周辺機器

英語キーボードの右ALTキーで日本語入力オン/オフ切り替え

注意

2024年11月9日にWindowsアップデートを適用したところ、一時的にこのカスタマイズが無効になりました。

Windowsを再起動したところ、復旧しました。

 

前回の記事では、新たに買った英語配列キーボードで日本語を入力するための基本的な設定を紹介しました。

今回はさらにつっこんで、日本語入力の切り替えを便利にする技を公開します。

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Win11の影響は

Windows11へアップグレードを行いましたが、当記事で紹介しているレジストリ情報はWin10から引き継がれるようで、そのまま有効です。
改めて設定を行う必要はありません。

 

 

キーの入れ替えでさらに使いやすく

入れ替えたいのは【Ctrl】と【CapsLock】だけじゃない

キーボードショートカットを多用する人なら、キーの割り当てを入れ替えている場合も多いんじゃないでしょうか。

私も【Ctrl】キーと【CapsLock】キーを入れ替えることで、【Ctrl】キーを左手小指で打ちやすくしていますが、そのほかに【半角/全角】キー(英語配列なら【`】キー)と【Esc】キーの入れ替えもやっていました。

その理由は、日本語入力のオン/オフ切り替えは【変換】キーでやるから。

【半角/全角】キーを使わないからじゃまなものは遠くてかまわないし、テキストエディタでは【Esc】キーを多用するから、このふたつを入れ替えて【Esc】がホームポジションに近いほうが使い勝手がいいんです。

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英語キーボードには【変換】キーがない

そもそも、日本語配列キーボードなら【半角/全角】キーや【変換】キーのワンアクション操作で日本語入力のオン/オフを切り替えられます。特に【変換】キーはスペースバーのすぐ右という一等地にあったので、とても便利でした。

それに比べると、英語配列では【Alt】を押しながら【`】を押すんでちょっと手間がかかります。

その不便を忍んでもわざわざ英語キーボードを使おうというわけなんですが、そのうえさらに【Esc】と【`】の入れ替えまでやると、日本語入力がますます不便になってしまいます。

【Esc】はホームポジションに近いところにほしい。でも入れ替えで【`】が遠くなるとそれはそれで、日本語入力に不便というジレンマが・・・

 

超コンパクトキーボードならではの悩み

今回買い換えたキーボードは、テンキーやファンクションキーを省いた超コンパクトモデルです。

ProgresTouch Tiny ASCII配列版

今回買い換えたキーボードです。

このキーボード、【1】の左隣は【Esc】キーです。私にとってはこれが使いやすいんですが、キーの数が少ないので【`】は【Fn】キーとの組み合わせで入力する必要があります。

つまり日本語入力のオン/オフを切り替えるのに、普通の英語キーボードなら【Alt】+【`】を押せばいいところを、このキーボードだとさらに【Fn】キーまで押さなきゃいけません。

【Esc】と【`】を入れ替えてキーが遠くなるのは避けられますが、3つのキー同時押しはさすがにめんどうなので、昔はわりと知られていたワザを引っ張り出してくることにしました。

その鍵はAXパソコンです。

 

AXパソコン用ドライバで切り替えがかんたんに!

AXパソコンとは現在のWindowsパソコンの源流にあたるPC/AT互換機を日本向けにした派生モデルみたいなものです。

いろんなメーカーがAXパソコンの協議会に参加して統一規格のパソコンを発売していましたが、おなじPC/ATをベースにもっと手軽に日本語の表示ができるいわゆるDOS/Vパソコンが登場したこともあって、結局ほとんど普及せずに消えていきました。

これが1993年頃の話です。ところがWindowsの中には今でもこのAXキーボード用ドライバがひっそりと残されているんです。

 

AX用ドライバならワンアクションで日本語をオン/オフ

AX用キーボードドライバのどこが便利かというと、右の【Alt】キーを【漢字】キーに割り当てることで、手元のワンタッチ操作で日本語入力のオン/オフを切り替えできました。

