入れる程度の使い方にはまぁまぁ使えるレベルではあります。
「切り取り&スケッチ」で取り込んだした画像を使うには?
キャプチャ結果はアクションセンターに通知される
ふつうのキャプチャソフトだと実行後に効果音(カメラのシャッター音など)で教えてくれたり、キャプチャ結果の画像が表示されるのですぐにわかります。
Windowのキャプチャ&スケッチにはこのような機能がないので、一見なにが起きたのかわかりませんが、よく見ると、アクションセンターのアイコンが白く、すぐ上にメッセージが表示されていたりします。
通知されないよ?という場合はココをチェック
ところが私のように着信通知などがうざいという理由で通知をオフにしていると、キャプチャの通知も出なくなり、本当に何がおきたのかわかりません。
そんなときはWindowsの設定画面を開いて、[システム]の中の[通知とアクション]で「アプリやその他の送信者からの通知を取得する」をオンにしておきましょう。
通知があったらアクションセンターを開く
アクションセンターに通知が来ているのを確認したら、アクションセンターのアイコンをクリックしてメニューを開きます。
すると[切り取り&スケッチ]という見出しの中に、先ほどキャプチャした領域のサムネイルが表示されています。下には「切り取り領域がクリップボードに保存されました」というメッセージもついているはずです。
貼り付けにはクリップボード履歴がオススメ
キャプチャした画像はクリップボードに保存されていますから、あとはワープロやプレゼンソフトに貼り付けるだけです。
貼り付けはソフト側で[編集]メニューから実行してもいいし、キーボードショートカット(【Ctrl】+【V】)でも構いませんが、ここはぜひWindows10の新機能「クリップボード履歴」をオススメします。
キーボードショートカットは
【Win】+【V】
です。
クリップボード履歴では、中にキャプチャした画像を何枚も入れておけるし、貼り付けるときにはサムネイル画像で確認できるから、連続して何枚もキャプチャしたいときには欠かせない機能といえます。
クリップボード履歴の使い方については別の記事で紹介しているので、そちらもチェックしてください。
保存や加工編集は[切り取り&スケッチ]から
アクションセンターに表示されたキャプチャ画像のサムネイルをクリックするとウィンドウが現れます。実はこれが「切り取り&スケッチ」の本体です。
いままで「切り取り&スケッチ」という名前で延々説明してきましたが、実は連携しているアクションセンターと(無名の)キャプチャツールの操作を紹介していただけだったのです。話がややこしくてしょうがないのですが、ここをひととおり説明しておかないとはじまらないのでしかたなく「切り取り&スケッチ」という名前で引っ張ってきました。
さて「切り取り&スケッチ」にもいくつか機能があるんですが、とりあえず覚えておきたいのは、画像の保存はここでやるということ。
その他の機能については、別の記事であらためて紹介します。
まとめ-まだ完璧じゃない 他のツールと組み合わせてうまく使おう
キャプチャから貼り付けまでの手順を長々と紹介してきましたが、正直に言うとキャプチャソフトとしての機能はぜんぜんものたりません。
- アクティブウィンドウのキャプチャができない
- ツールバーなどコンポーネントのキャプチャができない
- ドキュメントエリアだけのキャプチャができない
- もちろんドキュメントエリアのスクロールキャプチャもできない
- キャプチャ遅延時間の設定ができない
私が使う頻度の高いものだけざっと数え上げても、こんな感じです。
ただし、これは大量にキャプチャ画像を作成する仕事をしてきた人間から見た不満。
他の画像編集ソフトと組み合わせることでかなりカバーできるでしょう。それより、ふだんのパソコン作業の中でさっと使えるというところが、Windowsシステムに組み込まれた純正ツールの利点です。
いままでキャプチャツール自体の存在を知らなかったり、インストールや操作方法を覚えるのがめんどうで試してこなかった人こそ使っていただきたいと思います。
それでもものたりないならHyperSnap8
もしWindows10のキャプチャ機能でものたりなくなったら、私ことFukuzumiお薦めの多機能キャプチャソフトHyperSnap8を試してみてください。
シェアウェアだけに強力無比、たいていの要望には応えられるはずです。英語版というのがややネックに感じられるかもしれませんが、当ブログで詳しく解説しているので参考にしてください。