ほぼ出費なしのローコストで実現する方法があったので紹介します。
この記事の目次
遠く離れたところと中継をつないでライブ配信に参加する方法としては、HDMIの信号を無線で飛ばすという方法がすぐに思いつきましたが、これにはいくつかの問題が考えられます。
- 無線中継器のコスト
- 無線中継器の電源確保
- 中継器のサイズとHDMIケーブルの取り回し
- 電波到達距離
- そもそも複数のHDMIカメラをつなぐスイッチャーが必要
こういった問題を克服して、手軽にリモート中継を実現するにはやはりスマートフォンを使うのがいちばんと考えました。
Skypeのビデオ会議をOBS Studioに取り込む
さっそくやり方を求めて検索したところ、意外に簡単に方法が見つかりました。
SkypeのビデオチャットをOBS Studioのソースとして使うためのプラグインがあるので、これを使えば簡単に実現できます。
この方法の利点は次のとおり。
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手持ちのスマホをカメラ&マイクとして使える
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OBS Studio用プラグインが無料
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携帯の電波が届く範囲ならどこからでも中継に参加可能
いっぽう弱点としては、次のようなものが考えられます。
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スマホのデータ通信量に充分な余裕が必要
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スマホのバッテリー容量
つまり、リモート中継先からの配信が長時間になると、データ通信容量とバッテリー容量を気にする必要があるわけですが、逆に言えば短時間の接続なら問題はありません。
OBS用プラグインをインストール
Skypeの映像・音声をOBS Studioに取り込むには、OBS Studio用のプラグインを使用します。
OBS Studio側でSkypeのウィンドウを映像ソースとしてキャプチャーしてもいいかもしれませんが、そうなると音声の設定が別に必要になるので、プラグインを使った方が簡単かと思われます。
プラグインはGithubで公開されているので、これを入手します。
少ししたのほうへスクロールするとAssetsというグループにファイルのリンクがあります。
今回は"obs-ndi-4.9.0-Windows-Installer.exe”を使用します。
ダウンロードしたファイルを実行して、インストールを行いましょう。
インストールが終わったらOBS Studioを起動して[ツール]メニューを開いてみましょう。
[NDI Output settings]という項目が追加されているのを確認しておきます。
SkypeでNDIを使えるようにする
続いてSkypeアプリを起動し、通話の設定を行います。
設定画面を開き、「通話」グループから[詳細設定]を開くと、中にNDIの使用を許可するというオプションがあるのでこれをオンにします。
Skype側の設定はこれだけです。
Skypeでビデオチャットを開始する
続いて、Skypeでリモート中継を想定した新しいチャットを開始します。
今回はテストということで、自分のスマートフォンを呼び出してチャットに招待しました。
もちろんパソコン側のSkypeとスマホ側のSkypeは別のアカウントを使用します。
パソコンのSkypeアプリで新しいチャットを作成し通話を開始します。
さらに、呼び出されたほうのスマホからも通話に参加しましょう。
ビデオチャットが接続した状態でないと、このあとのOBS Studio側での設定ができないので、かならずいったんビデオチャットを開始する必要があります。いちど設定してしまえば、次回以降は必要ありません。
OBS Studioでソースを設定
Skypeの接続が終わったら、いよいよOBS Studio側の設定です。
すでにプラグインをインストールしているため、通常のような映像キャプチャソース、音声キャプチャソースの指定ではなく、NDI Sourceを登録するという形になります。
OBS Studioのソース設定メニューの中に[NDI Source]というのがあるので、これを選択。
「ソースを作成/選択」のダイアログボックスが現れるので、適当な名前を付けて新規作成。
プロパティ設定画面が現れるので、Source nameところのドロップダウンリストを開くと、Skypeで接続中の相手が、次のような名前で表示されるので、これを選択します。
'PC名'(Skype - [live]'通信相手のメールアカウント名'
ここで通信相手のメールアカウント名としているのは、Skypeで通話相手として呼び出した相手のメールアドレス(からドメイン名を省いた部分)です。
これにより、どの通話相手の映像・音声を表示しようとしているのか識別できます。
ダイアログボックスを閉じると、接続相手のスマホカメラの映像が表示され、同時に音声も入力されます。
このようにNDIプラグインを使うことで、映像と音声をひとつにまとめて扱えるのがメリットです。
世界中からリモート中継を!
SkypeのNDIオプションとOBS Studio用プラグインを使うことで、理屈のうえではネットにつながるエリアであれば世界中のどこからでもライブ配信に参加できるようになるでしょう。
あとはデータ通信の容量だけが問題ですが、これは別途モバイルルーターとプリペイドのSIMカードなどを用意しておけばカバーできます。
自宅からの配信に、遠く離れた別のところから中継の形で参加してもらえると、配信コンテンツがいっそう充実しそうです。
5Gのサービスエリアがもっと拡大してくればより有効に使えるんではないか、と期待が膨らみます。
もちろん、このやり方でSkype本来のビデオチャット/会議をライブ配信するのにも使えます。
スマホでリモート中継するならスタビライザーを
スマホをカメラにして中継すると、手ぶれや画面の傾きが気になりますね。
そんなときはジンバル式の電動スタビライザーがあると、配信のクォリティがアップします。