Windows10を自分好みにカスタマイズするにはWindowsの設定画面を使いますよね?
でも、それとは別に「コントロールパネル」でいろんな設定ができるのを知っていましたか?
なぜ設定場所が分かれているのか、そしてどんな使い方をするのか。
ふたつの違いを知っておきましょう。
なぜふたつの設定箇所があるのか
もともとWindowsのオプション設定はコントロールパネルで行っていました。
Windows95や98、XPといった昔からパソコンを使ってきた人にはこちらのほうがおなじみのはずです。
それに対し「Windowsの設定」画面はWindows10で登場したもので、タブレットモードでの使いやすさをめざして設計されています。
「Windowsの設定」と「コントロールパネル」では画面デザイン(ユーザーインターフェイス)が違ったり、項目を整理するグループ分けの方法が違ったりします。
このため、ある設定にたどりつくのにどこから入ったらいいのかわかりにくくなりました。
Windowsパソコンを長く使ってきた人に「Windows10はわからない、使いにくい」という方がけっこういるのは、このように設定のやり方が変わってしまったのも大きな要因のひとつだと思います。
いっぽう、Windows10で初めてパソコンを使う新しいユーザーにとっても、問題があります。
「Windowsの設定」画面から進んできたのに、急に画面デザインが古い、旧タイプのコントロールパネルが表示されることもあるからです。
起動方法の違い
まずは使い方を確認しておきましょう。
Windowsの設定を開くのはカンタンです。
スタートメニューを開くとすぐ目立つところにあり初心者にもわかりやすくなっています。
画面デザインは、アイコンが線画で描かれたようなシンプルなもので、いわゆるフラットデザインというタイプです。
これに対し、コントロールパネルはメニューの奥の、めだたないところに置かれています。
スタートメニュー内の[Windowsシステムツール]というグループの中なので、まずメニューのリストを頭文字がWのグループまでスクロールし、そこからサブメニューを開かないといけません。
また、近くには[Windowsアクセサリ]や[Windows管理ツール]など、似た名前の項目があるのでわかりにくくなっています。
コントロールパネルのアイコンデザインは、色を多く使った立体感のあるもので、ひと昔前はこれが一般的でした。
フラットデザインが普及し始めてからは、区別するためにリッチデザインと呼ばれます。
コントロールパネルの表示方法
コントロールパネル内のアイコンは8つのカテゴリに分けられています。
- システムとセキュリティ
- ネットワークとインターネット
- ハードウェアとサウンド
- プログラム
- ユーザーアカウント
- デスクトップのカスタマイズ
- 時計と地域
- コンピューターの簡単操作
これも昔からのパソコンユーザーにとっては悩みのひとつです。
目的のコントロールパネル項目に一発でたどり着けないからです。
たとえばWebで疑問を検索して「コントロールパネル○○で設定してください」という回答が見つかったとしても、それがどのカテゴリに属しているのかわからなくて探し回ったりすることがあります。
そんなときは、画面の右上にある[表示方法]を変更しましょう。
最初は[カテゴリ」が選択されていますが、この部分をクリックしてドロップダウンリストを開き[大きなアイコン]または[小さなアイコン]に切り替えます。
するとカテゴリの分類が解除されて、すべてのコントロールパネル項目が表示されます。
次の図は「大きなアイコン」で表示したところです。
カテゴリが解除されてアイコンの数が多くなる代わりに、目的のコントロールパネルを直接呼び出すことができます。
デザインが入り交じって混乱する
コントロールパネルの項目をいくつか見ていきましょう。
「インターネットオプション」のコントロールパネル項目を開いてみます。
これは典型的なクラシックスタイルのコントロールパネルです。
ダイアログボックスと呼ばれる小ぶりなウィンドウが現われて、チェックボックスやラジオボタンで設定を行い、[OK]ボタンをクリックして設定を確定します。
次は「タスクバーとナビゲーション」を開いてみましょう。
こんどは、フラットデザインタイプの画面が出てきました。
これは「Windowsの設定」画面から「個人用設定」>「タスクバー」と選択して呼び出したものと同じです。
もうひとつ「ネットワークと共有センター」も見てみましょう。
こんどは別ウィンドウが現われるのではなく、コントロールパネルのアイコンを表示していたウィンドウそのものが「ネットワークと共有センター」に切り替わりました。
よくみるとウィンドウの上のほうに、コントロールパネル画面からの階層が表示されていて、左端の[戻る]ボタンで、前の画面へ戻れるようになっているのがわかります。
ご覧のとおり、同じようにコントロールパネルのアイコンから呼び出したものでも、操作画面のデザインがばらばらです。
これが一部のユーザーがWindows10はわかりにくいという原因になっていると考えます。
ついでですからもうひとつ例を紹介します。
先ほど紹介した「タスクバーとナビゲーション」では、「Windowsの設定」から呼び出したのと同じ画面が表示されていました。
ところが、場合によってはまったく異なる画面にたどり着くことがあります。
次の画面はコントロールパネルから「キーボード」のプロパティを開いたところです。
ところが「Windowsの設定」からキーボードの設定を呼び出すには、まず「時刻と言語」を選んででから「言語」メニューを選択、さらに「スペルチェック、入力、およびキーボードの設定」へと進む必要があります。
順を追って見ていきましょう。
さらにキーボードの設定画面に入ってからは「その他のキーボード設定」グループから[キーボードの詳細設定]をクリックして呼び出したのが次の画面です。
ご覧のように、キーボードそのものの設定ではなく入力方式の選択になっています。
コントロールパネルの「キーボード」を開いたばあいとはまったく違いますね。
このようにWindows10の設定はかなり錯綜しています。
古くからのユーザーにとっては、目的の設定にどうやったらたどり着けるかわかりにくくなっているし、Windows10から入った新規ユーザーにとっては思いもよらないところにまったく未知の設定があって混乱するのではないでしょうか。
最初のほうでも少し触れましたがWindowsの設定ではタブレットモードでも使いやすいように設計されているため、Windowsの操作に関する、いってみれば表面的な部分の設定にフォーカスしているように思います。
対してコントロールパネルのほうは、それに加えてパソコンという機械の仕組みを直接いじるような設定もたくさんあります。
なにはともあれ、まずWindowsの設定のほかにコントロールパネルからも設定を行えるということ、そしてコントロールパネルでしかできない設定もあるのを覚えておいてください。