Cliborには、基本的な履歴機能や定型文挿入をもっと便利で使いやすくする便利なオプションや補助機能が揃っています。
今回紹介する機能を使いこなせば、コピー&ペーストによる文章の編集だけでなく、テキストデータの加工・編集ツールとしてさらに威力をしてくれること間違いありません。
ワープロによる文書作成に限らず、表計算ソフト用のデータ加工、プログラミングなど幅広い用途に使えるツールです。
この記事の目次
自動貼り付け
Cliborではリストからアイテムを選択するとクリップボードに送られるので、実際に貼り付けを行うにはもういちど貼り付けコマンドを実行する必要があります。
しかし、自動貼り付けをオンにしておけば、アイテムを選択すると同時に貼り付けを行ってくれます。
履歴/定型文の検索
Cliborで扱えるクリップボード履歴は、初期設定で108件、最大では1万件にものぼります。
この膨大な履歴から必要なものを探し出すのはたいへんですね。
そこでCliborは履歴を簡単に見つけられるように文字列検索コマンドを備えています。さらにクリップボード履歴だけでなく、定型文のほうも検索できます。
履歴検索はメニューコマンドで行う
クリップボード履歴を検索するには、履歴リストを表示した状態で右クリックでコンテクストメニューを開き、検索コマンドを実行します。
検索ボックスに文字列を入力して検索ボタンをクリックするか、そのまま【Enter】キーを押すと文字にマッチする履歴アイテムだけに絞り込まれます。
検索ボックスはキーボードショートカットでも呼び出せます。
検索ボックスを呼び出すショートカット
【Ctrl】+【Shift】+【f】
検索頻度が高いならボックスをつねに表示しておこう
クリップボード履歴の検索を多用する場合は、リストアイテム上に検索ボックスを表示させてしまうこともできます。
こうしておけば、検索のたびにいちいちボックスを呼び出す手間はいりません。
検索ボックスを常時表示させるには、設定画面の「検索ボックス」オプションで**メイン画面に検索ボックスを表示する"にチェックしておきます。
検索オプション画面を呼び出す方法は?
検索オプション画面を呼び出すには、Cliborのトレイアイコンを右クリックしてコンテクストメニューから[設定]を選ぶのでしたね。忘れないようにしましょう。
検索のオプション
履歴の検索方法には通常検索と正規表現検索があり、前者はさらに前方一致検索オプションと大文字・小文字を区別オプションを選べます。
ふつうは通常検索で充分でしょうが、いろんなフレーズや長めの文をコピー&ペーストでたくさん使う場合や大量の定型文を登録している場合は正規表現を使えばマッチングが簡単にできそうですね。
オプションは検索ボックス上で切り替えられますが、設定画面ではデフォルトで使用するオプションを選択できます。
履歴から定型文に登録する
クリップボード履歴に登録されているアイテムを定型文として登録できます。
作成した文書の中でよく使うあいさつなどがあれば、それをコピーしていったんクリップボード履歴に記録し、さらにそこから定型文として登録できます。
クリップボード履歴には文書全体のような長いテキストでも記録できるから、文書テンプレートのような使い方も可能です(もちろん文字の装飾はできませんが)。
なお、定型文をグループ分けしている場合は、履歴から定型文に登録するときに登録先のグループを選択できます。プライベートとビジネス用やシチュエーション別などに使い分けると便利ですね。
履歴の編集
クリップボード履歴に記録された文字列に誤字や脱字などがあったとき、編集機能を使って修正できます。
修正した文字列はクリップボード履歴に上書き保存の形で記録されます。
また上書き保存したうえでクリップボードに転送することもできるので、そのまま文書にペースト可能です。
なお編集ダイアログボックスでは、後ほど紹介する整形や変換コマンドも利用できます。
除外リスト
除外リストに登録された文字列はクリップボード履歴に記録されません。
リストに登録する場合は正規表現で指定するので、電話番号や郵便番号は履歴を残さないなど、高度なパターンマッチングが可能です。
監視ウィンドウの指定
特定のウィンドウ(アプリケーション)でだけクリップボード履歴を使ったり、逆に特定のウィンドウでのみ禁止することができます。
たとえばワープロでコピーした文字は履歴に記録するけど、Webブラウザ上でコピーした文字は記録しないというように、柔軟な使い方が可能です。
FIFOモードとLIFOモード
Cliborではクリップボードに転送された文字列をどんどんため込んでいくのですが、(初期設定で108件、最大で1万件)それとは別に、FIFOとLIFOという2つのモードを利用できます。
通常モードでは、履歴は上限に達するまで記録され、いっぱいになったあとは古いものから自動的に削除されていきます。
