今回は、
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なぜバックアップを行うのか
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バックアップと復元の手順
のふたつについて紹介します。
この記事の目次
ビデオカメラの設定をバックアップする
XF400(姉妹機の405も含む)では、カメラの設定をバックアップすることができます。
この設定には、収録フォーマットや解像度、フレームレートといった基本的な設定から、露出制御モードやホワイトバランスなどの撮影設定、アサインボタンのカスタマイズ設定など、すべてのセッティングが含まれています。
おもなものをピックアップしてみましょう
バックアップで保存される設定(抜粋)
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撮影設定
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露出モード
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シャッター速度
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ホワイトバランス
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フォーカスモード
・・・etc
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カメラ設定
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ズームスピード
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AFスピード
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AFモード
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手ぶれ補正モード
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フォーカスリング/ズームリングの操作方向・敏感度
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メディア設定
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本体/外部記録
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動画フォーマット
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フレームレート
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記録先スロット
・・・etc
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オーディオ設定
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CH2入力
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マイクトリミング/アッテネーター
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ヘッドフォン音量
・・・etc
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表示設定
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外部出力
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液晶明るさ/バックライト
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オンスクリーン表示
・・・etc
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システム設定
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表示言語
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日付/時刻
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ネットワーク設定
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冷却ファン動作モード
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各種LED表示
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各種アサインボタン設定
・・・etc
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思いつくモノをざっと書き出しただけでもかなりの数になりますね。
バックアップが必要なのはいつ?
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ファームウェアをアップデートする前
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他のカメラに同じ設定をするとき
そのほかにも、故障・修理の前や、ふだんやらない特殊な撮影でいろいろいろいろいじったあとに元に戻せるように日頃からバックアップしておくのもいいかもしれません。
ここでは、上にあげたふたつについて詳しく見ていきましょう。
ファームウェアアップデート前
ふつうのユーザーが必要なるのは1.のときでしょう。
XF400/405の場合、初期モデルのファームウェアバージョン1.0.0.0のほかに、1.0.4.0、1.0.5.0などのバージョンがあります。2021年春時点の最新バージョンは1.0.5.0です。
すでに生産完了になっているので、今後のアップデートはないかもしれません。
ファームウェアをバージョンアップするとカメラの設定はすべて消えてしまう(工場出荷時と同じ状態に戻る)ので、そこから自分好みの設定に戻すのに時間がかかります。
そこで、アップデート前にバックアップしておき、アップデート終了後に復元することで簡単に好みの設定に戻せます。
他のカメラに同じ設定をするとき
こちらは、同じ機種を複数使っている映像制作会社などで必要なケースです。
複数のカメラを使って収録するとき、設定がばらばらだと編集に手間がかかったり、ファイル管理がめんどうになるなど、いろんな問題が起きます。
そこで設定を統一しておきたいのですが、設定可能な項目が膨大なのでひとつずつやっていたら時間がかかるし、うっかり見落とすなどのミスも心配です。
そこで、まず一台の設定を決めておきデータをバックアップしたら、あとはそれをほかのカメラで復元していきます。
そして、カメラごとに必要な項目だけ、個別に書き換えていけば作業がスムーズに進みます。
なお、個別に書き換えたい項目についてはのちほど紹介します。
保存できない項目
保存機能でもバックアップできない設定あるいは、無視されてしまう設定があります。
そのひとつがカメラの日付と時刻です。
そもそもバックアップしてから復元するのに間があいたら、時間がずれちゃうので保存しても意味ありませんからね。
これについてはカメラごとに設定する必要があります。
そのほかには、ネットワーク接続するときのパスワードも保存されません。
XF400/405の設定を保存する
では、バックアップの方法を紹介します。
必要なもの
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ビデオカメラ本体
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SDカード(容量512MB以上)
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充分容量の残っているバッテリーまたはACアダプター
カメラの設定をメモリーカード(SD/SDHC/SDXC)に保存するので、このふたつは必ず必要です。
バックアップ/復元ともにそれほど時間はかかりませんが、できるだけ容量が残っているバッテリーを使いましょう。
バックアップ/復元とファームウェアアップデートをまとめて行うときは、ACアダプターから電源を取ることをお奨めします(ファームウェアアップデートにかなり時間がかかります)。
設定を保存する
step
1メディアをセット
用意したSDカードをカメラのメディアスロットBにセットします。
step
2カメラを起動
本体の電源スイッチをCAMERA側にして起動します。
step
3MENUボタンを押す
カメラのMENUボタンをプッシュして、設定画面を呼び出します。
step
4メニュー/CP設定保存を開く
"システム設定"の4ページめにあるメニュー/CP設定保存を選択。
step
5[保存]を実行
[保存]を実行すると一瞬で設定がスロットBにセットしたメディアに保存されます。
設定を復元する
step
1メディアをセットする
ファームウェアアップデートが終わったカメラや、設定を統一したい別のカメラのメディアスロットBに、設定を保存したSDカードをセットて、電源を入れます。
step
2メニュー/CP設定保存を開く
保存したときと同じ手順でメニューを呼び出します。
step
3[読み込み]を実行
[読み込み]メニューをタップすると、メディアスロットBにセットしたSDカードから設定が読み込まれます。
カメラごとに設定すべき項目
複数のカメラで設定を統一する場合でも、個別に設定すべき項目がいくつかあります。
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ネットワーク設定のパスワード
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IPアドレス
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カメラインデックス
パスワード
ネットワークでカメラを接続する場合のパスワードについては保存できないので、カメラごとにあらためて設定する必要があります。
IPアドレス
ネットワークに複数のカメラを接続する場合、カメラごとのIPアドレスは個別に割り当てる必要があります。
イーサーネットの設定をマニュアルにしている場合は、IPアドレス割り当てをカメラごとに行いましょう。
カメラインデックス
複数のカメラを使って収録するとき、ファイル管理用としてカメラごとにアルファベット1文字の識別名をつけることができます。
この識別名がカメラインデックスです。
カメラインデックスは記録設定の4ページめで指定します。
なおカメラインデックスを利用できるのは、動画の記録形式がXF-AVCのときのみです。
MP4形式で記録するときはそもそもインデックスの指定ができないので、気にする必要はありません。
設定バックアップでカメラ運用をスマートに
カメラの設定をバックアップしておくことで、アップデート後の復元や複数のカメラを管理する場合には大きなメリットがあります。