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オンラインで楽器レッスン
友人は地元のお祭りで披露するお囃子のチームに所属。
地元の小学生にも伝統の継承ということで、お囃子の指導を行っています。
しかし昨年からCOVID-19の騒ぎでお祭りは中止。
子供たちへの指導もできていません。
6年で卒業する小学生にとって2年間の空白は大きすぎで、指導する側としても世代間の断絶はかなり深刻な問題です。
そこで小学校側から申し出があり、オンライン会議システムを使った指導を検討することになったようです。
画面が反転してほしい
ところが、実際に検討してみると新たな要望が浮上。
子供たちがわかりやすいように、教える側の映像を左右反転させてほしいというリクエストがあったそうです。
対面での直接指導ができない分、目で見て判りやすいやり方が望まれているんでしょう。
ところが小学校で使っているタブレットには画面の反転機能がないので、映像のソース側でなんとかできないかということでした。
OBS Studioを使えば反転も簡単
いちばん簡単なのは画面反転機能がついたWebカメラを買うことだと思いますが、今回はソフトウェアで処理する方法を紹介します。
用意するのはライブ配信にはおなじみOBS Stuidoとそれに組み込んで使うOBS Virtualcamというプラグインのふたつ。
どちらも無料で入手できます。
あとはふつうのWebカメラがあればだいじょうぶ。
わざわざ反転機能つきのWebカメラを買う必要はありません。
今回はノートPCに搭載されているWebカメラを使った設定を紹介します。
映像反転の設定をやってみよう
ふたつのツールの使い方は、すでに別記事で詳しく紹介しているので、ここでは設定のやり方を簡単に紹介するにとどめます。
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OBS Studio用プラグインでテレビ会議もマルチカメラ化
テレビ会議でも複数のカメラを使えたらもっと効果的でインパクトのある提案ができるのに・・・、と思ったことはありませんか? そんな方のためにOBS Studioのプラグインを紹介します。 この記事の目次1 ...
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OBS StudioとVirtualcamをインストールする
をインストールし、続いて
どちらもインストールは特に難しいところはありません。
OBS Studioはインストールウィザードにしたがってデフォルト設定ままインストールしておけばいいでしょう。
OBS VirtualCamのほうは、インストールオプションなどもないのでまったくなにもする必要はありません。
インストールが終わったらパソコンを再起動しておきましょう。
Virtualcamを有効化する
OBS Studioを起動し[ツール]メニューを開くと、中に[VirtualCam]というコマンドが追加されています。
これを実行して、バーチャルカムの機能を有効にします。
このとき「Option」チェックボックスで、”Horizontal Flip"にチェックを入れます。
さらに「Target Camera」で”OBS-Camera”を選んでおきます(OBS-Camera2~4もあり、このあとWeb会議ツールのほうと設定を合わせればどれを選んでも構いません)。
設定が終わったら[Start]をクリックすると、機能が有効になります。
以後、OBS Studioの操作は必要ありませんが、Web会議(レッスン)が終了するまでそのまま起動しておきましょう。
Web会議ソフト側でカメラを指定する
OBS Studioとバーチャルカムの準備が終わったら、Web会議を始めましょう。
どのソフト/サービスでもだいたい同じはずですが、今回はFacebookのライブ配信画面を例に紹介します。
ライブ配信用カメラを選択する
Facebook画面を開いて、ライブ配信の準備をします。
Live Producerの画面を開いて[ライブ配信を開始]をクリックします。
ライブ配信ダッシュボードに切り替わったら、「アドバイス」というポップアップが現れますが、じゃまなので[クローズ]ボタンをクリックして閉じてしまいます。
「映像ソースを選択」のところで[ウェブカメラ]を選択します。
OBS Studioを使用していますが「ストリーミングソフトウェア」を使うわけではないところがポイントです。
すぐ下の「カメラコントロール」のところを見ると設定が、"メディアソースを選択"になっているはずです。
ここにカメラ名が現れるまで少し待ちます。
待ってもカメラ名が出てこないときは、上のプレビューエリア(黒い画面)のところで[再試行]をクリックしてみましょう。
何回かクリックしているうちにカメラ名が表示されるはずです。
OBS-Cameraを選択する
最初は"HP Truvision HD”という名前が表示されました。
これはHP製ノートパソコンに内蔵されているWebカメラ名です。
実際には皆さんのパソコンで使っているWebカメラの名前が表示されます。
このカメラを実際に使うのですが、実は先ほど設定したOBS VirtualCamを経由して映像を受け取ります。
そこでドロップダウンリストを開いて、メニューから”OBS-Camera”を選択してください。
ただし、選択しても映像が現れなかったり、設定がもとのカメラ名に戻ったりすることもあります。
そんなときは慌てずしつこく[再試行]をクリックしていれば、そのうち”OBS-Camera”が選択されて映像が現れるはずです。
ここでは左手を挙げていますが、左右が反転して鏡に写ったのと同じ状態になりました。
もしVirtalCamの設定で”Horizontal Flip”にチェックしていないと、反転しないふつうの映像になります。
OBSを使えばマルチカメラのレッスンも可能
ここではFacebookライブを例に紹介しましたが、どんなWeb会議ツールでも要領は同じです。
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OBS StudioにVirtualCamプラグインをインストールする
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”Horizontal Flip”をオンにしてVirtualCamを実行
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VirtualCamで選んだターゲットカメラと、Web会議ツールで使うカメラの設定を揃える
この3つができていればライブ配信やWeb会議の映像を左右反転できます。
つまり、Webカメラの映像を直接Web会議ツールで使うのではなく、途中にOBS VirtualCamを入れてその時点で映像を左右反転してしまうわけです。
お好みに応じたやり方を選んでください。