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人気キャプチャソフトWinShotのいちばん基本的な使い方

以前、Windows用のキャプチャソフトとしてWinShotとCapra(キャプラ)のふたつを比較した記事を紹介しました。その後のアクセス解析を見るとWinShotについての情報を検索している方が多いようなので、今回はWinShotに絞って紹介します。

他のキャプチャソフトとか操作体系が多少違うところがあるので、そこに重点を置いて解説します。

WinShotを初めて使う方はぜひ参考にしてください。

WinShot ダウンロードページ(ベクター ソフトライブラリ)

WinShotの特徴

トレイアイコンからキャプチャ

WinShotの大きな特徴として、いわゆるメインウィンドウにあたるものがありません。

起動するとすぐにWindowsのシステムトレイに入って待機状態になるのでウィンドウが出てきません。このためキャプチャソフトに慣れていない初心者にはやや分かりづらいところがあります。

どちらかといえばキー操作に慣れた中級以上のユーザー向けといえます。

逆にいうといつもシステムトレイに常駐させておいて、必要になったら即キャプチャできるところがこのソフトの真骨頂といえます。

タスクトレイアイコン

WinShotはシステムトレイに常駐する

またキャプチャのコマンドは、画像の出力方法によって次の5つのサブメニューに分けられています。

  • 印刷

  • プレビュー

  • クリップボードコピー

  • ビットマップ保存

  • JPEG保存

キャプチャ範囲の指定方法

WinShotではキャプチャ範囲を指定する方法が独特です。

多くのキャプチャソフトでは、デスクトップキャプチャやアクティブウィンドウキャプチャなどが独立したコマンドになっていますが、WinShotでは事情が異なります。

WinShotoの場合は、先ほど紹介した印刷やプレビュー表示などの出力先を選んだあと、さらにサブメニューの中でキャプチャ範囲を指定します。

そのため他のキャプチャソフトになれた人にはややわかりにくいかもしれません。しかし逆にいうとこの出力先→キャプチャ範囲指定というサブメニューの関係さえ分かってしまえば、簡単に使いこなせます。

キャプチャ用コマンドは比較的少ない方で、同じ領域のキャプチャを繰り返したり、一回のキャプチャで複数の異なるエリアを指定するといった使い方はできません。

とはいってもふつうのユーザーには4つだけで充分です。

加工と保存

最初に紹介したとおり、キャプチャした画像はいきなり印刷したり保存したりできますが、初めての人にはプレビュー表示がお薦めです。

プレビュー表示にしておけば、思い通りのキャプチャができたかその場で確認できるだけでなく、自由に名前をつけて保存したり、コピー&ペーストで他のアプリケーションと連携したりと、その場に応じて臨機応変な使い分けができます。

また、トリミングや反転・回転、グレースケール化のような簡単な加工もプレビュー画面上でできます。

WinShotを使ってみよう

WinShotはインストール不要なので書庫ファイルを展開したらその中にある実行ファイルwinshot.exeを起動するだけですぐに使用できます。

起動しても一見なにも変化がありませんが、Windowsのシステムトレイにアイコンとして常駐しているので、そこからまず基本設定と操作方法を確認しておきましょう。

ポップアップメニューをウィンドウを開く

Windowsのシステムトレイで∧アイコンをクリックして格納されているトレイアイコンのパレットを開き、そこからWinShotのアイコンを右クリックします。

するとメニューがポップアップします。ここからキャプチャコマンドを実行します。

キャプチャの出力先を使い分ける

すでに紹介したとおり、WinShotのキャプチャコマンドは出力先ごとのサブメニューに分かれています。

なので、キャプチャを行うときはまず出力先を選ぶことになります。

WinShotのコンテクストメニュー

コンテクストメニューからキャプチャを実行する

出力先の中で初心者にいちばんわかりやすいのはプレビュー表示でしょう。キャプチャした結果が画面に表示されるので、思った通りにキャプチャできているかその場で確認できます。

プレビュー表示でキャプチャに慣れてきたら、クリップボードコピーやビットマップ保存/JPEG保存などのコマンドも使ってみましょう。

クリップボードコピーはキャプチャ画像をそのままワープロなどのソフトで使うときに便利ですが、プレビュー表示画面からもコピーできるので必要性は低いかもしれません。

ビットマップ保存やJPEG保存はプレビュー表示なしでそのまま保存していくので、大量のキャプチャを連続して行うのに向いています。ファイル名は環境設定ダイアログボックスであらかじめ指定した規則にもとづいて自動的につけられるので、保存のたびにひとつひとつ名前を付ける手間はいりません。