25年以上前のこのドライバがWindows10時代のいまも使えるので、独立した【`】キーがなく日本語入力の切り替えがめんどうな超コンパクトキーボードでも、カスタマイズすれば快適に使えることがわかったんです。

実は、この情報はネットで見つけた2001年の古い記事(Windowsで右[Alt]に漢字キーを割り当てる方法 atmarkIT)だったんですが、もしやと思って探してみたらWindows10でもちゃんとドライバが残っていました。

 

AXパソコン用キーボードのドライバを探す

というわけで2001年の古いWeb記事をもとにWindowsのインストールフォルダの中を探してみると、System32フォルダの中に、確かにkbdax2.dllというファイルが見つかりました。

AXキーボード用ドライバ

System32ディレクトリ内にあるAXキーボード用ドライバを探します。

これこそが今回のキーになるAXキーボード用のレイヤードライバです。

AXキーボードドライバのプロパティ

ドライバのプロパティを確認します。

このドライバが今でも残っているのがわかったんで、今回のキーボード買い換えでは安心してコンパクトキーボードを選ぶことができました。

ちなみに、そのほかにもkbdで始まるファイルがたくさんありますが、これらもすべてキーボード用のドライバです。

 

AXキーボードドライバを使うにはレジストリの書き換えが必要

ドライバの所在が確認できたら、次にやることはレジストリの変更です。

ただしレジストリを不用意にいじって破損させてしまうと、最悪Windowsが起動しなくなることもあるので、細心の注意が必要です。

この記事に興味をもつ方ならまず問題ないでしょうが、まったくのWindows初心者がレジストリをいじるのはお薦めしません。というより、ぜひやめておいてください。

ここからは上級者向けの情報、そして将来自分がパソコンを買い換えて同じ設定をやることになったときのための記録です。

初心者がうかつに手を出せないように、手順の細かい説明まではしません。

 

レジストリ書き換えのポイント

 

step
1
レジストリエディタを起動

 

step
2
HKEY_LOCAL_MACHINEハイブを選択

 

step
3
レジストリの値を書き換える

以下のレジストリキーを選択して、値を書き換えます。

SYSTEM\CurrentControlSet\Services\i8042prt\Parameters

値の名称 変更前の値(参考) 変更後の値
LayerDriverJPN kbd101.dllなど kbdax2.dll
OverrideKeyboardIdentifier PCAT_101KEYなど AX_105KEY
OverrideKeyboardSubtype 0など 1
OverrideKeyboardType 7など 7

変更前の値は、ノートパソコンなどメーカーごとに独自のキー配列を使っている場合はそれぞれ異なる値のはずです。(参考)になっているのは、今回の私のPC環境の例を紹介しているためです。

この値を書き換えるので、万一のトラブルに備えて書き戻せるようにメモしておきましょう

レジストリの値をAXキーボード用に書き換える

レジストリの値をAXキーボード用に書き換えます。

私のPC環境では、KeyboardTypeはそのまま変更なし、KeyboardSubtypeのほうは0から1へ変更しました。

あとはレジストリエディタを終了して、Windowsを再起動すれば右【Alt】キーが【漢字】キーとして使えるようになります。

 

2001年の裏ワザで英語キーボードが快適に

というわけでいま皆さんが読んでいるこの記事は、昔のAXキーボード用ドライバを使ってWindows10パソコンに接続した英語配列のコンパクトキーボードで実際に入力したものです。

最後に紹介したレジストリの書き換えは、理屈さえちゃんとわかっていればそんなに心配する必要もありません。

とはいってもうっかり触って、レジストリのほかの箇所を破損でもしたらおおごとなので、安易にまねしないように、必ず自己責任でお願いします。

なんでそんなリスクを警告してまで紹介するかというと、20年近く前のワザが未だに使えて、しかも現役でちゃんと役に立つということを後生に伝えておきたいからでした(ちと大げさ)。

コンパクトキーボードでなくても英語配列キーボードなら同じように右【Alt】のワンアクションが使えるようになると思うので、自己責任で試せる方はチャレンジしてみてください。

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