Fireworksに代わるグラフィック編集ソフトを探していますが、期待が持てそうなアプリケーションに出会ったので紹介します。
この記事の目次
ブロガーから見たFireworksの魅力
FireworksはWeb用の画像を制作するためのグラフィックソフトで、IllustratorやPhotoshopほど高度なことができるわけではないけど手軽にそこそこのモノが作れるのが魅力でした。
デザイナーやアーティストではないブロガー的な視点でいうと、Web記事で使うちょっとしたグラフィック、それもイラスト・挿絵的なものではなく、概念図とかの説明用図版を作るのにぴったりだったわけです。
具体的にいうと、
-
基本的な図形(オブジェクト/プリミティブ)が豊富にあって、図形を並べるだけで基本的な画像が作れる
-
プロパティ設定が簡単で、装飾が手軽にできる
-
Web用にファイルサイズを抑えて出力できる
といったところが魅力です。
代わりのソフトが見つからない
しかしアップデートが止まってから8年近く経過し、そろそろ代わりを探す必要があります。
"Fireworks"+”後継”とか"Fireworks”+”代替"といったキーワードで検索を掛けると、いくつかソフトが見つかります。
有名なところではAffinity DesignerとかGravit Designerでしょうか。
しかし、ざっと触った感じではどちらもいまひとつ。
どっちも高機能なグラフィック・アート制作向けで、上で触れたような概念図とか説明図を作るのには機能が多すぎ。
使いこなしにはかなり勉強が必要のようです。
デザイナー外注ならともかく、テキスト原稿の補完としてブロガーが自分で図を作るばあい、使いやすさ最優先で、ビジュアル的なクオリティは二の次(とにかく記事を量産したいですから)。
というわけで、そういうところにもぴったり嵌まっていたFireworksに代わるソフトがなかなか見当たりません。
そもそも探している時間も惜しいわけですから・・・
そんな中で見つけたのが、今回紹介するiPhotoDrawです。
iPhotoDrawは補足説明が得意?
iPhotoDrawという名前から、iOS用の写真加工ツールかなにかと思っていましたが、実はWindows用のドロー系グラフィックツール。
しかも、完全無料のフリーソフトです。
シンプルな公式サイトのシンプルな説明を読むと、こんなことが書いてあります。
”A picture is worth a thousand of words. But sometimes you still want to add words or other information to the picture."
ざっと、訳すとこんな感じでしょうか。
写真には100のことばの価値があります。それでも、写真に言葉を添えたくなることがあるでしょう
どうやら写真に説明を書き加えたりするのを目的としたソフトで、そのためにテキストボックスはもちろん、矢印や吹き出しなどのオブジェクトが揃っているようす。
これこれ、こういうのが欲しかった。
で、具体的にどんなことができるのか。
それは、この記事の図版を見ていくだけでだいたいの感じはつかめると思いますよ。
iPhotoDrawのダウンロード&インストール
公式サイトにアクセスしてページの右側にある[Download Now]をクリックします。
ファイルは拡張子msiのインストーラー形式です。
適当なフォルダーに保存し、ダブルクリックで起動しましょう。
インストールウィザードの画面が現れるので、[Next]をクリック。
ライセンス認証画面でチェックボックスにマークして[Next]をクリック。
インストール先フォルダーを指定します。
特に変更の必要がなければ、そのまま[Next]。
ユーザーアカウント制御の警告が出たら、[はい]をクリック。
最後に[Finish]をクリックしてインストール終了です。
"Launch iPhotoDraw when setup exists."をチェックしておくと、インストーラー終了後にiPhotoDrawを起動してくれます。
iPhotoDrawは描画オブジェクトが豊富
さて、いままで見ていただいたインストール画面のスクリーンショットでなにか気づいたことはありますか?