ファイル名は単純な連番になります。

キャプチャ範囲を選ぶ

出力方法を選んだら次にサブメニューからキャプチャしたい範囲を指定します。どの出力先を選んでも、キャプチャ範囲は次の4つで共通しています。

  • アクティブウィンドウ

  • デスクトップ

  • 矩形範囲指定

  • コントロール/クライアント

キャプチャ範囲の選択

出力方法を選んだあとサブメニューからキャプチャ範囲を指定する

それぞれの使い方を説明します。

1. アクティブウィンドウ

使用しているアプリケーションやダイアログボックスだけをキャプチャするときに使います。余計なところをキャプチャしないので、ソフトの概要を紹介するときなどに適しています。

キャプチャ結果のプレビュー

アクティブウィンドウ(ワードパッド)だけをキャプチャしてプレビューに表示した結果

2. デスクトップ

パソコンのデスクトップ、つまり画面全体をキャプチャします。いろんなウィンドウが開いているような状況を説明するのに適しています。ただし、あまりたくさん開いているとわかりにくくなるので注意しましょう。

デスクトップにアイコンがたくさん並んでいるときも見づらくなることがあるので気をつけてください。

3.矩形範囲指定

デスクトップの一部分を四角形に切り取ってキャプチャする方法です。特定の場所だけを強調したいときに適しています。ツールバーやメニューの操作などの細かい解説にお薦めです。

4. コントロール/クライアント

ワープロや表計算ソフトの文書編集エリアだけをキャプチャしたり、ツールバー部分だけをキャプチャすることができます。ただしソフトによってはうまく認識できない場合があります。

コントロールの選択

ワードパッドのリボン部分(赤枠内)だけをキャプチャしようとしているところ

キャプチャ範囲の使い分け

3.の矩形範囲指定はキャプチャ範囲を自由に選べますが、そのたびに範囲を指定しないといけないのでめんどうです。

そこでアプリケーションのウィンドウだけをキャプチャしたいときは1.のアクティブウィンドウを選びましょう。たくさんのウィンドウが重なっている場合、いちばん上にあるウィンドウだけを自動的に選んでキャプチャしてくれます。

ウィンドウ全体はいらないからツールバーのところだけキャプチャしたいというような場面では4.のコントロール/クライアントを使います。

ウィンドウの中から切り出したいところが赤い枠で表示されるので、マウスを動かして赤い枠を移動させてキャプチャしたい範囲を選びます。矩形範囲指定に比べると手間が省けます。

ブレビュー画面と保存

出力先を「プレビュー」表示にした場合、キャプチャを実行するとプレビュー画面のウィンドウが現れます。

プレビュー画面でまず重要なのは、マルチドキュメントに対応していないという点です。つまり、いちどキャプチャして画面1を取り込み、続いて次のキャプチャで画面2を取り込むと画面1は消えてしまいます

タブ切り替えで何枚も画像を開いておくことができないので、キャプチャを行ったら次のキャプチャの前に必ず保存しておかないといけません。

このため、とりあえず連続でどんどんキャプチャしたいならJPEG保存やPNG保存の方が向いています。その代わりにプレビュー表示では廃棄や保存をそのつど確認していくので、手間はかかりますが、ムダのない確実な作業ができます。

またプレビューウィンドウでは、画像の回転や反転、切り抜きなどの加工を行ったり、ほかの画像編集ソフトと連携して編集することもできますが、とりあえずは画像の保存方法を覚えましょう。

保存には4つのコマンドがあります。

  • ビットマップ保存(BMP形式)

  • JPEG保存(JPG形式)

  • PNG保存(PNG形式)

  • GIF保存(GIF形式)

キャプチャした画像をWebで使用するのならJPEG保存かPNG保存がお薦めです。

4つのコマンドは独立しているので、ダイアログボックス上ではファイルの保存先フォルダとファイル名を指定するだけです。ファイル形式の指定は必要ないので、ファイル名だけ指定しましょう。

