サブで使っているノートPC、HP Pavillion 15-AB536TXのハードディスクが急に不調になって正常に起動できなくなりました。
そこで急遽HDDを交換し、ついでにメモリも増設することにしました。
交換そのものよりノートパソコンを分解する方がてこずったのと、ハードウェアの仕様自体で注意すべきところがあったので紹介します。
この記事の目次
劣化の進行から突然の重篤化
FukuzumiのPavillion 15-AB536TXは、ベクターさんから定期的に記事執筆の依頼を受けていた頃に、オンラインソフトのテスト兼記事執筆に使っていたものです。
その後、記事の依頼がなくなってからはバーチャルサイクリングサービス用マシンやライブ配信テスト用、たまには外出先での講習やプレゼンテーション、打ち合わせなどに使用。
そしてこの夏からはでのオンラインギターレッスンにも使っています。
実は最近、HDD劣化の警告音が頻発するようになったので気にはしていたんですが、今回いきなり正常にログインできなくなってしまいました。
細かいことをいうと、ログインまではできるんですが、スタートメニューの操作ができないので起動しないのといっしょです。
なんとかタスクマネージャーの起動はできましたが、肝心のタスクの表示はおかしいという極めて危ない状態。
テストが主な用途で特に重要なデータは入ってないのでバックアップ等はあまり気にしていないんですが、Yousicianのレッスンが受けられないのはつらい。
新しいPCに買い替えるお金ももったいないので、HDDの換装をやってみることにしました。
タワー型PCでは何度となくやってきた作業ですが、ノートPCでは初めて。
なによりの障碍は、筐体の分解です。かなりてこずったのでそこを中心に紹介します。
まずは購入時の状態に復元
実は、PCが正常に起動できなくなってしまったので、まずメーカー出荷時の状態に戻してみることにしました。
いちおう(ハードではなく)Windowsのトラブルという可能性も考えたからです。
Windows10では【F8】キーを押しながらのセーフモード起動ができないので、【Shift】キーを押しながら再起動をかけることで、セーフモードを起動します。
あとは画面の指示に従って出荷の状態まで復元します。
これでとりあえずWindows10は動くようになりました。
その後、PCの状態を確認するために、SpeccyとCrystal Disk Infoだけインストール。
Speccyでは搭載しているドライブやメモリの情報を再確認。
Crystal Disk InfoでHDDの劣化状態を調べます。
ソフトがインストールできたことでわかるように最低限の操作はできていますが、Crystal Disk Infoでドライブのステータスを見ると「注意」になっているので、やはりドライブ交換は必須のようです。
ちなみに、この段階ではキャプチャーソフトHyperSnap8も消えてしまっているのでスクリーンショットは撮れません。
Windowsのキャプチャー機能を使うのも心配なので(ドライブにこれ以上負担をかけたくない)、iPhoneで写真を撮っておくことにしました。
今になって気づきましたが、この画面だとストレージのカテゴリがSSDになっていますね。
SATA-IIIのとこだけ気にして見落としていました。
底面の固定ネジを外す
ストレージとメモリの仕様は確認できましたが、いちおう中身もチェックしておかないと不安です。
そこでPavillionの筐体を分解します。
Pavillionの底面には、表面に見えているだけで8つのネジがありますが、これを外しただけでは分解できません。
こういうときの頼りはYoutubeということで検索したら、こんな動画を発見。これを参考になんとか分解に成功しました(投稿者のしろごまさん、その節はありがとうございました)。
ネジの数は筐体の目に見えているところ以外に、さらにDVDドライブを抜いたあとの裏側にも2本(これは特に注意、後述します)。
バッテリーを外したところに4本。
バッテリー両脇の黒い部材ふたつを止めているそれぞれ1本と、部材を外したあとに隠れている2本があります。
あとは、バッテリーコンパートメント部分から見えるところに、基板シャーシと筐体をひっかけるツメがあるのでこれを押して外せば、底面が外れるはず・・・。
と思ってやってみましたが、どうにも外れません。
躓いたのは固定ツメではなく・・・
実は底面には、さっき紹介したほかに筐体と同じ色のシールで目隠しされたネジが2か所あり、それに気づかずに無理やりツメを押してパネルを外そうとしていたのでした。
おかげでツメがだいぶ潰れたうえに、ツメを押すのに使っていたマルチツールが滑って、筐体のほうにも傷をつけてしまいました。
目隠しされている2か所のネジは、ネジ穴にふたをするように薄いプラスチック片が両面テープのようなもので貼りつけてあります。
