無料で使える画像ビューアーXnViewは、単に画像ファイルを読み込んで表示するのではなく、膨大なファイルを整理して効率よく検索・閲覧するコマンドや撮影情報の表示、画像の加工、ファイル管理など、実に多彩な機能を備えています。
画像ファイルの編集や管理に必要な機能はこれ一本でほとんどカバーできるので、初心者から上級者まで幅広いレベルのユーザーに応えてくれるソフトです。
この記事の目次
XnViewの主な機能
XnViewは、パソコン内に保存されている画像ファイルを効率よく管理するための総合ツールです。
その機能を大まかにまとめると次のようになります。
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いろいろな形式の画像を表示(主要なRAW形式にも対応)
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画像をカテゴリやレーティングで分類することですばやく検索する
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画像の大きさや撮影日、撮影データなどを確認する
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画像のコピー/移動などのファイル管理機能
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他の画像編集ソフトとの連携
中でも大きな特徴は、よく使う画像をお気に入りに登録したり、画像の内容に応じたカテゴリへの登録やランク付け(レーティング)をしておくことで簡単に呼び出せるようになっているところです。
レーティングやよる分類は画像のサムネイルビューにも表示されるので、何ショットも撮影した写真の中から特に気に入ったものを簡単に選別できます。
またカラーラベルは、重要/仕事/私用/ToDo/あとで、の5つのグループによる分類が可能です。
カテゴリやレーティングによって分類した画像は、画面上でのタブ切り替えやフォルダ選択によって検索しますが、そのほかにファイル名やキャプション、コメント、キーワードなどを利用した文字列検索も可能で、もちろんこれらの文字情報をXnView上から編集できます。
XnViewの基本的な画面レイアウト
XnViewはユーザーの好みに応じて画面のレイアウトを変更できます。基本的な配置は[表示]メニューの[レイアウト]サブメニューから選択できます。
次の図は代表的なレイアウトの一例です。
フォルダツリーやフィルタなどの画面からすばやく画像を探して、サムネイルとファイル情報を確認し、さらにプレビューやExif情報、ヒストグラムなどを参考に画像を選べるようになっています。
ビューアー部分にはサムネイルのほかにファイル名やサイズ、作成(撮影)日、簡単な撮影情報などが表示されているので、データの確認に役立つだけでなく、レーティングやラベル付けを行うときの参考にもなります。
情報ペインと呼ばれるエリアにはサムネイルよりも大きなプレビュー画像を表示したり、輝度分布を表すヒストグラム、写真の撮影データを記録したExifやGPSの位置情報などを表示できます。また画像をカテゴリに登録するためのカテゴリリストも表示できます。
なお、カテゴリツリーやプレビューは独立したウィンドウとして表示させることもできます。
XnViewでの画像表示方法
XnViewでフォルダを選択するツリービュー部分はデータペインといいます。データペインにはフォルダツリーのほかに「お気に入り」タブと「カテゴリ/フィルター」タブがあり、目的の画像をすばやく検索できます。
データペインでフォルダやカテゴリーを選ぶとそこに保存されている(または条件に一致する)画像のサムネイルがビューアー部分に表示されます。
サムネイルをダブルクリックすると新たなタブが現れて、サムネイルやプレビューよりも大きなサイズで画像を表示できます。
ダブルクリックでどんどんタブを開くことができるので、気になる画像をタブ切り替えで詳しく比較するといった使い方に便利です。
ビューアータブのおもな機能
XnViewのビューアータブは単なる表示画面ではなく、簡単ながらいくつかの加工や印刷などができます。
トリミング
画像の切り抜きを行います。切り抜きの範囲はビューアー上をドラッグして指定しますが、縦横の比率を指定したり、サイズを指定することもできます。
リサイズ
画像自体の大きさを変更します。プリセットからサイズを選択でき、新たに作成したプリセットを本尊しておくこともできます。
サイズの指定はピクセル単位での指定やパーセンテージの指定、長辺や短辺のみの指定(比率を保つ)などが可能です。またシャープネス処理やガンマ補正を加えたり、印刷用としてのサイズ指定もできます。
回転/鏡像
右90°、左90°の回転、垂直または水平への反転ができます。
JPEGロスレス変換
通常の回転や鏡像(反転)とは別にJPEG画像を劣化させずに回転や反転、水平/垂直移動などを行うことができます。
色の補正
明るさ、コントラスト、ガンマ値、色温度、露光量などの補正が可能なほか、RGBの特定の色だけを強調したり、色相/明度/彩度を調整することができます。
各補正ツールにはリセット用のボタンがあり、簡単に元に戻せます。
また設定値はプリセットとして保存できます。
トーンカーブ補正/レベル補正
トーンカーブを使ってコントラストを調整できます。調整ポイントを追加することで特定の領域だけを細かく調整可能です。
調整は輝度チャンネルだけでなく、RGBそれぞれのチャンネルに対して個別に行えます。
シャドウ/ハイライト
白飛びや黒つぶれの軽減ができます。
前後の画像へ移動/スライドショー
表示中の画像と同じフォルダ内にある前後の画像へ移動したり、スライドショートして連続で表示することができます。
プロパティ表示
画像ファイルの基本情報、ヒストグラム、Exif情報、XMP情報、カテゴリ情報などをダイアログボックスに表示します。
描画機能
独自の編集画面を起動して直線、矩形、楕円を描いたり、テキストを入力できます。また既存画像の貼り付けができます。
スポットライト/赤目軽減
画像の一部を明るくするスポットライト、赤目現象の軽減などの加工を行います。
フィルター処理
ぼかし、輪郭強調、シャープ、エンボス、ノイズ除去/追加、モザイクなどのエフェクト処理を行います。またPhotoShopのプラグインを利用可能です。
印刷
画像を印刷する際には、ファイル情報やExif情報を追加したりヘッダーやフッターを付けることができます。
その他の補助的な機能
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類似画像の検索
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ZIP形式書庫ファイルの作成
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Twain対応機器からのスキャン(画像読み込み)
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デスクトップやウィンドウの画面キャプチャ(スクリーンショット作成)
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タイムスタンプの変更
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画像フォーマットの変換(エクスポート)と複数画像の一括変換
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ファイル名の一括変換
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FTPや公共サーバーへの画像アップロード
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電子メールへの添付
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画像の比較
ごらんいただいたように、XnViewでは画像の閲覧を基本として、検索や素材の選別に便利なカテゴリ分けやレーティング機能、回転・反転のような簡単な加工、色補正など画像全体に対するレタッチ、フィルタ処理など多くの機能を備えています。
コレ一本あれば画像の管理から初歩的な加工までたいていのことはカバーしてくれるので、最初に使う一本としてお薦めです。
ブロガー的に見ると、カテゴリーやレーティング機能は素材画像の管理に便利ですし、トリミングやリサイズといった基本的な可能のために別の画像編集ソフトを起動しなくていいいのも助かります。
いろんな画像フォーマットに対応しているのも魅力ですが、なかでもWeb用にファイルサイズを小さくできるWebP形式に対応しているのは見逃せないポイントといえそうです。
外部ソフトとの連携も可能なので、いずれ本格的な画像編集ソフトを導入するときも、まずXnViewで画像を選んでおいてから外部ソフトで加工という流れをスムーズに行えます。