なお、今回はLANケーブルの接続やハブ/ルーターの使い方などの基本的な設定については省略させていただきます。
また、今回紹介するやり方は、自宅で複数のパソコンをネットワークに接続している場合の手軽なやり方です。
本格的なセキュリティ設定については割愛しますのでご了承ください。
この記事の目次
LANでのファイル共有が便利
パソコンをLAN(ローカルエリアネットワーク)に接続すると、一方のパソコンからもうひとつのパソコンを操作したり、相手のパソコンに入っているデータを開いて作業することができてとても便利です。
Fukuzumiのばあい、特にノートPC上でテストしたアプリケーションのスクリーンショットを、メイン作業用のPCへ移動して加工し、ブログ記事に仕上げるといった使い方が多いのでファイルのやりとりが楽になります。
LANはつながっているのに相手のパソコンが見えない
とはいえ、パソコンにLANケーブルをつないだりWi-Fiの接続設定を行っただけでは、相手のパソコンを開けるようにはなりません。
それどころか、つながっているはずなのに相手のパソコンそのものが表示されないといったこともよくあります、
ファイルを共有するには設定方法にいくつかのルートがあるようですが、ここでは私がやっている方法について紹介します。
接続を確認する
まず、LAN上で相手のPCが接続されているかを確認します。
もしこれができていなかったら、ケーブルの接続やルーター設定など基本的なところからやり直しとなります。
今回はとりあえず確認方法だけ覚えてください。
PowerShellを起動する
タスクバー上のルーペアイコンをクリックして検索画面を開きます。
そこで、powershell
と入力して【Enter】キーを押すと、コマンドライン画面が現れます。
そのほかにも、【Win】キーを押しながら【R】キーを押して”ファイル名を指定して実行”から起動することもできます。
IPアドレスを確認する
PowerShellのウィンドウが開いたら、PS C:\Users\(ユーザー名)>
のようになってるところで、ipconfig
と入力し、【Enter】キーを押します。
すると、一瞬ののちに次のような結果が表示されます。
このうち「IPv4アドレス」と書かれているところが、いま使っているPCに割り当てられた、ネットワーク上の番地です。
ふつうは”192.168.0.xxx"のような数字です。あるいは”192.168.1.xxx"のようになっているかもしれません。
いずれにしても半角数字とドットの組み合わせです。
これをメモしておきましょう。
続いて、ネットワークで接続したい相手のパソコンでも同じようにIPv4アドレスを調べてメモしておきます。
PINGを送ってみる
ネットワークでつなぎたいすべてのパソコンでIPv4アドレスを調べたら、実際に接続されているか試します。
ここでいう「接続されている」というのは単にケーブルがつながっているだけではなく、ネットワークとして互いに相手を認識し、通信ができる状態であるということです。
先ほども使ったPowerShellのウィンドウへ戻り、相手のパソコンへPINGというコマンドを送って返事があるかどうか調べます。
ping 192.168.0.xxx
のように入力して【Enter】キーを押します。
このときIPv4アドレスは、接続したい相手のものを入力します。
相手に問い合わせたいんだから当然ですね。
ちなみに、相手からの応答がないときは次のような画面が表示されます。
こんどは、さっきと反対に相手側のパソコンからもPINGを送ってみましょう。
どちらのパソコンから見ても相手から反応が戻ってくるのを確認します。
確認が終わったらPowerShellのウィンドウは閉じて構いません。
タイトルバー(キャプションバー)右上隅の[閉じる]ボタンをクリックするか、exit
とコマンドを入力して【Enter】キーを押しましょう。
共有するフォルダーを指定する
互いに通信できているのを確認したら、接続の準備にかかります。
相手のパソコンからファイルを開いたりコピーしたりできるようにするには、共有という設定を行います。
自分のパソコンの中から、ほかの相手に見せてもいい場所を限定公開する感じです。
