CCleanerはWindowsパソコン内の不要なファイルをクリーンアップしてくれる定番のメンテナンスソフトです。
実はこのCCleanerでもドライブの抹消が可能です。
市販のドライブ抹消ソフトに比べると機能が限られていますが、増設したドライブや外付けドライブを処分するだけだったら充分でしょう。
ドライブ抹消ソフトが必要だけど、どのソフトを選んだらいいのかわからないようなときはまず試してみてください。
この記事の目次
CCleanerとは
CCleanerはパソコンの中に溜まっていく一時ファイルや履歴、cookieなどをカンタンに消去してくれるメンテナンスツールです。
個人利用であれば無料で使えるのでユーザーも多く、定番ソフトになっています。
詳しくは別の記事で紹介しているので、そちらを参考にしてください。
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実はこのCCleanerの「ツール」の中にドライブワイパーというのがあります。
これがドライブの抹消を行う機能です。
ドライブワイパーでできるのは2つ
ドライブワイパーでできることはふたつです。
- ドライブ全体の抹消
- 空きスペースのみの抹消
「ドライブ全体の抹消」は、ストレージ(ハードディスクやSSD)の中身をドライブ単位で完全消去します。
「空きスペースのみの抹消」というのは初心者にはちょっとわかりにくいですね。
「空いているスペースなら、なぜわざわざ抹消するのか?」と疑問に思うかもしれません。
実はこのばあいの「空きスペース」というのは、ファイルをゴミ箱に捨てたり、ゴミ箱を空にしたときに残っているデータのことです。
「空きスペース」を説明する前に、パソコンのファイル削除がどんなものかおさらいしておきましょう。
ファイル削除と抹消の違いは?
Windowsパソコンでは、実際のデータとは別に「この場所にこんな情報を保存していた」ということを記録したファイル管理用の台帳みたいな情報をもっています。
ふだんファイルを削除するときは、このファイル管理台帳の中身だけを消しています。
いちいちファイル本体のデータを消していたらとても時間がかかるからです(実際、ファイル削除ってすぐに終わりますよね)。
しかしこれだと、本来のデータのほうは手つかずで残っているので、復元ソフトでカンタンに元に戻せます。
ということはプライバシーや機密情報が漏れる可能性があるのです。
抹消とは無意味なデータで埋め尽くすこと
そこで念を入れてすべての情報を完全に消してしまおうというのが抹消です。
実際には、ゼロやでたらめなデータでドライブの中身を埋め尽くしてしまうことで、元あったデータがなんだったかわからなくします。
なのでドライブの容量が大きくなるほど、作業に時間がかかります。
空きスペースにはデータの本体が残されている
「空きスペースのみの抹消」は、ファイル管理台帳上では消したことになっているけど、実際には残っているデータの本体を本当に消します。
ドライブ全体じゃなくて、削除済みのファイルだけというのが違いです。
たとえていうと、ファイルの削除とは人が住まなくなった家を空き家として登録すること、「空きスペースの抹消」は家を取り壊して更地に戻してしまうこと、みたいな感じです。
空き家のばあい家財道具などが残っていればどんな人が住んでいたか調べることができますが、更地にしてしまえばもうわかりません。
「空きスペースのみの抹消」を使うことで、それと同じように痕跡をなくしてしまうことができます。
ドライブ全体の抹消はある地区全体をすべて更地にすることで、空きスペースのみの抹消は一軒の空き家だけを更地にすることといったイメージで捉えるとわかりやすいかと思います。
空きスペース抹消のメリット
不要になったファイルを削除したあと空きスペースの抹消を実行すれば、安全にデータを消すことができます。
ドライブワイパーの使い方
ドライブワイパーはCCleanerの[ツール]グループの中にあります。
設定は次の3項目です。
抹消方式
すでに紹介したとおり、ドライブ全体(すべてのデータを消去)と(空きスペースのみ)のふたつから選択します。
セキュリティ
データを何回上書きするかを指定します。
何回も繰り返し上書きするほど、元のデータの痕跡が消えて復元しにくくなります。つまり秘密保護の安全性が高まります。
その代わりに処理に時間がかかります。
設定は次の4つから選べます。
- 単純な上書き(1回)
- 複数回による上書き(3回)
- 複雑な上書き方式(7回)
- 複雑な上書き方式(35回)
Wikipediaなどによると、実際には1回の上書きで充分だとも言われています。
よほど重要な機密事項でも扱わない限り複雑な上書き方式を使う必要はないでしょう。
ドライブ
抹消したいストレージをドライブ単位で選択します。
ハードディスクやSSDだけでなく、USBメモリなども指定できます。
なおこのばあいのドライブとは、物理ドライブではなく論理ドライブになります。
ハードディスクやSSDの中に区画を作ってドライブを割り当てたばあいのドライブです。
ハードディスクやSSD全体ではないので注意してください。
以上の設定が終わると[抹消]ボタンがアクティベート(有効)化されるので、処理を実行してください。
制限さえ理解していれば充分使える
CCleanerのドライブワイパーは手軽な半面、本格的な市販ソフトに比べると制限があります。
起動ドライブは抹消できない(はず)
ごめんなさい、これ本当かどうかは検証していません。
というか怖くて試せません。
ただ、ふつうに考えるとCCleanerはWindowsで動くアプリケーションだから、Windowsが入っているドライブを抹消したらおおごとになります。
そんな失敗をやらかさないように、ふつうは起動ドライブの抹消はできないはずです。
また、CCleanerをDドライブなどにインストールしているばあいも、Dドライブを抹消してはいけません。CCleaner自体が入っているドライブですから。
故障したパソコンからは実行できない
Windows自体が起動しなくなったパソコンからは実行できません。
市販のドライブ抹消ソフトの多くは、故障したパソコンからでも抹消できると謳っていますが、それはCD-ROMやUSBメモリから起動できるしくみになっているからです。
これは正確にいうと、Windowsが起動しなくなったパソコンでも実行できるということです。
Windowsが起動しないパソコンだとCCleanerを実行できないから、当然ドライブワイパーも使えません。
Windowsが動かないパソコンのドライブを抹消したかったら、CD-ROMやUSBメモリから起動できる抹消ソフトを購入してください(このタイプのソフトは、BIOS/UEFI版などと書かれています)。
ではWindowsどころか、マザーボードや電源など機械部分が壊れてしまったパソコンは?
そのばあいは、ドライブだけ取り外して、正常に動くパソコンの外付けドライブとして接続すれば抹消できるでしょう。それならCCleanerでも大丈夫なはずです。
外付けドライブとして接続するには、USB接続できるハードディスク接続アダプタがあると便利です。ぜひ入手しておきましょう。
デバイス全体の一括抹消はできない
ハードディスクやSSD全体の抹消ではなく論理ドライブ単位での抹消になります。
こういった制限はありますが、外付けドライブや増設ドライブを抹消するのであればCCleanerでも充分に使えると思います。緊急のときには試してみてください。