Syncroom。
今回はログインから「ルーム」(演奏スペース)への入り方、画面の基本操作を説明します。
ここまでくれば、実際にセッションを楽しめるのがんばりましょう。
この記事の目次
Syncroomの基本的な考え方
Syncroomでは、ネット上に仮想の「ルーム」を作り、参加メンバーがそこに入室してオンラインで演奏を行います。
演奏はルームの参加メンバーでのみ共有され、メンバー以外の人が聴くことはできません。
通信への負担が増えると音の遅れにより演奏できなくなるので、現時点ではひとつのルームに入室できるメンバーは自分のほか5人までとなっています。
また音声データしか扱えないので、Web会議のように相手の映像を見ることはできません。
メンバー以外に演奏と映像を視聴してもらうには、他のサービスと連携する必要がります。
これについては今後実地検証を踏まえて紹介していきます。
ヤマハのSyncroom公式サイトには、FAQが用意されているのでそちらも確認してください。
特に、デスクトップ版とモバイル版の違いは比較表で詳しく紹介されているので、チェックしておきましょう。
Syncroomの画面
Syncroomを起動すると次のような画面が現れます(Windows版)。
左上が、自分のユーザー名とアイコンです。
まず、ちゃんと音が出るか確認しましょう。
[ルーム一覧]をクリックすると、Syncroomのルーム一覧ページが現れます。
「ルーム一覧」には、現在開設されているルームが表示されています。
ルーム名にカギアイコンがついているものは非公開ルームなので、一般のユーザーは参加できません。
カギの付いていない「公開ルーム」は、参加メンバー数に余裕があれば誰でも入室できます。
ルーム名のところにある説明を参考に、自分の好みにあった音楽スタイルなどでルームを探してみましょう。
練習ルームで音を確認
ページをいちばん下までスクロールすると、最後に「接続テストルーム」があります。
ここにはロボット(自動対応プログラム)が常に待機していて、自分の音や声がSyncroomにちゃんと届いているか確認できます。
始めて接続するときや機材を代えたときはかならずチェックしましょう。
[仮入室]と[ルームに入る]のふたつのボタンがありますが、どちらでも構わないのでクリックします。
メッセージボックスが現れたら[OK]をクリック。
するとSyncroomの画面に戻ってチャット画面が現れます。
チャット画面には、歓迎と説明のメッセージが表示され、同時に音声でも説明が流れます。
上のスクリーンショットでは、メッセージが3つ表示されていますが、これは自分も含めて計3人のユーザーが同時に接続テストルームを使用しているためです。
音声も同じように参加人数分だけ流れます。
自分ひとりしか入室していないときはもちろん1回だけとなります。
ループバックに注意
この時点で、音が延々と繰り返し聞えるばあい、USBオーディオインターフェイスのループバック機能が働いていますから、ループバックをオフにしてほかのモードに切り替えましょう。
ヤマハAG03/06のばあい、”INPUT MIX”モードの使用が推奨されています。
Syncroom画面の見方
チャット用ボックスを閉じて画面を確認しましょう。
右ペインに5人分のリストがあり、いちばん上が自分です。
2段めから下がほかのメンバーですが、上のスクリーンショットでは、2段めは自動応答用のボット(プログラム)です。
自分以外に入室メンバーがいないばあい、自分とボットだけになります。
4段めが空欄なのは、ちょうどこのタイミングでひとり退出したから。
この状態で音を出すと、ボットが自動処理して3秒後に音を返してきます。
この音が聞えたら、演奏可能になっています。
なお、接続テストルームでももちろん他の入室者からの音が聞えます。
突然ドラムの大きな音が鳴ったりすることもあるし、こちらの独り言なども聞えてしまうので注意しましょう。
各メンバー欄の右側にあるフェイスマークはインターネット回線の状態で、自分以外の入室メンバーの”遅延”と”通信状況”を表します。
このうち”遅延”の状態が悪いと、事実上演奏はできません。
右下の[詳細表示]ボタンをクリックすると、通信状況のところが遅延/ロス率に切り替わって、具体的な数値で確認できます。
さらに、参加メンバーのバッファサイズと音質も確認できます。
バッファサイズは自動で設定されますが、もし遅延が起きるばあいは[再構築]ボタンをクリックすることで改善できるばあいがあります。
接続テストルームを退室する
接続テストが終わったら、ルームを退室します。
ウィンドウ右上にある[退室]ボタンをクリックするだけです。
自分の部屋を作る
では、いよいよ自分のセッションルームを作りましょう。
上のテキストボックスに適当なルーム名とパスワードを入力して[ルームをつくる]ボタンをクリックするだけです。
このとき、ルームは「公開」と「非公開」を選べます。
いろんなユーザーとセッションを楽しみたいときは「公開」を、バンドメンバーなど特別な仲間だけで利用したいときは「非公開」を選びます。
ルームが開設され、自分ひとりだけがユーザーリストに表示されます。
音を出してみる
実際に楽器を鳴らしたり歌ったりしてみましょう。
左上のインプットのレベルゲージが反応してバーグラフが表示されるはずです。
同時にメンバーリストのほうのレベルゲージも反応します。
