スマートフォン用の動画撮影アプリFilMic ProでクリーンHDMIを出力できるようになりました。
FilMic Proの本格的な撮影機能をWebCamとしても使えるのは便利ですね。
さっそく試してみました。
途中いろいろ苦労しましたが、なんとかできるようになったんで報告です。
この記事の目次
は、本格的な撮影機能を備えたムービーアプリです。
フォーカスと露出をそれぞれ別に操作したり、色合いをきめ細かく調整できるほか、シャッター速度固定での撮影といったマニュアル操作が可能。
また、フォーカスの位置を移動する「送り」操作を自動でやってくれるプルフォーカスや、同様に自動でズーム操作を行ってくれる機能など、ふつうのカメラアプリでは難しいビデオカメラならではの操作を、スマートフォンの機能を活かして補ってくれるのは秀逸です。
チュートリアル動画をひとつ紹介しておきましょう。
周辺機器との連携も魅力のひとつで、DJI OSMO MobileやZhiyun Smooth 4のような小型ジンバルスタビライザーをサポートしているほか、なんと1.33倍や1.5倍のアナモルフィックアダプターを組み合わせて撮影できるモードまで備えています。
そんなパワフルなアプリですから映像作品の制作にも使われていて、映像クリエイターのコンテスト的なイベントまで開催しています。
あまりに強力なので、さすがに普通のアプリに比べるとかなり高価ではありますが、それでも1840円でこの機能が買えるのは、お得といっていいでしょう。
さらにApp内課金で、LOG収録やトーンカーブの選択、ブラック/ホワイトポイントの調整などが可能なシネマトグラファーキットを追加できます(1,720円)。
なんとPremier ProやDaVinci Resolveといった動画編集ソフト向けのLUTパックまでリリースされています。
クリーンHDMIアウトでWebカメラ化
そんなFilMic Proですが、新バージョン(6.12.0)に、クリーンHDMIアウト(Clean HDMI Out)というオプションが追加されました。
クリーンHDMI アウトは、スマートフォンの画面上に表示されるユーザーインターフェイス関係のアイコンを非表示化して、純粋にカメラで撮影した映像だけを出力する機能です。
スマートフォンの画面をそのままHDMI出力すると、録画/停止などのボタンやフォーカス/露出ポイントのマーク、オーディオレベルゲージなどの**オンスクリーンディスプレイ(OSD)がカメラの映像にオーバーレイした状態です。
これらのオーバーレイはWebカムとして使うときはいらないので消してしまおうというわけですね。
これもリモートワークが進んだのに合わせたバージョンアップだと思われます。
クリーンHDMIアウトの設定
設定は簡単です。
オンスクリーンディスプレイの下の方にある歯車アイコン(コグ)をタップします。
設定画面が出たら[ハードウェア]の項目をタップ。
ハードウェア設定リストの先頭に"Clean HDMI Out"があるのでこれをオンにすればOK。
その下に”Audio Over HDMI”というのもあるので、スマートフォンのマイク音声を活かしたいんだったらこれもオンにしましょう。
OBS Studioに出力してみたが・・・
iPhoneからHDMI信号を出力するばあい、Lightningケーブルを使った有線接続とAirPlayを利用したワイヤレス接続が可能です。
今回は、有線接続を試してみました。
有線接続には、HDMIコネクタをもつ専用のLightningケーブルが必要です。
Apple純正は高いですよね・・・
それからもちろん、HDMIケーブルとキャプチャーボックスも。
要するに、ふつうにビデオカメラの代わりにiPhoneをつなぐだけです。
以前、iPhoneを使ったプレゼンテーション用に買ったケーブルがあるのでこれで試します。
この製品は、Lightening端子とHDMI端子のほかに、USB-A端子があります。
これはモバイルバッテリーなどから電源を供給するためのもので、電源を接続していないと映像出力ができません。
Amazonにもう同じ製品がないようなので、同等と思われる製品を紹介しておきます。
PCにつないでのプレゼンテーション用として買ったのでケーブルが長いんですが、ふつうに使うんだったらApple純正同様にもっとコンパクトなほうが使いやすいでしょう。
とりあえず今回はこの長いケーブルを使い、いつものようにElgatoのHD 60Sでキャプチャしてみました。
手順は簡単で、映像ソースに映像キャプチャデバイスを登録して”Game Capture HD60 S"を指定するだけです。
というか、すでにHDMI入力用の設定がしてあるので、いつものハンディカムをiPhone+HDMIケーブルに置き換えるだけですぐにつながります。
ところが、OBS Studioに入力されている映像をみても肝心のクリーンHDMIではなく、ふつうにOSDの情報が表示されています。
FilMic Proのバージョンはちゃんと6.12.0だし設定も確認したのですが、なぜクリーンにならないのかいまのところわかりません。
もうすこし調べてから、追って報告したいと思います。
ファームウェアアップデートが必要だった
その後、いろいろ試した結果、Lightning>HDMI変換ケーブルのファームウェアをアップデートすることで正常に切り替え可能になりました。
少し古い(Fukuzumiが買ったのは2018年)変換ケーブルを使っている方は、アップデートしてみてください。
これから購入する方は、最新版と書かれているものにしましょう。
アップデートの方法は、サンワダイレクトさんの製品サポート記事が参考になります。
要点をまとめると、次のようになります。
- 変換ケーブルをOTAモードに切り替える
- アプリ”EzCast"をiPhoneにインストール
- インターネット共有(テザリング)をオンにして、アプリ上から変換ケーブルを接続
- ファームウェアのアップデートを実行
変換ケーブルに付属していたマニュアルは英語表記だけだったので、Personal Hotspotという用語がインターネット共有のことで、それが結局テザリングだというのがわかるまでにかなり苦労しました。
結局、サンワダイレクトのサポート記事と照らし合わせてようやく理解できました。
テザリングを利用する設定になっていないと、アップデートそのものができないので注意してください。
アップデートはTVに接続した状態で行いました。
アップデートが終わると、自動的に変換ケーブルが再起動して、このときOTAモードから(通常の)プラグ&プレイモードに戻ります。
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