プレビュー画面の保存コマンド

画像フォーマットごとに保存コマンドがある

これでWinShotのもっとも基本的な使い方は終わりです。

慣れてきたらホットキーで

キャプチャはトレイアイコンのメニューだけでなく、ホットキー(キーボードショートカット)でも可能です。むしろ慣れてきたら、トレイアイコンを開いてメニューから操作するよりも、効率よくキャプチャができます。

ホットキーから実行するときもキャプチャする範囲出力先の組み合わせで指定するところは、ポップアップメニューから実行するときと同じです。

出力先指定×キャプチャ範囲指定で5×4=20とおりのキャプチャ方法があり、いきなり覚えるのはたいへんですが、メニューコマンドのときと同じようにまず自分がいちばん使いたい出力先を決めて、それに必要な操作だけ覚えるといいでしょう。

キー割り当ての確認

ホットキーを使ってキャプチャするには、それぞれのコマンドのキー割り当てを覚えておかなければなりません。環境設定のウィンドウで確認しましょう。

環境設定ウィンドウを開く

Windowsのシステムトレイで∧アイコンをクリックして格納されているトレイアイコンのパレットを開き、そこからWinShotのアイコンを右クリックします。

するとメニューがポップアップするので[環境設定]コマンドを実行しましょう。これで基本的な操作の確認ができます。

WinShotの環境設定コマンド

環境設定ダイアログボックスを開く

ホット・キータブでキャプチャ操作を確認する

環境設定ダイアログボックスには10個のタブがありますが、とりあえず必要なのは「ホット・キー」タブだけです。そのほかのタブは後回しでかまいません。WinShot初心者はまずここだけチェックしましょう。

20個以上のホットキーが登録されていますが、いきなりすべて覚える必要はありません。最初に紹介したとおり、キャプチャ範囲×出力方法の指定なので、まず出力方法を決めて次にキャプチャ範囲の指定方法を組み合わせて覚えます。

WinShotのホットキー割り当て

ホットキーの割り当てを確認

いちばん使いたい組み合わせを決めよう

初心者のうちはやはり「プレビュー表示」に出力するのがお薦めです。

そこで、プレビュー表示するためのコマンド4つをまず覚えましょう。

1.プレビュー表示(アクティブウィンドウ)

【Ctrl】+【Shift】+【F3】

2.プレビュー表示(デスクトップ)

【Ctrl】+【Shift】+【F4】

3.プレビュー表示(矩形範囲指定)

【Ctrl】+【Alt】+【F3】

4.プレビュー表示(コントロール/クライアント)

【Ctrl】+【Alt】+【F4】

要するに【Ctrl】キーを基準にして【Shift】または【Alt】キーの使い分け【F3】または【F4】キーの使い分けを組み合わせます。

これで4タイプのキャプチャ方法を使い分けられるようになります。

もちろん、4つぜんぶを使う必要はありません。最初のうちは1.と2.だけといった使い方で構いません。つまり【Ctrl】+【Shift】は固定で【F3】と【F4】の使い分けです。

だんだん慣れてきたら【Shift】の代わりに【Alt】を使ってみるという感じです。

WinShotの手始めはは基本パターンのマスターから

以上がWinShotのいちばん基本的で、初心者にお薦めの使い方です。

初めてWinShotを使う人は、まずこの出力先を決めるキャプチャ範囲を選ぶというパターンになれてください。ここが他の多くのキャプチャソフトとWinShotのいちばん大きな違いです。

あとは、慣れてきたらJPEGやPNGでの自動保存を使ってみましょう。

パソコン操作を連続して説明するような使い方なら、まず自動保存しておいてあとからグラフィックソフトで加工して仕上げるのが効率的だと思います。

あらためてWinShotの基本をまとめておきましょう。

初心者がまず覚えたいWinShotの基本

  • メインウィンドウがない

  • トレイアイコンのメニューまたはホットキーでキャプチャ

  • 出力方法→キャプチャ範囲の順に指定

  • 初心者にはプレビュー表示がお勧め

以上の4つをまず覚えましょう。オプション設定などについてはまた改めて紹介します。

WinShotのダウンロードページ(ベクター)

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参考

この記事で使用しているスクリーンショットは、Hyperionics.comのHyperSnap8というシェアウェアを使って作成しています。

HyperSnap8の使い方については特集で紹介しています。

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