Markdown形式とプレーンテキスト形式の文書を保存するほかに、PDF形式とHTML形式へのエキスポートが可能です。
さらに外部ツールを組み込むことで、いろいろな形式のインポート/エキスポートが可能になります。
今回は文書フォーマット変換ツールPandocとTyporaの統合について紹介します。
この記事の目次
Typoraの対応フォーマットを強化するPandoc
Typoraは基本的にマークダウン記法専用のエディタです。
しかしPandocというツールを統合すると、メニューコマンドからいろんな形式の文書を扱えるようになります。
Pandocとは
Pandocは文書ファイルの形式を変換するコンバータです。本来はコマンドライン形式で使用するツールのようですが、Typoraと統合することで、Typoraで作成した文書をほかの形式で出力したり、逆に他の形式で作られた文書をTyporaに読み込んで編集できるようになります。
オープンソースなので無料で自由に使うことができます。
WikipediaでのPandocの説明を引用します。
Pandocとは、 文書作成ツール (特に研究者による)[2][3][4]や出版作業の基礎的なツール[5][6][7][8][9][10]として用いられるフリーかつオープンソースのドキュメント・コンバータである。 カリフォルニア大学バークレー校の哲学の教授であるジョン・マクファーレイン(英: John MacFarlane)により開発された[11]。
Pandocのバージョン
Typoraと統合して使用できるのは、Pandoc 1.6以上となります。
この記事を作成している時点での最新バージョンは2.8.1です。(2019年12月6日)
Pandocで対応可能な文書ファイル形式
インポート可能な形式
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Microsoft Word(.docx)
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TeX/LaTex(.latex、.tex、.ltx)
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reStuructured Text(.rst、.rest)
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org-mode(.org)
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Wiki(.wiki、.dokuwiki、.mediawiki)
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Epub(.epub)
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Textile(.textile)
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OPML(.opml)
エクスポート可能な形式
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Microsoft Word(.docx)
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Open Office Wirter(.odt)
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リッチテキスト(.rtf)
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Epub
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LaTex
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Media Wiki
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reStuructured Text
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Textile
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OPML
PandocをTyporaに統合する
ではPandocをダウンロードしてTyporaから使えるようにするための手順を紹介します。
Pandocのダウンロード
step
1Typoraのエクスポートコマンドを選ぶ
Typoraの[ファイル]-[エクスポート]メニューから、Typora本体ではサポートしていない形式のどれかを選びます。
step
2解説ページを開く
「Pandocが必要です」というメッセージが出るので[指示に従ってPandocをインストール/アップデートしてください]というボタンをクリックします。
step
3Pandoc公開ページを開く
Typoraの解説ドキュメントが現れるので[Download Page]というリンクを右クリックしてリンク先ページへアクセスします。
step
4プラットフォームに応じたパッケージをダウンロード
ブラウザが起動し、Pandocの公開ページを表示します。
下の方へスクロールするとリストがあるので、その中から自分のパソコンに応じたパッケージをクリックしてダウンロードします。
64bit版Windowsなら"pandoc-x.x.x.x-windows-x86-64.msi"を選んでください。
拡張子が"msi"になっているものはインストーラパッケージなので、カンタンにインストールできます。
Pandocのインストール
step
5インストーラーパッケージを実行
ダウンロードしたインストーラのパッケージファイルをダブルクリックで実行します。
step
6警告画面での操作
「WindowsによってPCが保護されました」というメッセージが現れるので[詳細情報]というリンクをクリックします。
step
7インストールの続行
続いてメッセージ右下に[実行]ボタンが現れるのでクリックします。
step
8ウィザードが起動する
インストールウィザードが起動するので、ライセンス条項にチェックして[Install]ボタンをクリックします。
step
9インストールの終了
インストールが進行して、最後に終了画面が現れたら[Finish]ボタンをクリックします。
Windowsを再起動する
以上でPandocそのもののインストールは終了ですが、これだけではまだTyporaからPandocを使ってインポート/エクスポートはできません。
Windowsを再起動してからTyporaを実行すると、[インポート]コマンドと[エクスポート]コマンドで対応フォーマットを利用できるようになります。
このようにPandocとTyporaの統合はカンタンです。
純然たるブロガーにはあまりメリットが感じられないかもしれませんが、研究者やエンジニアにとっては出力できる文書形式が増えるのは魅力ではないかと思います。
つまり文書を作るときは軽快で操作性のいいTyporaを使い、できあがった文書を配布するときは利用者の多いMicrosoft Wordやリッチテキストなどメジャーな文書形式に変換するという分担が可能になります。
これでマークダウン形式で書くメリットがいっそう際立ちます。
またEpub形式への変換ができるため電子書籍の作成にも役立つでしょう。
Pandocはもともとコマンドラインで操作するツールなので、Windowsしか使ったことのないユーザーにはちょっと敷居が高いかもしれませんが、Typoraと統合することでより手軽に使えるのもメリットになりそうです。