無料で使えるフォルダー同期ソフトFreeFileSyncの使い方を紹介しています。
今回は、同期方法の選び方や不要なファイルを除外するためのフィルター指定など、少し突っ込んだ使い方について説明していきます。
画面の解説や基本的な使い方については前回の記事を参照してください。
この記事の目次
更新されたファイルをチェックする
FreeFileSync自体には自動同期機能がありません。
そこで、いちど同期を行ったあとも、ときどき手作業で同期を実行することになります。
新しく追加されたファイルや更新されたファイルがあるか調べるには、左ペインのリストで登録したセットを選択して[比較]を実行しましょう。
左右のリストの間にあるアイコンがグリーンの矢印になっていたら、そのファイルは更新されています。
[同期処理]をクリックして、再度同期を行いましょう。
比較方法を選ぶ
新規作成されたファイルや更新されたファイルを比較する方法は次の3つがあります。
- ファイル時刻とサイズ
- ファイルの内容
- ファイルサイズ
デフォルト設定はファイル時刻とサイズで、ふつうは変更の必要はないでしょう。
もし変更したいときは、メインウィンドウのリスト上部にある青い歯車(コグ)のボタンをクリックします。
設定画面のダイアログボックスが開き「比較」タブが選択されています。
必要に応じて比較方法を切り替えてください。
対象ファイルと除外ファイルのフィルター設定
ソースフォルダーの中に同期不要なファイルがあったり、逆にごく一部の形式だけ同期したいばあいはフィルターを設定できます。
リストの上部に並んでいるボタンのうち、中央にあるファンネル(漏斗)型のアイコンをクリックしましょう。
設定ダイアログボックスが開き「フィルター」タブが選択されています。
2段になっているうち、上側は対象に含めるファイルの指定です。フォルダー内の特定のファイルだけバックアップしたいときはこちらを使用します。
たとえばアプリケーションのフォルダーの中で、設定ファイルだけバックアップしたいといったときにはこちらを使います。
下段は、逆に同期から除外したいファイル/フォルダーを指定します。
初期状態ではゴミ箱の内容やdesktop.iniファイルなどが登録済みです。
同期したくないものがあればここにファイル名やフォルダー名を追加しましょう。
次の例では、拡張子がtxtのファイルとbakのファイルを除外するように設定しました。
[OK]をクリックして設定画面を閉じるとリストが更新されて、除外指定したファイルが消えています。
ソースとターゲットを入れ替える
ソースフォルダーとターゲットフォルダーをワンクリックで入れ替えることができます。
フォルダー指定エリアの中央にある左右の矢印のボタンをクリックしてください。
ソースとターゲットのフォルダーを入れ替えることで、バックアップしたファイルをカンタンに復元できます。
同期の処理方法を選ぶ
実行する処理を選ぶ
同期の処理方法は次の4つから選択できます。
- 両方向
- ミラー
- 更新
- カスタム
初期設定では両方向が選択されています。
変更するにはリスト上部に並ぶボタンのうち、右寄りにある緑色の歯車(コグ)アイコンをクリックします。
設定ダイアログボックスの「同期」タブが開きます。
「方向を選択」グループに4つのボタンがあるので、使用したいものをクリックしましょう。
方法を選択すると、その右側に説明が表示されます。
ミラー、更新、カスタムの3つを選んだばあいには、右側に表示されるボタンで実行方法を変更できますが、ミラーと更新については変更しないほうがいいでしょう。
処理の違いを理解しよう
まず、両方向、ミラー、更新の違いを確認しておきましょう。
両方向は、ソースとターゲットの内容がまったく同じになるように相互にコピーを行います。
ミラーは、ソースの内容をチェックしてターゲットにないファイルやソースのほうが新しいファイルはコピーします。
もしソースにないファイルがターゲットのほうで見つかったら、そのファイルは削除します。
更新は、ソース側で新規作成されたファイルや更新されたファイルをコピーしますが、ターゲット側のほうがより新しかったらなにもしません。また、ターゲット側にしかないファイルについてもなにもしません。
単純にソースからターゲットへファイルを写すイメージになります。
処理のカスタマイズ方法
両方向、ミラー、更新のどれにも当てはまらない処理は、カスタムで設定します。
並んでいるアイコンのうち上の段は動作の判断条件で、その下は条件に一致したばあいに実行する処理です。
処理のボタンはクリックするごとに変わるので、実行したい処理を選んでください。
この組み合わせによって、たとえば次のような設定ができます。
- 左側にのみ存在するファイルがあれば右へコピーする
- 左側のファイルが新しければ、右へ上書きコピーする
- 右側のファイルが新しければ、なにもしない
- 右側にのみ存在するファイルがあれば、右側から削除する
このように条件と動作の組み合わせで、どのような処理を行うかをカスタマイズできます。
削除の指定
ファイルの削除を指定したばあい、さらに3つの動作を選択できます。
- ゴミ箱
- 完全消去
- バージョン管理
ゴミ箱を選ぶと、削除したファイルや上書きされたファイルをWindowsのゴミ箱に移動します。初期設定では**ゴミ箱**になっています。
完全消去を選んだばあいはゴミ箱に入れず、ただちに削除します。
バージョン管理を選んだばあい、削除されたファイルや以前のバージョンを別のフォルダに保存しておくことができます。
バージョン管理の指定方法
バージョン管理ではフォルダーと命名規則のふたつを指定します。
バージョン管理用フォルダー
ターゲット用フォルダとは別に、バージョン管理専用のフォルダーを指定します。
ターゲットフォルダーには最新の同期結果を保存し、それ以前のファイルはここで指定したバージョン管理用フォルダーに移して保管されます。
命名規則
バージョンを管理するための、名前の付け方をここで指定します。
命名規則には次の3つがあります。
- 置換
- タイムスタンプ[フォルダ]
- タイムスタンプ[ファイル]
置換は、元のファイルと同じ名前でファイルを保存します。
ターゲットフォルダーよりひとつ前の世代のファイルが保存されます。
新たに同期を行うと、ターゲットフォルダにあったファイルが更新され、それまでターゲットフォルダーにあったファイルがバージョン管理用フォルダへ移されます。
つまりターゲットフォルダ(最新)とバージョン管理フォルダ(1代前)の2世代分を保存できます。
タイムスタンプ[フォルダ]は、バージョン管理用フォルダの中に日時別のフォルダを作り、フォルダごとにバージョンの異なるファイルを保存します。
タイムスタンプ[ファイル]は、バージョン管理用フォルダの中に、元のファイル名+日時の形でリネームしたファイルを保存します。
ポイントの同期設定をマスターしよう
以上、FreeFileSyncで同期を行うためのおもな設定について紹介しました。
比較の設定については、初期設定のファイル時刻とサイズのままでいいでしょう。
あとは必要に応じて、フィルターの指定、同期方法の選択、バージョン管理の指定を行ってください。
同期の処理方法のうちミラーと更新のどちらを使うかについては、実際に設定画面を開いて、設定項目の各ボタンをマウスでポイントするとチップヘルプに説明が出るので、それを参考にしてください。
カスタム設定を行うときもチップヘルプを参考にすると理解しやすいはずです。