それに対しFIFOやLIFOモードでは、履歴から貼り付けを行うとその時点で履歴から消えてしまいます。つまり履歴が溜まりすぎることはありません。
文字列を何回も再利用するのではなく、ある場所からほかの場所へ移し替えるときに便利なモードで、移し替えが終わったらあとはもういらないという、割り切った使い方になります。
FIFOとLIFOは、この移し替えのやり方の違いになります。
先に入れたものから取り出すFIFOモード
"FIFO"はファーストイン・ファーストアウト(First in, First out)の略です。最初にコピーした文字から順に貼り付けて行くという意味になります。
後に入れたものから取り出すLIFOモード
"LIFO"はラストイン・ファーストアウト(Last in, First out)の略です。最後にコピーした文字から順に貼り付けて行くという意味になります。
FIFOとLIFOをサンプルで確認しよう
FIFOとLIFOの違いがわかりにくい場合は、Cliborの公式サイトにFIFO/LIFOの解説ページがありますから、そこのアニメーションで実際の動作イメージを確認してみましょう。
テキスト整形
一定のパターンにしたがってテキストの内容を編集することをテキスト整形といいます。たとえば数字の先頭に円記号を入れて3桁ごとにカンマで区切ったり、電話番号の市外局番と市内局番をそれぞれハイフンで結んだりするのもテキスト整形の一種です。
テキスト整形を行うことで、その文字列がどのようなデータなのか、データの集まりがどのように構成されているかがわかりやすくなります。
Cliborではクリップボードに文字列が転送されたときと履歴からクリップボードへ文字列を転送するときの2つのタイミングで整形を行います。
整形の方法としては、各行先頭に>を挿入、各行先頭に//を挿入、各行を"で囲む、各行先頭に 001: の連番を挿入の4つがあります。
クリップボード履歴に対する整形
Cliborの履歴に登録されているアイテムを貼り付けるとき、つまりWindowsのクリップボードへ転送するタイミングで整形を行います。
この場合、履歴リストを表示してアイテムをマウスポインタで選択した状態から右クリックし、コンテクストメニューで[クリップボード転送(整形)]の中からサブメニューを実行します。
クリップボード転送時の整形
アプリケーション上で切り取りやコピーコマンドを実行した時点で整形を行うこともできます。
この場合は、Cliborの設定メニューのほうで、上記の4つのなかからどの整形を行うかをあらかじめ選択しておきます。初期設定では"なし"が選択されているため、整形は行われません。
文字種の変換
英字の大文字/小文字を統一したり、英字や数字の全角文字と半角文字を統一することができます。
特に全角/と半角を統一しておくと見た目に美しいだけでなく、文字列検索するときに検索漏れがなくなるので実用面でも役に立ちます。
そのほかにはTABと空白の変換、改行コードの削除を行えます。
文字種の変換は履歴に登録されたアイテムに対して行います。履歴リストを表示してアイテムをマウスポインタで選択した状態から右クリックし、コンテクストメニューで[クリップボード転送(変換)]の中からサブメニューを実行します。
コマンドを実行すると、履歴アイテムに対して変換を行った結果がWindowsのクリップボードに転送されるので、そこから改めてアプリケーションのほうへ貼り付けを行います。
Cliborがあればこんなときに役立つ
Cliborの威力をさらに引き出すことができます。
検索機能はたくさんの履歴の中から使いたいものをすぐに見つけ出せるし、FIFOやLIFOモードは生のデータから必要な情報を抜き出してレポートにまとめていくような作業を効率化してくれるでしょう。
テキスト整形機能は、書き方を統一することで読みやすく、検索漏れの少ないデータにまとめるのに役立ちます。
こういった機能を使いこなせば大量のデータを加工して表計算ソフトに入力したいときや、さらにデータベースのマスターテーブルを作成するのに大いに役立ちます。
ぜひCliborを使いこなしてください。
Cliborが特に活躍するのはこんな場面
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既存文書から切り貼りで新しい文書を作る
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生のデータを読みやすい形に整える
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ばらばらに入力されたフリガナなどの表記を統一する
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表計算ソフトやデータベースに入力するデータを加工する