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音楽素材編集に使える無料VSTプラグインを探す

DAWミックス/マスタリング基礎大全のサウンドメイキングとミックス処理をひと通りやってみました。

そこで、DaVinci Resolve(FairlightFX)とMelda Productionsの無料プラグインではできなかった処理があったので、そこをカバーできるVSTプラグインをまたまた無料版の中で探してみました。

DAWやDTMは苦手、とりあえずDaVinci Resolveだけで映像作品の音をクオリティアップしてみたいという方の参考にはなるかと思います。

 

利用頻度が高かったプラグイン

といったそばからアレですが、足りなかったものの前に、まずは、書籍内で登場機会が多かったプラグインから先にご紹介。

 

イコライザーとコンプレッサー

サウンドメイキングだから当然ですが、特に使ったのはイコライザーとコンプレッサー。

ほぼすべての処理で登場します。

 

DaVinci Resolve(Fairlight)では、独立したプラグインじゃなく、イコライザーはFairlight本体のチャンネルに組み込みの機能、コンプレッサーは”Vocal Channel”というプラグインの中のひとつになっています。

チャンネル組み込みということはイコライザーを多重にかけることはできません。

またボーカル用のコンプレッサーでは音楽的な処理にものたりない部分があります。

 

幸いMelda ProductionのMFreeFXBundleにはどちらも含まれています。

そこ基本的にはMEqualizer(イコライザー)とMCompressorで処理を行いました。

 

また書籍中では汎用イコライザーのほかにNEVE1073タイプというパラメトリックEQと、TOKYO DAWN RECORDS NOVAという製品を使用しています。

 

このうちNovaの方は幸いフリーウェアなのでこれもダウンロードしました。

Tokyo Dawn Records NOVAのページ

TDR NOVA

 

そのほかにも、コンプレッサーにはFETタイプ、真空管タイプ、オプトタイプなどが登場するので、より精密なサウンドメイキングを目指すならこれらも用意しておくといいでしょう。

 

真空管タイプとして、フリーウェアのNATIVE Instruments SuperChargerが紹介されていたので、これをダウンロードしました。

Native Instruments SuperCharger

SuperCharger

 

カバーできなかったプラグイン

では、FairlightFXMFreeFXBundleではカバーできなかったものを紹介していきます。

 

ディエッサー

ディエッサーはFairlightFXに付属していますが、書籍中に登場するパラメーター設定には対応できませんでした。

今後探してみるつもりです。

 

サチュレーター

音をきらびやかに加工するサチュレーターは、MFreeBundleFXのほうにMSaturatorが含まれています。

 

そのほかに書籍の中で、紹介されているSoftube Saturation Knob(フリーウェア)をダウンロードしました。

3ポジションのスイッチひとつとダイヤルひとつだけのシンプルな操作でとても使いやすいものです。

Saturation Knobのページ

Saturation Knob

 

エキサイター

ボーカルを際立たせるエフェクターですが、FairlightFXにもMFreeFXBundleにも残念ながら含まれていませんでした。

 

そこで書籍中に紹介されているFine Cut BodiesのLa Petite Excite(フリーウェア)を使用しました。

La Petite Exciteのページ

La Petite Excite

 

ディレイ

ディレイ自体はもちろんFairlightFXに含まれていますが、書籍中ではディレイタイムを音符で指定できるものやピンポンディレイが登場します。

残念ながらこれらには対応できません。

MFreeFXBundleのほうには、ディレイ自体が含まれていません。

 

マキシマイザー

マスタリング段階で最終的な音圧を調整するのがマキシマイザーですが、なぜかFairlightFXには含まれていません。

動画編集にはあまり関係ないのかもしれませんが、書籍の中で紹介されているLoudMaxを入手しました。

LoudMaxのサイト

LoudMax

 

 

その他のプラグイン

書籍内での登場頻度は低かったプラグインについても紹介しておきます。

 

