Markdown専用エディタTyporaには、Markdown記法に不慣れなユーザーでも手軽に使えるように独自のコマンドが用意されています。
Typoraが初めて、まだ詳しく知らないという方は、以前の記事からお読みください。
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Markdown専用エディタTyporaがかなりよい
WordPressの記事作成がスピードアップすると最近markdown記法が人気です。Markdownは基本的にどんなテキストエディタでも書くことができますが、Markdown対応エディタを使うとHT ...
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この記事の目次
Typoraのメニューコマンド構成
Typoraのメインメニューには次の項目があります。
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ファイル
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編集
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段落
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フォーマット
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表示
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テーマ
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ヘルプ
このうちMarkdown記法による文書構造の記述やリストの作成といった操作は[段落]メニュー、太字や強調といった装飾や画像の挿入などは[フォーマット]メニューになります。
またこのほかに[編集]メニューには、文や行を簡単に選択するコマンドや、選択範囲をMarkdownやHTMLでコピーするコマンドがあり、編集作業をよりスピーディに行うことができます。
その他のメニューはテーマの切り替えや設定の変更などTyporaのそのもの操作に関するものなので、ブログ記事の編集には直接関係ありません。
そこで今回は[編集] [段落] [フォーマット]の3つから便利なコマンドを選んで紹介します。
見出し
見出しの指定
見出し(H1~H6)はキーボードショートカットで設定できます。
【Ctrl】+【Shift】+数字キー(1~6)で直接、見出しレベルを指定します。
見出しレベルの変更
見出しのレベルを変更する場合もキーボードショートカットで直接実行できますが、そのほかにレベルを上げたり、下げたりできるコマンドがあります。
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見出しレベルを上げる 【Ctrl】+【=】
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見出しレベルを下げる 【Ctrl】+【-】
段落の指定(見出しの解除)
見出しに指定されている行を解除してふつうの段落に戻す場合は【Ctrl】+【Shift】+【0】(数字のゼロ)を押します。
ハイパーテキストリンク
[ハイパーリンク]コマンド 【Ctrl】+【K】
ハイパーリンクを挿入すると[]()
が挿入されます。[]内にアンカーテキスト、()内にURLを入力するとリンクが完成します。
[Typora公式サイト](https://typora.io/)
参照リンク
ハイパーリンクとは違い、テキストに添える形でリンクを記述します。
[Typora公式サイト] https://typora.io/
画像
[画像を挿入]コマンド 【Ctrl】+【Shift】+【I】
[画像を挿入]はWeb上の画像とローカルPC上のファイル、どちらも挿入できます。
コマンドを実行すると次の画面のようなコードが挿入されます。ブラケット内に代替テキスト、パーレン内に画像のURLを記入します。
[ローカルの画像を挿入]コマンド
[ローカルの画像を挿入]はローカルPC上のファイルを挿入します。コマンドを実行するとダイアログボックスが現れて、ファイルを選択すると次のようなコードが書き込まれます。
実際には画像が埋め込まれるので、コードが表示されるのはクリックで編集するときです。
装飾
装飾系のキーボードショートカット
強調、太字、下線などの装飾コマンドはキーボードショートカットが割り当てられています。
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太字 【Ctrl】+【B】
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強調 【Ctrl】+【I】
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下線 【Ctrl】+【U】
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コード 【Ctrl】+【Shift】+【`】
書式のクリア
Typoraならではのユニークなコマンドのひとつが[書式のクリア]です。
太字や強調などの装飾はテキストの前後を記号で挟んでいるため、書式の削除に手間がかかりますが、このコマンドを使えば一発で書式を削除してくれます。
なお、見出しやリストの指定解除には使えないようです。
リスト
HTMLにおけるol要素は順序付きリスト、ul要素は順序なしリストといいます。
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順序付きリスト 【Ctrl】+【Shift】+【[】
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順序なしリスト 【Ctrl】+【Shift】+【]]
リストの項目追加と終了
リストの作成を開始したあとは【Enter】キーを押すごとに次の項目を作成します。
項目の追加を終了するにはいちど【Enter】キーを押して次の項目を作ったあと、もういちど【Enter】キーを押します。
リストのインデント
リストの項目をインデント(字下げ)することで、ネスト(入れ子)にすることができます。
アイテム1
アイテム2
サブ1
サブ2
アイテム3
