スマートフォンをWebカメラ化するアプリの記事で紹介したEpocCamのデリバリー元がいつの間にか変わっていました。
従来kinoni.comから公開されていましたが、なんと先の記事でも紹介しているScreen Linkと同じ、Elgatoからの配布になっています。
また、アプリの機能やセットアップ方法にも違いがあります。
無料版の広告がなくなって煩わしさが減ったほか、有料版のほうにも魅力的な機能が追加されたようです。
新しいページにアクセス
新しいEpocCamのページはこちらです。
以前のkinoni.comにアクセスしたばあいも、新しいページへリダイレクトされます。
アプリとドライバのダウンロード
ページをスクロールしていくとセットアップのためのセクションがあります。
セクション内には01~04まで4つのステップがあり、01がiPhone用アプリのダウンロード用ボタン、02がmacOS用およびWindows用ドライバーのダウンロードボタンとなります。
残る03と04は簡単な解説です。
ここではWindows用ドライバーのダウンロードについて紹介します。
Windows用のボタンをクリックすると、ダウンロードページへ移動します。
少しスクロールダウンするとドライバーのダウンロード用ボタンがあるのでクリックしてインストーラーを保存しましょう。
PC用ドライバのインストール
ダウンロードしたインストーラーを実行します。
ユーザーアカウント制御画面が現れるので[はい]をクリック。
セットアップウィザードが現れます。あとは指示に従って進めばOK。
ライセンス契約に同意。
インストール先フォルダーを指定(デフォルトのままでOK)。
[完了]をクリックして、セットアップ終了。
デバイスマネージャーで確認してみましょう。
「サウンド、ビデオ、およびゲームコントローラー」の中に、”EpocCam”と”EpocCam Camera Audio”のふたつのドライバーが追加されています。
OBS Studioで設定してみる
以前はEpocCam Viewerという表示専用アプリがインストールされましたが、現在のバージョンではドライバーがインストールされるだけのようです。
実行テストのため、OBS Studioでキャプチャーデバイスの設定を確認してみました。
ソース設定のリストに”映像キャプチャーデバイス"を追加してプロパティを開くと、「デバイス」ドロップダウンリストの中に、EpocCam Cameraという設定があります。
これを選べば、映像ソースの設定は終了です。
アプリ側の操作
次はiPhoneアプリ側の操作です。
初めてアプリを起動するとガイド画面が現れます。
ステップ1はPC用ドライバーのインストールについての紹介、ステップ2はLightningケーブルまたはWi-Fi接続についての紹介です。
だいじなのはステップ3で、EpocCamアプリにiPhone内蔵カメラへのアクセスとネットワークアクセスを許可してください。
[完了]をクリックするとEpocCamが起動し、iPhoneのカメラの映像が現れます。
インターフェイスも以前と変わっていて、煩わしかった広告はなくなり、アイコンがシンプル化されました。
無料版では、画面の左右反転とインカメラ/アウトカメラの切り替えが可能です。
有料版の機能については”Pro"というマークがついているのですぐにわかります。
”Pro”マーク付きのアイコンをタップすると、特徴を紹介した画面が現れます。
魅力的にパワーアップしたPro版
有料版には次のような機能があるようです。
- フルHD 1080p対応(無料版は640×480)
- HDR対応
- マニュアルフォーカス
- iPhoneのマイク音声を利用
- iPhoneのレンズを使った倍率の切り替え(0.5x/1.0x/2.0x)
- ピンチ操作によるズーム
- バーチャルグリーンスクリーン(グリーンバックで背景を合成)
- 接続方法の選択(USB/Wi-FiのほかにNDI接続をサポート)
- フラッシュライト(iPhone内蔵ライトを利用可)
- 画質の調整
- ウォーターマークの削除
まだ無料版を試用している段階で詳しいことはわかりませんが、スペックを見る限りかなり充実しているように感じます。
ウォーターマーク(透かし)の削除とフルHDのサポートは当然として、
- マニュアルフォーカスができる
- HDR(ハイダイナミックレンジ)で白飛びを抑えられる。
- ピンチ操作でズームが使えてさらにiPhone本体のデュアルカメラやトリプルカメラに対応しているので、ズーム時の画質劣化がない
- iPhone内蔵マイクを利用できる(iVCamのような仮想オーディオデバイスの設定は不要)
- 仮想グリーンバック機能で、背景を簡単に入れ替えられる
- iPhone内蔵ライトを使って明るく撮影
これだけの機能があって、価格は890円というのはなかなか魅力ではないでしょうか。
本格的に使いたい人にとってはNDI接続も気になるところかもしれませんね。
相変わらずAndroid端末をサポートしていないのは弱点ですが、iPhoneユーザーだったら無料版を試してみる価値は充分にあると思います。