共有にはフォルダーだけを公開する方法と、ドライブそのものを公開する方法がありますが、ここでは特定のフォルダーだけ公開する方法を紹介します。
ちなみに共有できるフォルダーはひとつだけではありません。
公開したいと思ったフォルダーがいくつもあったら、それらをすべて共有に指定することができます。
共有の設定方法
エクスプローラーを開いて、共有したい(他のユーザーに公開したい)フォルダーを右クリックして[アクセスを許可する...]から[特定のユーザー...]を選択します。
「ネットワーク アクセス」ダイアログボックスが現れたらドロップダウンリストを開いて"Everyone"を選択し、[追加]ボタンをクリックします。
最後に[共有]ボタンをクリックすれば、選択したフォルダーが全ユーザーに対して共有されます。
この作業を、ネットワーク上で共有したいすべてのフォルダーで行っておきましょう。
複数のパソコンで相互にフォルダーへアクセスしたいなら、全パソコンで設定します。
相手のパソコン名(デバイス名)を確認
続いて、接続相手のパソコン名を確認しておきます。
最初に調べたIPv4アドレスを使って接続することもできますが、パソコンにつけたデバイス名を使ったほうがわかりやすいでしょう。
「Windowsの設定」を開いて、「システム」>「詳細情報」と選択します。
詳細情報に表示される「デバイスの仕様」の中から、先頭にあるデバイス名をチェックしておきます。
もしメーカーで出荷時に設定されるデバイス名がわかりにくかったら、好きな名前に変えてしまいましょう。
PCを再起動すると新しいデバイス名が有効になります。
このようにして、ネットワーク上で互いにアクセスしたいパソコンのデバイス名をすべて調べておきます。
これで準備はできました。
ネットワーク上の相手パソコンを探す
いよいよ相手のパソコンにアクセスします。
まずエクスプローラーを起動
エクスプローラーのツールバーで左上のボックスに、前もって調べておいた相手のデバイス名を入力します。
このとき、
\\デバイス名
のように、先頭に円記号を二つ並べて半角文字で入力します。
この記事では円記号の代わりにバックスラッシュになっています。
この半角円記号ふたつが、「ネットワーク上のほかのパソコン」という意味になります。
【Enter】キーを押すと「ネットワーク資格情報の入力」というダイアログボックスが現れるので、相手のパソコンにログインしているユーザーの名前とパスワードを入力します。
[OK]をクリックすると、エクスプローラーの画面上に、相手のパソコン名や共有(公開)しているフォルダーが表示されるはずです。
共有しているフォルダーのアイコンには、ネットワーク公開済みを示すパイプのようなパーツが描かれています。
これで共有しているフォルダーとその下位にあるサブフォルダーには自由にアクセスできるようになりました。
あとは、ほかのパソコンからも同じように設定を行ってください。
資格情報を確認する
ネットワーク資格情報を登録した相手のユーザーは、自分のパソコンに登録されます。
最後に資格の確認方法を紹介します。
Windowsのコントロールパネルから[資格情報マネージャー]を起動します。
「資格情報の管理」という画面に、ふたつのアイコンが並んでいるので[Windows資格情報]の方をクリックします。
すると、リストのいちばん上にある「Windows資格情報」のところに、接続した相手のデバイス名が表示されているはずです。
さらに[∨]ボタンをクリックしてリストを展開すると、ユーザー名などが表示されます。
ここからユーザー名やパスワードの変更、削除が行えますので覚えておいてください。
デバイス名さえわかれば接続は簡単
これで相手のWindowsパソコンへネットワーク上からアクセスできるようになりました。
動画のソースフッテージなど、容量の大きなファイルをやりとりするにはやはりLANで接続しておくのがいちばんです。
USBメモリなどでのやりとりに比べると圧倒的に手軽なのでぜひ活用しましょう。
またWindowsのばあい、相手のパソコンがエクスプローラーに表示されないということがちょくちょく起こりますが、ルーターなどネットワーク機器本体のトラブルでない限り、相手のデバイス名さえ覚えていればこのやり方で簡単に再接続できると思います。