社内教育用のパソコン操作マニュアル作成などでは、パソコンの画面を画像として保存したスクリーンショットが必要です。
Windows10にも画面を静止画像として保存したり、手描きの図を書き加えたりできる「切り取り&スケッチ」機能がありますが、実はこの「切り取り&スケッチ」、あまり便利とはいえません。
そこでネット上で入手できるオンラインソフトの中から、定番となっているキャプラとWinShotの2本を比較してみました。キャプチャソフト選びの参考にしてください。
補足::キャプラの動作に注意!!
当記事の執筆後に確認したところ、筆者の所有している二台のWindows10(64bit)パソコンのうち、ノートPCのほうでは、キャプラの動作におかしなところがあることが分かりました。また、もう一台のミニタワーPCでもスクロールキャプチャが正常に動作していません。
したがって2019年秋の時点では、キャプラをお薦めしないことにしました。
あしからずご了承ください。
この記事の目次
すでに完熟? あまり変化がないWindows用キャプチャソフト
Windowsのデスクトップ画面を静止画像として保存するソフトを、キャプチャソフトとかスクリーンショット作成ツールといいます。
このようなソフトはずっと昔から作られていて、機能のほうも熟成されているというか、枯れきった状態なので最近はあまり目新しいソフトがありません。
そこで今回も、定番ソフトの中からWinShotとキャプラのふたつを紹介します。
どちらも無料で使えるフリーソフトです。
入手先へのリンクを張っておくので、この記事を読んでもし気になったらぜひ使ってみてください。
いつでもさっと呼び出せて連続作業向きのWinShot
WinShotは、Windowsのシステムトレイに待機していてすぐに呼び出せる「常駐型」といわれるタイプのソフトです。
ショートカットでキャプチャから出力まで自在に対応
常駐型なので、ふだんはデスクトップに表示されていませんが、キーボードショートカット(ホットキー)で呼び出してすぐにキャプチャできるので、文書作成などの作業中に思い立ったらすぐキャプチャを行うことができます。
スクリーンショットをたくさん撮る人なら、Windowsのスタートアップに登録しておいて起動と同時に待機させておくと便利です。
キャプチャの出力方法は、いったん画面で確認する「プレビュー」、ワープロや表計算などほかのソフトですぐ利用したいときに便利な「クリップボード」、「印刷」、そして「保存」の4つがあります。
さらに、キャプチャしたい範囲を指定する方法として「デスクトップ」「アクティブウィンドウ」「矩形範囲指定」「ウィンドウ/コントロール」の4つがあり、先ほどの出力先指定との組み合わせで16とおりのショートカットが使えます。
連続自動保存がWinShotの真骨頂
出力先を「プレビュー」にすると画面上にキャプチャ結果を表示して確認したり、反転や回転、グレースケール化、サイズ変更などの加工ができます。
逆に「保存」で実行すると、ファイル名に連番をつけて指定のフォルダにどんどん保存していくので、操作手順などを大量にキャプチャしたいときは便利です。
プレビューウィンドウはあくまで確認とかんたんな加工用なので、既存の画像ファイルを開いてチェックしたり、複数のプレビュー画面を見比べるような使い方はできません。
「WinShot」ダウンロードページ(ベクター)
キャプラはわかりやすさとキャプチャの自由度が魅力
もうひとつの定番ソフト「キャプラ」はキャプチャの基本機能だけ比較すると一見WinShotによく似ていますが、使い勝手の点ではかなり違った好対照なソフトです。
オーソドックスなウィンドウタイプ
キャプラはWinShotのようないわゆる常駐型ソフトではなく、操作はウィンドウのメニューやツールバーで行うため、他の作業中にどんどんキャプチャするよりは、あらかじめチェックしておいた箇所を吟味しながらキャプチャするような使い方になります。
大量の連続キャプチャには向いていませんが、その代わりキーボードショートカットのように暗記する必要がなく、誰でもわかりやすくなっています。