モニタリングしないとき 設定画面の「入力のモニタリング」が「モニタリングしない」になっているばあい、自分のレベルゲージは反応しません。 しかし、ほかのメンバーには音が届いています。
音が小さいと感じたら、インプットの方のボリュームを調整してください。
レベルゲージが赤いところまで触れるようだと音が大きすぎるので少し下げましょう。
オーディオプレーヤーとメトロノーム
インプットの下にあるオーディオプレーヤーでは、パソコン上にある音源ファイルを再生できます。
ファイルを選択したら再生ボタンをクリックして、スライドバーで音量を調整しましょう。
矢印が円を描いているアイコンをクリックすると、ループ再生になり、指定したファイルを繰り返し演奏してくれます。
上のスクリーンショットでは、自分のクラウドストレージ上に保存してあるギター教則本の付属音源を再生しています。
タブを切り替えるとメトロノーム画面になります。
上のスライドバーがメトロノームの音量で、数字がテンポ(BPM/一分あたりの拍数)。
テンポは[+][-]ボタンとスライダーのどちらでも調整できます。
再生ボタンをクリックするとメトロノームがなり始めます。
なお、オーディオプレーヤーとメトロノームはどちらか一方のみで、両方同時にならすことはできません。
バランス調整
複数メンバーが入室しているばあい、同時に楽器を鳴らすので音量のバランス調整が必要になります。
メンバーリスト上のバーグラフとスライドバーを使ってモニター音量やパンポットを調整できます。
メンバーごとのボリュームおよびパンポットは、あくまで自分の確認用なので、ほかのメンバーには影響しません。
たとえば自分がギター担当で、ドラムスの音をしっかり聴きたいと思ったら、ドラムの音量を少し上げるかその他のベースやキーボードの音量を下げて調整しましょう。
パンポットはステレオの定位(左右のどのあたりから聞えてくるか)を調整します。これもモニター用なので相手には影響しません。
詳細設定画面
画面左下の[設定]ボタンをクリックすると、詳細設定画面が現れます。
セットアップ時に指定した設定などが一画面にまとめて表示されます。
オーディオデバイス(ユーザーインターフェイス)の選択やバッファサイズの変更。
音質の設定などができます。
またTwitter連携を設定しておくと、TwitterのアイコンやユーザーネームをSyncroomと共通にできるほか、ルーム内のTwitterボタンをクリックしてツィートができます。
ルーム開設を告知する
ルームを作成したら、Twitterで告知したりメールやメッセージでバンドメンバーに呼びかけて、入出してもらいましょう。
Twitterボタンの右にあるノート風のボタンをクリックすると、現在入っているルームのアドレスをクリップボードにコピーします。
メッセンジャーやメールの文面に貼り付けて送信してください。
入室用のパスワードも忘れずに教えるようにします。
公開ルームのばあい、公式サイトの「ルーム一覧」ページから、まったく知らないユーザーが入室してくることもあります。
既存のルームに入室する
ルームのアドレスとパスワードを受け取ったメンバーは、リンクを開けばSyncroomが起動して入室待ち状態になります。
ルーム名とパスワードを入力して[ルームに入る]ボタンをクリックすれば、ルームに参加できます。
ルーム開設者だけの権限
ルームを開設したユーザーは独自の権限として、メンバーを強制退室させることができます。
また、別のルームと連結することで最大10人のメンバーといっしょに演奏可能です。
録音
[REC]ボタンをクリックすると、演奏を録音できます。
録音データはシステムフォルダー内の「ミュージック」フォルダの中にある「SYNCROOM_REC」サブフォルダーに保存されます。
なお、オーディオファイルの再生と録音を同時に行うことはできないので、録音を始めると再生中の音は強制停止されます。
さあオンライン演奏! そしてその先に
以上がSyncroomの基本操作です。
接続準備さえ終わっていれば、あとは入室後即演奏ができるのがいいですね。
音楽趣味の合うプレイヤーがふらっと現れてくれるのを待つもよし、バンドメンバーの練習場として扱うのもよしです。
Syncroom紹介企画はここでいったん終了です。
今後は参加メンバーの映像を見ながら演奏する方法や演奏をライブ配信する方法など、他のアプリケーションとの連携についても折に触れて紹介していく予定です。
それと、iOS版のSyncroomについても紹介するかもしれません(特にオーディオインターフェイスの設定について)。
ところで、実は私、Fukuzumi自身は別にオンラインでセッションを楽しめるほどの演奏技術はありませんし、参加してくれるような音楽仲間も居ません。
ではなぜこうしてSyncroomを勧めているかというと、コロナ禍で発表がなくなってしまったアマチュアミュージシャン/愛好家に、演奏を披露できる場所とノウハウを提供したいと思っているからです。
なので、機材に詳しくないプレイヤーの方でもなるべく自分で設定できるように、普通のPC関連記事だったら省略してしまうようなところまで、かなり詳細に解説しているつもりです。
それでもわかりにくいところがありましたら、ご指摘いただければできるだけ補足していまいりたいと思います。
よろしくおつきあいください。