実は、すべてiPhotoDrawで編集したモノです。
リボン風のテキストボックス、引き出し線のついたコールアウトや吹き出し、矢印や矢尻型などいろんなオブジェクトがあって、これらを配置するだけで簡単に説明を書き加えられます。
また、ユーザーアカウント制御のところやインストール終了のスクリーンショットでは、ダイアログボックスのキャプチャ画像からはみ出すようにオブジェクトを配置していますが、このように元の画像よりひと回り大きな画像にするのも簡単です。
iPhotoDrawのスクリーンショットを見てみましょう。
左側にいろんな描画ツールが並んでいます。
これだけ豊富なので、グラフィックツールにちょっと慣れていれば、簡単な図だったらすぐに描けますね。
iPhotoDrawの弱点はコレだ
具体的な使い方は今後の記事で紹介していきたいと思いますが、最後に、ざっと使って気づいた弱点を紹介しておきましょう。
-
マルチドキュメント編集ができない(多重起動は可能)
-
リサイズ機能がない
- 背景画像の選択や切り取りはできない
-
エクスポート時のサイズ指定が不便
-
Web用の最適化ができない
マルチドキュメント編集ができない
複数の画像を同時に見比べながら編集することができません。
ただし、これは同じウィンドウ内でのタブ切り替えなどはできないという意味です。
正確に言うと、複数のiPhotoDrawを起動することはできるので、ウィンドウ自体を切り替えれば作業はできます。
パソコンの搭載メモリ量に余裕があればあまり問題ではないでしょう。
リサイズ機能がない
いまのところこれがいちばん不便に感じています。
たとえば、フルスクリーン(横1920ピクセル)のキャプチャ画像が大きすぎるのでサイズを小さくしたい、といったときに別のソフトを使って作業する必要があります。
これについてはキャプチャした時点で縮小しておけばいいとは思いますが、あとあと違うサイズで再利用したいといったときには不便です。
次に述べるエクスポート機能で画像サイズを指定することもできますが、元画像が大きいままだとファイル容量も大きいので、縮小もできると助かりますね。
背景画像の選択や切り取りはできない
読み込んだ静止画(もちろんキャプチャ画像も)をドラッグ選択でコピー&ペーストしたり、クロップコマンドで必要なところだけ切り抜いたりすることはできないようです。
つまり、背景画像の加工に制限があります。
反転や色補正などはできるんですが、領域の一部を選択するという作業は考えられていないようです。
写真に図や文字を書き加えるというこのソフトの原点を考えればなるほどと理解できる仕様ですが、一般的なグラフィックソフトのイメージからすると、ちょっともの足りなく感じる人もいるでしょう。
エクスポート時のサイズ指定が不便
iPhotoDrawでは、描いた図形や入力したテキストをあとから編集できるように、独自形式のファイルで保存します。
そのためブログ用の画像を作成するにはエクスポートコマンドを使って、GIFやJPEG、PNGなどの形式に変換する必要があります。
このときに画像サイズを指定できるんですが、縦横比を連動させるときちょっと手間がかかるところがあり、コツを掴むまでは警告メッセージに悩まされます。
パーセント単位での拡大/縮小指定もできますが、画像のサイズを統一するために個別に指定したいといったときにはややめんどうです。
Web用の最適化ができない
Fireworksが現役だった頃は今ほどネットの速度が速くなかったこともあり、なるべく画質を落さずにファイルサイズを小さくする最適化が重要な機能でした。
現在では、通信速度の問題はないでしょうが、SEOの観点からいうとファイルが小さい=短時間で読み込めるほうが有利です。
残念ながらiPhotoDrawにはこの最適化出力機能がないので他のツールで補ってやる必要があります。
ブログ記事に添える図版作成ならコレ
さて、最後に弱点を列記してしまいましたが、これらの弱点をカバーしてあまりあるくらいにiPhotoDrawの手軽さには魅力を感じました。
改めて念を押しますが、アート志向、グラフィックデザイン志向のツールではありません。
ブログ記事に添える説明図、キャプチャ画像に書き込む補足などを作るのにぴったりということです。
ScreenPressoの画像編集機能をパワーアップしたものと考えてもらってもいいでしょう。
その機能については今後詳しく紹介していきたいと思いますので、手頃なグラフィックツールを探しているブロガーの方はぜひ参考にしてください。