幸い簡単な設定ミスだったので事なきを得ましたので、紹介しておきます。
[プリント]コマンドが使えない!
地元のボランティアグループに依頼されてチラシを作成したんですが、ラフができあがったところでチェック用に印刷しようとしたところ、[プリント]コマンドがグレーアウトしていてコマンドそのものが選択できない状態になっていました。
同様の事例をWeb検索してみましたが、質問が一件見つかったのみで、解決方法は見当たりません。
念のため、件のチラシ以外の画像でプリントできるか確認したところ、特に問題はないようです。つまりPhotoshop本体のトラブルではないと判断しました。
そこであらためてYouTubeで検索したところ外国語の動画を発見。
内容を視聴して「あ、アレか」とピンと来たので、Photoshopの設定を変更したところ、無事プリントできるようになりました。
カラーモードはくせ者
対処方法は簡単で、メインメニューの[イメージ]から[モード]を選択し、ビット数(カラー深度)を確認します。
ここが”32bit/チャンネル"になっていたので、"8bit/チャンネル"に変更することで、無事プリントできるようになりました。
ただこれだけです。
ちなみに32bitから8bitや16bitに変換すると色情報が失われるという警告が出ますが、ふつうの印刷物作成だったらこれは無視して構いません。
というのも8bitで充分だからで、むしろ32bitは多すぎです。
ちなみに”16bit/チャンネル"でもプリントは可能。"32bit/チャンネル"のときだけプリントできないようです。
必要なのは24bitカラー
パソコンの世界で一般的にフルカラーやトゥルーカラーと言われる画像は24bitのデータとなります。
それが「8bitで充分」というのはどういうことでしょうか?
実はカラーモードのメニューにあるxxbit/チャンネルの”チャンネル”の部分がポイントです。
パソコンなどデジタル機器の画面では赤、緑、青(Red、Green、Blue)の3色を混ぜ合わせて色を作り出します。
ちなみに印刷物ではシアン、マゼンタ、イエローの3色です。
この方法でフルカラー画像を作るのに必要なのが24bit。
3つの色を使うので、3で割るとそれぞれの色には8bit必要ということになります。
つまり赤チャンネルに8bit、緑チャンネルに8ビット、青チャンネルに8ビットで合計24ビット。メニューに書かれている[8bit/チャンネル]というのはそういう意味です。
新規作成時のカラー深度に注意
さて、今回のトラブルの要点は、新規作成時の設定にあります。
チラシの制作を始めたとき、新規ドキュメントの基本的な設定として、A4サイズ縦位置、解像度は200ppi(ピクセル/インチ)、カラーモードはRGB32bitとしていました。
ここでは単にビット数を指定するだけなので、フルカラー24bit+アルファチャンネル(透明度指定)で32ビット必要と思ったわけです。
ところが実際には、すでに紹介したとおり1チャンネルあたり32bitの設定になっていました。
新規作成時のカラー深度指定ではRGB全体でのbit数なのか、チャンネルあたりのbit数なのかわからないので勘違いしてしまったわけです。
そしてたまたま32bit/チャンネルだと印刷はできないという仕様にひっかかってしまった、というシンプルなトラブルでした。
ちなみにRGB全体で8bitだと256色しか使えません。
当たり前すぎて情報がない?
新規ドキュメント作成時の設定画面で表記があいまいなために起きてしまったうっかりミスですが、フルカラー表現には24bit必要という知識がなければこのような勘違いは起きず、なにごともなかったかも知れません。
Photoshopを本格的に使う人にとっては当たり前すぎてトラブルのうちに入らないので、Web検索しても情報が出てこないのでしょう。
Photoshop初心者の方にとって参考になれば幸いです。