常駐型でないとはいっても、起動している間はWindowsのシステムトレイ内にアイコンとして表示されているので、ウィンドウを最小化していてもトレイアイコンのダブルクリックでウィンドウを開いたり、右クリックで設定画面を呼び出すことができます。
キャプチャの自由度があがるふたつの機能
キャプチャする領域の指定は「フルスクリーン」「アクティブウィンドウ」「ウィンドウまたはコントロール」の3つです。
WinShotとの違いは矩形の領域指定がないことですが、実用上の遜色はありません。
アフィリエイターはココに注意
物販アフィリエイト用のページを制作する場合、ネットショップの画面を一部分だけキャプチャすることがあるようですが、そのような使い方だとドラッグでの領域指定でキャプチャできたほうがいいでしょう。もちろん、キャプチャ画像をあとからグラフィックツールでトリミングするという方法もあります。
それよりもっと便利な機能がキャプラにはふたつあります。
ひとつはタイマー機能、もうひとつは自動スクロールです。
操作中のキャプチャもできるタイマー機能
タイマー機能は、キャプチャコマンドを実行してから実際にキャプチャを行うまでの時間差をつけます。
時間差をつけてキャプチャすることで、マウス操作の途中などでもキャプチャできるようになるため、画面操作の説明などでは大いに役立ちます。
キーボードショートカットで対応できる場合もありますが、ポップアップメニューなどではなにかのキーを押した途端にメニューが消えてしまうものもあるので、このようなケースだとタイマー機能によるキャプチャが欠かせません。
自動スクロールで長いページも一発キャプチャ
自動スクロールは、縦に長いWebページなどを一気にキャプチャしてしまう機能です。
ふつうのキャプチャ機能だと、画面に表示されている範囲を動かしながら一枚一枚キャプチャしていかないといけませんが、自動スクロールがあれば一回のキャプチャで済みます。
キャプチャ画像の比較に便利なタブ切り替え式
キャプラのウィンドウはタブ切り替え式のマルチドキュメント形式です。
たくさんの画像を切り替え表示できるので、何枚かキャプチャしておいて見比べて選ぶような使い方に便利です。
その一方で、連続キャプチャした画像を自動で保存することもできるので、WinShotのような使い方もできます。
そのほか、ファイルリスト機能で以前にキャプチャした画像をすぐに呼び出せるのも特徴です。
キーボードショートカットの登録も可能
すでに紹介したとおり、キャプラの操作はメニューやツールバーで行うので、キャプチャのたびに毎回ウィンドウを操作する必要があります。
しかし、キーボードショートカットを登録すれば、ウィンドウを操作しなくてもキー入力だけでキャプチャが可能です。
ただし、キー割り当てはまったく登録されていないので、好みに応じて割り当てを行ってください。
「キャプラ」ダウンロードページ(ベクター)
ふつうのユーザーにはキャプラがお薦め
Windows用の代表的なキャプチャソフトふたつを紹介しました。
簡単にまとめると、WinShotはキーボードショートカットに慣れた上級者向けでなおかつ、連続して大量にキャプチャを行い、あとから選別や加工を行う人向けでしょう。そのほかにはクリップボードへの直接出力を利用して、ワープロなどの文書作成中にダイレクトに組み合わせることで作業の効率アップが可能です。
いずれにしても熟練者好みのかなり通向け仕様といえるでしょう。
それに対し、メニューやツールバーのボタンから実行できるキャプラはもっと一般ユーザー向けです。
それでいて、タイマー機能や自動スクロールでいろんなパターンのキャプチャができるのは大きな魅力です。
任意の領域をドラッグしてキャプチャすることができませんが、その点が気にならないのならキャプラのほうがお薦めでしょう。
慣れてきたらキーボードショートカットを登録し、連続保存オプションをオンにすればWinShotのような使い方もできます。
補足 WinShotの使い方を紹介
Googleサーチコンソールを使って、検索ボリュームを調べたところどうやらWinShotについて調べている方のほうが多いようです。そこでWinShotについて解説記事を書きました。
ぜひご覧ください。
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