あまりに謎なんで、誰にでも発生するような普遍的なものかさえよくわからないんですが、同様の現象に遭うことがあったら参考にしてください。
楽器演奏が聞えない
問題が起きたライブ配信では、番組中にゲストが登場して楽器を演奏してもらうことになっていました。
トーク用に2本のマイクを立ててオーディオミキサーに入力し、そこからモノラルミックスした音をATEM Mini Proの”Mic 1”に入力します。
ビデオカメラの内蔵マイクは音がダブらないようにオフにしてあります。
トークのパートは順調に進んだんですが、いざ演奏に入ったところでなぜか音がでなくなりました。
ATEM MiniからPCへのUSB接続とは別に、HDMIで出力しているモニター画面の方ではレベルゲージが振れています。
ところが、OBS Studioのレベルゲージがほとんど反応しません。
慌てて、"Mic 1"の入力をミュートし、撮影カメラのほうの音声に切り替えたんですが、それでも音は入りません。
そして楽器演奏が終わり、トークパートに戻ったら何事もなかったかのように音声も復活しました。
拍手も聞えない
あまりの不可思議さに、後日自宅で検証した結果わかったのは次のとおり。
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ふつうのおしゃべりは問題なし
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拍手の音はカットされる
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歌のバックコーラスはカットされることがある
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エレキギターの音(アンプ出力)はすべてカット
というわけで、肉声によるおしゃべり以外はすべてカットしてしまうフィルター効果のようなものが働いているようです。
ATEM Software Controlも問題なし
そこでまず試したのは、ATEM Software Control上での確認です。
ちなみに、ドライバの不具合も想定して、ATEM Switcherは最新版(このときは9.2.1)をインストールしています。
レベルメーターで見ると、拍手もギターの音も問題なく反応しています。
しかしOBS Studioのレベルメーターはまったく動きません。
ときどき個人的にやっているライブ配信では、ギターの音もちゃんと入っているのでOBS Studioの問題とは考えられません。
というわけで、ATEM Mini Proから送られた音声信号がPCに入るところまでは正常で、そこからOBS Studioに入るまでの間でフィルター処理のようなものが行なわれているようです。
生演奏系配信には別のオーディオI/Fを用意する
実際、カメラ映像はATEM Mini Pro、楽器音声は別のオーディオインターフェイスという組み合わせでテストしてみるとまったく問題は起きませんでした。
というわけで原因箇所はほぼ特定できたものの、トラブルの解消法まではわかりません。そもそもATEM Mini用音声入力ドライバの仕様だったら、対処方法がありません。
しかし回避方法はあります。
音声入力用には別のオーディオインターフェイスを用意すればいいわけです。
機材が増えるのがちょっと煩わしくはありますが、生演奏系の番組配信には必須です。
もちろんトークのみの配信だったら、音声入力もATEM Mini Pro経由で構いません。
ところでこんな現象、一般的に発生しているのでしょうか?
もし同様の現象に遇われた方がいらしたらせひコメントください。
その後判明したこと
ライブ配信で使用したHP ENVYのほかに、もう一台のPC(タワー型・ふだん配信には使っていない)とオーディオインターフェイスの組み合わせを試してみました(2024年1月20日追記)。
- ENVYでは、ATEM Mini ProとZOOM ハンディレコーダー H8で現象が発生する
- ZOOM LiveTrak L-8とENVYの組み合わせでは問題なし ←追加
- ZOOM H8とタワー型PCの組み合わせでは現象が発生しない
- Yamaha AG03(ふだんタワー型PCで使用)をENVYに接続した場合、現象は発生しない
どちらのPCもOSはWindows11です。