筐体との隙間がほとんどないので先のとがった千枚通しでひっかけて外しました。
冷静になれば、あからさまに目隠しで封印されているとわかるんですが、最初は焦っていて見落とし。
おかげでたくさんの傷を作ってしまったわけで、自分のナイーヴさにいささか呆れます。
皆さんもノートPCを分解するときは充分注意してください。
DVDドライブ固定ネジは特に慎重に
それから、DVDユニットを固定している2本のネジは、ちょっとやっかいです。
筐体を固定している黒いネジとはちがい、銀色で頭が大きいだけでなく、ネジ山のサイズが小さいうえに材質がちょっと柔らかい。
かなり注意して回さないとネジ山が簡単につぶれてしまいます。
実際、1本がなかなか外れず、ネジ山が少しずつ崩れていく恐怖におびえながらなんとか外すのに成功しました。
細い精密ドライバーを掌でぐいぐい押し込みながら時間をかけてほんのちょっとずつ回していったので、丸一日以上経ったのにまだ掌に少し痛みが残っています。
力を入れてぐいっとひねるとあっさり山がつぶれてしまうと思うので、ここは特に慎重に作業してください。
スペーサーで2.5インチドライブの厚みを調整
筐体を開けると、ちょうど右手のパームレストの下あたりの位置にHDDが入っています。
HDDは特に固定はされていないので、コネクターを抜けば簡単に取り外しできます。
メーカー出荷時にセットされていたのは、東芝製の1TBハイブリッドドライブです。
両側にエスカッションというかホルダーのような黒いパーツがはめ込まれていて、これがハウジング内での位置決めと同時に、HDDのサイズ(厚み)を調整してくれています。
今回、換装用ドライブを注文するにあたって、ドライブの厚みが何mmかわからないので、どれを買えばいいか分解して確認する必要があったんですが、実際にはこの黒いパーツのおかげで、7mm、9.5mmのどちらのサイズでも問題なく装着できるのがわかりました。
写真は、故障して取り外したSSDで厚さは7mmサイズですが、アタッチメントを取り付けることで、ハウジングにピッタリ収まるのがわかります。
スペーサーの取り付けは、単に挟み込むだけで固定の必要はありません。
スペーサーの内側についている突起がちょうどドライブのネジ(メス側)にはまり込むようになっていて、挟み込んだらハウジングに挿入するだけでぴったりはまり込みます。
これでSATA-III仕様のドライブであれば厚みの方は7mmでも9.5mmでも構わないのがわかりました。
ちなみにこのようなスペーサーが付属していないばあいでも、市販のスペーサーで7.5mm厚のドライブを9.5mmサイズに変換できます。
RAMの電圧仕様が・・・?
RAMはもともとDDR3 8GBのモジュール1枚を搭載し、スロットがもうひとつ空いていたので、さらに8GBモジュールを1枚追加して計16GBにすることにしました。
今後ライブ配信で使うつもりなのですが、配信の現場でもちょっとした動画編集をできるようにしておくためです。
動画編集にはDaVinci Resolveを使っていますが、以前に読んだメーカーへのインタビュー記事によると12GBで動作するように設計しているとのことだったので充分、要件をクリアできます。
で、DDR3のメモリモジュールを買うことにしたんですが、ソケットをよく見ると1.5Vと刻印されています。
慌てて調べると、PC3(1.5V動作)とPC3L(1.35V動作)の2種類があることがわかりました。
なので、「1.5動作のモジュールを買えばいいのね」と思ったんですが何の気なしにモジュールを外してみたらあらびっくり、PC3L-12800Sとプリントされています。
となるとこのマザーボードは、1.35Vのメモリでも動作できる仕様なのかもしれません。
ソケットには1.5Vと書かれているのに、なぜ1.35V仕様のメモリを使っていたのかは不明で多少不安でもありますが、スペックを統一するためにPC3Lのモジュールを注文しました。
購入は中身を確認してから
Pavillion 15-ABシリーズすべてでこのような仕様なのかどうかわからないので、もしメモリを購入するばあいもいきなり注文せず、いったん筐体を開けて実際に使われているメモリを確認したうえで同仕様のものを注文されたほうがいいでしょう。
万が一動作しなくても、Fukuzumiとしては責任を負いかねますのでご容赦ください。
ノートPCの分解は落ち着いて
以上で今回のパワーアップ作業は終わりです。
というか、この記事を書いている時点でHDDのほうがまだ届いていないので、実際の作業はこれからとなります。
Pavillion 15-ABシリーズユーザーでHDD換装やメモリ増設を検討している方の参考になれば幸いです。
それにしても、落ち着いていれば隠しネジの存在なんかすぐに気づいたはずで、筐体をムダに傷付ける必要もありませんでした。