そこで今回は業務用ビデオカメラ初心者目線で、初心者に向けたマイク設定の紹介です。
ビデオカメラ用ショットガンマイク
購入(をお願い)したのはソニーのECM-XM1という製品です。
実は、ソニーのビデオカメラアクセサリーの中には載っていないもよう。
どうも、一部ビデオカメラの付属品として同梱されている製品で、それを一部のショップが補修部品扱いで販売しているようです。
一般に売られる商品ではないため、パッケージも化粧箱といったものではなく、プリントもされていないただの段ボール箱。
あまり高価な製品でもなく音質もそれなりのようですが、限られた予算の中でやりくりするため、とりあえずこれで行こうということにしました。
なにしろ、同じようにビデオカメラに搭載するためのコンパクトサイズでXLR端子という製品は意外になくて、AZDEN(アツデン)のSGM-PDIIが実売価格で約2倍、SGM-250CXだと約3倍になってしまいます。
そんなわけで、1万円以下で手に入るECM-XM1はかなりお手頃なわけです。
AZDEN SGM-PII
AZDEN SGM-250CX
コンパクトで取り回しがいい
ECM-XM1の特徴は、いわゆるENG的な使いやすさを狙った製品というところでしょうか。
全長が比較的短くてカメラに装着したときに取り回しがよく、カメラに搭載しやすいように短めのXLR端子付きケーブルが生えています。
本格的なショットガンマイクだと全長が長すぎてカメラの画角に入り込んだりしそうですし、XLRケーブルが着脱式だとわざわざ短いケーブルを用意しなければいけません。
その点、ECM-XM1はお手軽です。
というわけで、さっそくXF400のハンドルに取り付けてみようとしましたが、太すぎてはまりません。
なんのことはない、マイクにスペーサーとなるカラーが巻いてあって、さらにマイクホルダーのほうにも立派なラバー製のパッドがついていたからです。
カラーを取ってやれば、ごらんのとおりきれいに装着できます。
ちなみにマイクホルダーの方のパッドも両面テープで貼られているだけなんで、簡単にはがせます。
ECM-XM1より多少太いマイクなら装着できるでしょう。
XLR端子は、ハンドルの右側面にあるふたつのうちINPUT1に接続します。
ケーブルは多少たるみがあるので、ホルダーの下にあるフックにひっかけておきます。
これで、撮影で動き回ったときにケーブルが暴れて雑音が入るのを防ぎます。
XF400のXLR端子に接続する
続いて、カメラ側のマイク入力設定です。
業務用ビデオカメラは、ホームビデオカメラと違って、マイクのプラグをカメラのジャックに挿せばOKというわけにはいきません。
ハンドルの右側でINPUT1にXLR端子を挿したら、こんどは左側で入力設定を行います。
CH1(チャンネル1)、CH2(チャンネル2)の2系統があるので、CH1のほうの中段にあるスライドスイッチを”INPUT1"側に、さらに下段のスライドスイッチは"MIC +48V"側にします。
ECM-XM1のようなコンデンサーマイクは電源が必要で、ビデオカメラのほうでもそれを前提にファンタム電源という48ボルトの電気を供給できるようになっています。
上段のAとMはマイクの音量で、Aはオート(自動で音量を調節)、自分で設定したいんだったらM側にして上面のダイヤルで音量を設定します。
音量は撮影中の液晶モニターで確認できます。
実際の音を聴きたいときは、XF400の手前側側面(バッテリーの横)にあるラバー製のカバーを外すと3.5mmのヘッドフォン用ジャックがあります。
音声はデュアルモノで収録
最後にメニュー画面でも設定を行っておきましょう。
XF400の音声はステレオ2chまたは4chなのに対し、ECM-XM1は(というか、ほとんどのショットガンマイクは)モノーラルです。
ここまでINPUT1端子をCH1に割り当ててきたので、ふつうに撮影したらステレオの左チャンネルにしか録音されません。
そこで、CH2つまり右チャンネルにも同じ音を録音する、デュアルモノの状態します。
こうしておけばステレオで再生したとき、右側から音が聞こえないということはありません。
XF400をカメラモードで起動し、MENUボタンをプッシュして設定画面を開きます。
音声設定を選ぶと最初のタブにCH2入力という項目があるので、"INPUT 1"を選択します。
これで、「CH2にINPUT 1の音を記録する」ことになるので、結果的にCH1とCH2に同じ音を記録するデュアルモノになるわけです。
そのほかの設定は、最初のうちは不要でしょう。
しいて言えばタブ3にヘッドフォン音量という項目があるので、音のチェックをするときはここで音量を調節してください。
いよいよ実戦デビュー
これでショットガンマイクを使った音声収録のベースができました。
月末(2020年11月)には野外での収録を予定しているので、そこでようやく実戦投入です。
これまで、屋内での固定撮影を想定してきましたが、今回は移動しながらの撮影となる見込みなので、撮影設定のほうも修正の必要があるかもしれません。
どれくらいの距離から撮影できるのかといったこともまだわかりませんが、できるだけテスト撮影を行って本番に備えたいと思います。