選択したのはザハトラーのシステム Ace M MSです。
そもそも"三脚だけでもいいのを買っとけ"
実は、今回の依頼があった当初、まだ予算をどれくらい確保できるのかわからなかった時点では、三脚だけいいのを買っておくというのを薦めました。
業務用のビデオカメラを買っても、年に何回使うかわからないし、それでいてどんどん新しい製品が出てきます。
ろくに使わないうちに性能アップした新製品が出たら悔しいし、お金がもったいないじゃないですか。
そこで、ビデオカメラはレンタルでいいから、三脚だけしっかりしたのを買っておけ。いい三脚なら何十年も使えるし、カメラはレンタルすればそのつど最新型が使える、余裕があれば数台レンタルしてマルチカメラ撮影もできる、と提案。
ところが、依頼者の友人のほうには腹案があったらしく(その時点では明かしていなかった)、どうしても一台購入しておきたいようなので、業務用ビデオカメラを優先して選定しました。
あのザハトラーが〇万円!?
カメラを買うとなるとメモリカードなどのストレージも必要です。そこらへんの予算まで勘案しつつ商品を探していたら、ありましたよ、いきなり有力候補が!
ザハトラーの システム Aceです。
ザハトラーの製品はこれまで現物を見たこともありませんが、動画の世界ではヴィンテンと並ぶ二大巨頭。
"悩まないで、とりあえずこれ買っとけ"みたいな超王道、究極のブランドとして何十年も前から認識しております。
ただね、Fukuzumiの認識では、いちばん安価なモデルでもだいたい20万円前後と、個人ではとても手が出ない存在でございました。
テレビ局とか、本格的な映像制作スタジオが使うもの、と思ってたわけです。
ところがなんと、今や10万以下のモデルまでラインナップされてるじゃないですか!
それがシステム Ace Mです。
システム Ace M MSの特徴を紹介するよ
ザハトラーが10万円程度で買えるというだけでもう釘付けです。
他のブランドは目に入りません。
なんでそんなに安価なのかというと、どうやら、三脚とヘッド(雲台)がセットになっていて、さらにバッグも付属。それで"システム”というっぽいですね。
モデル名のMというのは、まぁミドルグレードということでしょう。上位にLやXLもあります。
ハーフボールの径は75mm。当然コンパクトモデルです。
耐荷重は4kg。重心高75mmのとき最大3.5kgとなっています。
今回購買ターゲットになるカメラは1kgちょっとなので、多少アクセサリをつけてもまあ充分でしょう。
カウンターバランスの調整は5段階+0
ドラッグの調整は3段階+0
上の写真でシルバーのリングがドラッグの調整ダイアルです。もちろんティルトとパンそれぞれ別に調整できます。
こちらの黒いノブはカウンターバランス調整ダイアル。
ディンプルの大きさから判るように、右へ回すと軽く、左へ回せば重くなります。
ちなみに、ダイヤルの左に見えているのがヘッドの水平を出すための水準器。
脚は3段式。ロックはオーソドックスなねじ式でワンタッチというわけにはいきませんが、そこは我慢するとしましょう。
3段いっぱいに伸ばすと、ヘッドの頂部は身長約170cmの私より少し高くなります。
安定性が高くなるようにスプレッダーを最大に展開して、少し高さを抑えた状態でも私の目の高さぐらいです。
脚の素材はアルミ。全体の重量は4.4kgです。
上位モデルのSystem Ace Lも手が届く範囲だったんでどちらにするか迷いましたが、耐荷重が4kgでも充分だったことと、脚がアルミ製ということであえてローグレードのMにしました。
実はLはカーボンファイバー製でMより軽いのです。
ただ、想定される使用場所がほぼホール内で移動しながらの撮影はないこと、重たいほうが安定感があること(特に重心高)、アルミ製のほうが不用意な衝撃に対して安心なこと、などからMにしています。
段差のある階段状のホール内で使うため、スプレッダーはミッドタイプにしました。
安くったってザハトラー、安心感が違う
まだ、カメラを装着してのバランスチェックしかやっていないので、実際の操作感はわかりませんが、個人的に使ったことのあるマンフロットのRC-128やBenroのローグレードモデルに比べると、当然ながら段違いの精度を感じます。
そもそもマンフロットやBenroはオイルフルードというだけで、カウンターバランスがついてませんでした。
RC-128は野鳥撮影で使っていましたが、わずかな操作をしたときにどうしても"跳ね返り"があって、狙った位置にぴたっと止めるのが難しかった。
Benroの低価格モデルは、ボール部分にヘッドをねじ止めする方式だったのにヘッドにゆるみ防止ネジがなかったから、左へパンするとヘッドが緩んでくるという問題がありました(この点はもっと安いRC-128のほうがよかった)。
そういうのに比べると、廉価版とはいえさすがザハトラー、文句はありません。
ホームビデオ撮影ならともかく、本格的な動画撮影用の三脚を検討しているならぜひ候補にいれください。