ルックに加えてカスタムピクチャーが利用可能になり、これでXF400/405でもLOG収録が可能になりました。
簡単なテストとして各ピクチャーモードの比較を行いましたので、動画リンクで紹介します。
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XF400/405がLOG収録に対応(ファームウェア1.0.5)
2021年春に生産完了となったキヤノンの業務用ビデオカメラ XF400/XF405ですが、2020年末にファームウェアバージョン1.0.5がリリースされていました。 バージョンアップの目玉といえるカス ...
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この記事の目次
Ver. 1.0.5.0のカスタムピクチャー機能
従来のルックでは次の3つのモードを利用できました。
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スタンダード
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WDR(ワイドダイナミックレンジ)
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白黒
これに対し、カスタムピクチャーではCP1~CP6の6つのモードがあります。
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CP1:Normal
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CP2:Wide Dynamic Range
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CP3:Canon LOG3
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CP4:EOS Std
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CP5:USER05
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CP6:USER06
このうちCP1とCP2は、おそらく従来のルックと同じです。
なので、CP3のLOG収録やCP4のEOS STDが必要ない人は、カスタムピクチャーを有効化する必要はありません。
カスタムピクチャーは有効化しないと使えない
先ほど有効化と書きましたが、カスタムピクチャーはファームウェアを1.0.5.0にアップデートしただけでは使えません。
カメラ設定メニューで"CP機能"をオンにすることで、利用可能になります。
言い換えると、従来のルック機能で充分、LOG収録は使わないという方は、"CP機能”をオンにする必要はあまりありません。
あまりというのはどういうことかというと、カスタムピクチャーをオンにすることで、スタンダードやワイドダイナミックレンジでも、より細かいカスタマイズが可能になるからです。
従来のスタンダードだとシャープネス/コントラスト/色の濃さの3つ、ワイドダイナミックレンジだったらシャープネスと色の濃さの2種類しか調整できませんでした。
しかし、CP機能を有効化したうえで各カスタムピクチャーのプロテクトを解除すると、カラースペースやカラーマトリックス、ガンマなどを細かく調整できるようになります。
あくまで、編集も可能だという程度の認識でいいでしょう。
カスタムピクチャーのテスト映像
カスタムピクチャーの設定、CP1~4を変更して収録したテスト映像を紹介します。
当日天候が不安定で、陽が射したり陰ったりを繰り返したので、発色についてはあまり参考にならないかと思いますが、白飛びの傾向などはおおよそわかるかと思います。
また、CANON LOG3については、編集ソフト(DaVinci Resolve 17 Studio)でLUTを適用した結果も入れてあります。
DaVinci Resolveに収録されている CANON用LUTとしては
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Canon Log to Cineon
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Canon Log to REC709
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Canon Log to Video
の3つがありますが、今回は"to REC709"と"to Video"のふたつを使っています。
撮影時の設定は次のとおりです。
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ホワイトバランス : 太陽光
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露出制御モード : Tv(シャッター速度優先)
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シャッター速度 : 60
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露出補正 : -1/4
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NDフィルター : 1/64
長時間の収録/配信ならやはりビデオカメラ
以前のアップデート概要紹介でも述べましたが、XF400/405はどちらかといえばENG的な用途に向いた質実剛健の実用機という印象を受けていました。
しかしLOG収録が可能になったことで、自分なりのルックを追求したい映像クリエイター指向の方にもアピールできるようになったと思います。
すでに生産完了となって新品の入手が困難になってきていますが、これから減価償却期間が終わって中古市場に数が増えてくると考えると、手頃な価格で入手した機体をファームウェアアップデートでLOG対応にできるチャンスかもしれません。
逆に、LOG対応可能という付加価値が付いたことで中古市場に流れなくなるかもしれませんが・・・
いまどきクリエイター指向の方はDSLR/ミラーレス一眼での画作りのほうが魅力に感じるかもしれませんが、長時間撮影、2メディア同時記録などはムービーカメラのほうにアドバンテージがあります。
またLAN経由での出力など、ライブ配信用カメラとしての需要もあるかもしれません。