コンボリューションリバーブ

実際のホールや教会などで測定したデータを元に演算処理で反響を再現するタイプのリバーブ。

MFreeFXBundleに含まれているMConvolutionEZが、書籍中でも紹介されていたのでそのまま使用しました。

 

ステレオイメージャー

ステレオの広がり感を調整するプラグイン。

FairlightFX搭載のStereo Widthを使用しました。

 

書籍中ではAlex HILTONのA1StereoControlが紹介されています。

Stereo Widthより見るからに高機能ですが、ダウンロードには寄付が必要なのでいまのところ保留中です。

A1StereoControlのページ

A1StereoControl

 

たりないところはVoxengoで補完

FairlightFXMFreeFXBundleに加えて書籍中で紹介されている無料プラグインを揃えることで、ミックス/マスタリングに必要なツールはだいたい揃いましたが、まだちょっと欠けているところがります。

 

そこで調べてみると、Voxengoというメーカーの無料プラグインが見つかったので、そこからいくつかダウンロードしました。

Voxengoのサイト

 

Voxengo MSED

ステレオ効果を調整するM/S処理のためのプラグイン。

ステレオの広がり感調整、左右チャンネルの入れ替え、位相反転などの機能があり、バランスメーターとコリレーションメーターを備えています。

Voxengo MSEDのページ

Voxengo MSED

 

Correlation Meter

ステレオの広がり具合を視覚的に表示するマルチバンドのコリレーションメーター。

機能自体はMSEDにも含まれていますが、こちらはさらに細かく、周波数帯域ごとに表示が可能です。

Voxengo Correlometerのページ

Correlometer

 

Old SkoolVerb

ボーカル、ピアノなどソフトアタックなサウンドに向いたクラシックなステレオリバーブ。ルームリバーブ、プレートリバーブ、ボイスストリーミングリバーブの機能を搭載。

Voxengo OldSkoolVerbのページ

Voxengo OldSkoolVerb

 

Voxengo Stereo Touch

モノラルトラックをステレオに変換するプラグイン。

Voxengo Stereo Touchのページ

Voxengo Stereo Touch

 

Voxengo Tempo Delay

左右チャンネルの効果とゲインを独立調整できるディレイ。

トレモロやフィルター(イコライザー)機能も搭載し、テンポをBPMや音符で指定できる。

Voxengo Tempo Delayのページ

Voxengo Tempo Delay

 

Voxengo Tube Amp

真空管タイプのオーバードライブ。

Voxengo Tube Ampのページ

Voxengo Tube Amp

 

必要なものはほぼ無料版で揃う

基本的なミックス/マスタリングに必要なものはこれであらかた揃ったんではないかと思われます。

もちろん、普通の映像作品用だったらこんなに必要としませんが、今回は音楽のほうが主体なのでとりあえずひととおり揃えてみました。

 

コンプレッサーのバリエーションが足りない(FETタイプ/オプトタイプ)のと、ディエッサーの機能が乏しいのは惜しいところですが、書籍で紹介されているサウンドメイキングとミックスに必要な機能はほぼカバーできると思うので、学習の初期段階には役立つでしょう。

書籍には試用版/体験版もたくさん紹介されていますが、フリーで補えるモノがあるかもしれないので、今後も折りを見て少しずつ探したいと思います。

 

これまでに入手したプラグインのまとめ

タイプ Fairlight FX Melda Voxengo その他
汎用パラメトリックEQ MEqualizer
ダイナミックEQ TDR Nova
汎用コンプ MCompressor
マルチバンドコンプ Multiband Compressor
真空管タイプコンプ SuperCharger
サチュレーター Saturation Knob、Turbo Saturator Vintage
エキサイター La Petite Excite
オーバードライブ Tube Amp
ディエッサー De-Essor
リバーブ Reverb MConvolutionEZ Old SkoolVerb
ディレイ Delay Tempo Delay
ステレオ効果 Stereo Width Stereo Touch、MSED
コリレーションメーター Correlometer
ノイズリダクション Noise Reduction

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