[リストのインデント]サブメニューから、インデントの階層レベルを変更できます。
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インデントを増やす 【Ctrl】+【]】
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インデントを減らす 【Ctrl】+【[】
タスクリスト
リストの一種で、チェックボックスを作ります。
- チェックリスト
- チェックリスト
チェックボックス上をクリックすると、チェックマークが付きます。
[段落]-[タスクの状態]メニューを開いてコマンドから、タスクの完了/未完了を切り替えることもできます。
コードブロック
プログラムのコード、HTML、CSSなどを記述するのに使います。
1行だけの短いコードは半角のバッククォート(`)で前後を括りますが、数行にわたるコードの場合はブロックを挿入してその中に記述します。
一行だけのコードの例
<a href="../index.html>ホーム</a>
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コードブロックの挿入 【Ctrl】+【Shift】+【K】
コードブロックの記述例
<div class=”headline"> <ul> <li>~</li> <li>~</li> <li>~</li> </ul> </div>
数式ブロック
数式を記述するために使います。
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数式ブロックの挿入 【Ctrl】+【Shift】+【M】
数式ブロックの記述例
表の作成
表作成機能では表の行数と列数を指定して表を作成します。
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表の挿入 【Ctrl】+【T】
作成した表の先頭行は、見出しとして自動的に太字になります。
表の例
列A | 列C | 列B |
---|---|---|
A1 | C1 | B1 |
A2 | C2 | B2 |
A3 | C3 | B3 |
いちど表を挿入したあとは、メニューコマンドから行の挿入や列の挿入などができます。特に行単位や列単位での移動(入れ替え)ができるのが特徴です。
また表の上をクリックすると右上に現れるアイコンからも、行の挿入/削除、列の挿入/削除が可能です。
さらに左上に現れるアイコンでは、表の行数列数そのものをパレットからまとめて変更できます。
コピー&ペースト
通常の切り取り、コピー、貼り付けとは別に独自のコピーと貼り付け機能があります。
Markdownとしてコピー 【Ctrl】+【Shift】+【C】
HTMLにパースされた状態ではなく、Markdownで書かれたコードの状態でクリップボードにコピーします。
テーマスタイルなしでコピー
Markdownの見出しやリストタグを消去した状態でコピーします。強調などの装飾についてはそのまま残るようです。
HTMLとしてコピー
HTMLにパースした状態のコードをコピーします。
テキストとして貼り付け
通常の[コピー]コマンドでコピーしたテキストからタグを取り除いて、テキストだけを貼り付けます。
選択系コマンド
文字列をドラッグ選択しなくていいように、行単位や単語単位での選択ができます。
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すべてを選択
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行・文を選択
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連続書式を選択
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単語を選択
[行・文を選択]ではそのときの挿入ポインタ(カーソル)位置を基準に文を選択します。実際に選択されるのは、前の句点の直後から次の句点を含む範囲です。
たとえば、リストの項目を複製したいとき【Ctrl】+【L】で[行・文を選択]を実行しておいてから次の行で【Ctrl】+【V】を押して貼り付けると簡単です。
[単語を選択]の場合は、挿入ポインタ(カーソル)位置を基準に、単語の区切りであるスペースや記号(句読点など)を基準として選択を実行します。
削除系コマンド
通常の削除コマンドに加えて、[選択範囲を削除]というサブメニューがあります。
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単語を削除 【Ctrl】+【Shift】+【D】
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連続書式内のテキストを削除
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行・文を削除
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ブロックを削除する
移動系コマンド
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冒頭にジャンプ 【Ctrl】+【Home】
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選択範囲にジャンプ 【Ctrl】+【J】
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末尾にジャンプ 【Ctrl】+【End】
目次
[TOC]
と入力すると、記事の見出し構造を目次として自動的に挿入してくれます。
[段落]メニューの[目次]コマンドでも実行できます。
この記事の目次サンプル
Typoraの便利なコマンド - まとめ
Typoraのメニューコマンドから、文書構造の設定や装飾などの記事作成に直結しそうなものを選んで紹介しました。
このほかにもアウトライン機能を使ったブロックの移動などができます。
正直言って移動系のコマンドや今回は省略した検索・置換系のコマンドについては。本格的なテキストエディタに比べるとやはり貧弱な感じは否めません。
しかし、Markdown
Markdown記法の細かいところまで覚えていなくても使えるし、Markdownをしっかりマスターしていればコマンドに頼らなくても使えます。どちらにも対応できる柔軟性がいちばんの魅力でしょう。