というソフトを導入しました。
導入の経緯も含めて、UniConverterを使ったDVDメディアからの「ちょっと特殊な」リッピングについて紹介します。
この記事の目次
ウェディングDVDからの素材抽出
今回依頼されたのは、パーティで使用する動画の制作。
その素材として、昔の結婚披露宴を収録したDVDから映像を一部使いたいという要望でした。
受け取った素材を見たところ、式場が制作したメディアのようです。
（市販のセルDVDをリッピングするような非合法コピーではありません）。
リッピング用ツールを探す
音楽CDのリッピングはいままでなんどとなくやってきましたが、実はDVDのリッピングはやったことがありません。
そこでWeb検索でいくつかツールを調べた結果、以前YouTube動画のダウンロードを試した、WonderShareのUniConverterをセレクトしました。
名前のとおりマルチメディアファイルの変換用ツールですが、ほかにもいろいろな機能があります。
公式サイトから特徴をピックアップします。
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1000種類以上の動画／音声形式に対応
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複数ファイルの一括変換
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SNS投稿用に合わせたサイズ変換
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4K動画や3D動画（赤青／左右）対応
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動画の圧縮
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動画編集／ファイルの結合
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メディアプレーヤー機能
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CD/DVD作成
こうしてみるとDVDメディアからのリッピングには触れられていませんが、実際にはフォーマット変換の一種としてサポートしています。
他のツールとのスペック比較では？
他のソフトも有名どころをWebサイトでチェックして比較してみました。
WinX DVD Ripper Platinum
名前のとおりDVDメディアからのリッピングツールです。
コピーガードやリージョンロックがかかったDVDや、傷がついたディスクからのコピーにも対応というのが謳い文句。
変換形式も主要な動画フォーマットに対応しています。
スマートフォンやタブレット用に変換することもできるので、モバイルデバイスで持ち歩いて視聴したい方にはお薦めです。
VideoByte BD-DVDリッピング
DVD以外に、Blu-Rayメディアからのリッピングにも対応したツールです。
Blu-Ray対応のツールは案外少ないのですが、そんな中、まとめサイトではだいたい真っ先に紹介される定番ツールのようです。
多数のコピーガード機能に対応。
こちらもモバイルデバイス向けのフォーマット変換が可能。端末ごとに最適なプロファイルが用意されているので、簡単に変換できます。
またYouTubeやFacebookなどの動画共有サイト向けの変換にも対応しています。
さらにチャプターや字幕などのメタ情報の抽出、編集、動画のカットや結合などの編集、DVDサイズからフルHDや4Kサイズに高画質で拡大できるアップコンバート機能なども特徴となっています。
Blu-RayとDVDそれぞれにツールを用意する必要がないので、これから購入したい方は第1候補として検討してみるといいでしょう。
UniConverterにした理由は？
3つの中からUniConverterにした理由は、おもにふたつ。
ひとつは消極的な理由、もうひとつは積極的な理由です。
消極的理由：Blu-Rayリッピングは利用頻度が低そう
リッピングという点ではVideoByte BD-DVD Ripperに魅力を感じました。
コピーガード解除は強力そうだし、モバイル機器向けの変換や動画編集もできます。
ただしこれらは個人的にはほとんど必要ない機能です。
Blu-Rayメディア自体思ったほど普及していないようだし、これまで個人的に受けた仕事もDVD制作ばかりで、Blu-Rayでの納品を求められたことはありません。
積極的理由：ダウンロード変換は今後も需要がありそう
他のふたつにないUniConverterの特徴として、SNSや動画投稿サイトからのダウンロードに対応している点が挙げられます。
これも個人的にはあまり必要ありませんが、今後業務で動画編集を依頼されるばあい、SNSに投稿したものを利用してほしいという要望はありそうだなと判断しました。
UniConverterで注意したいところ
UniConverterは、リッピングツールとしては異色です。
まず操作方法自体が独特で、ディスクメディアをセットしてすぐコピー開始というわけにいきません。
あくまで主目的はコンバートなので、インターフェイス設計が違うのです。
またWebサイトを見ても、コピーガード解除機能について特に触れられていません。
つまりセルDVDやレンタルDVDのコピーを主目的にしている方にはあまりお薦めできません。
UniConverterでのDVDリッピング
UniConverterでDVDメディアから動画を抽出する方法を紹介します。
なお、今回は動画自体に音声が含まれている基本的なファイルについて紹介します。
DVDメニュー画面の背景に流れるBGMなどについては省かせていただきます。
DVDメディアでファイルを選択
まずメディアをドライブにセットしてエクスプローラーでドライブを選択します。
メディアプレーヤーが自動的に起動する場合は閉じて構いません。
ドライブのなかにある"VIDEO_TS"というフォルダに複数のファイルがあります。
その中で拡張子がVOBのファイルが動画データです。
エクスプローラーでDVDメディア内のVOBファイルを選択。
今回のメディアでは、約2時間の動画ファイル1本が"VTS_01_1.VOB”～"VTS_01_5.VOB"の5本に分割されていました。
UniConverterにファイルを登録する
UniConverterを起動したら左ペインのメニューからいちばん上にある［変換］を選択します。
右ペインの中央にある「ここに動画音声ファイルを追加またはドラッグして変換を開始します」と書かれているエリアに、先ほど確認したVOBファイルをエクスプローラーからドラッグ&ドロップします。
エクスプローラからウィンドウ上にドラッグ＆ドロップ。
ファイルをドロップすると、プログレスバーが現れて進行状況を表示します。
「修復中」と表示されますが、気にする必要はありません。
ファイルの長さにもよりますが、処理にはかなり時間がかかるので、のんびり待ちましょう。
ファイルの処理が終了するまで待つ。
コンバートを実行する
動画ファイルの処理が終わると、各ファイルの情報が表示されます。
デフォルトの変換設定が適用されるので、特に指定がなければそのまま［変換］を実行して構いません。
特に指定がなければそのまま変換して構わない。
各動画ファイルに［変換］ボタンがあるので必要なものだけ個別に実行することもできるし、複数をまとめて一括変換も可能。
また画面下にある［すべての動画を結合］オプションをオンにしておけば、1本の動画にまとめてくれます。
サムネイルの右横にある情報は矢印の左が素材データで、右側は初期設定に基づいた処理結果となります。
初期設定では動画フォーマットはMP4ですが、オプション画面を開くとさまざまなフォーマットが選べます。
スクリーンサイズも480P、720P、1080P、4Kなどがプリセット登録されているので簡単に変更可能。
動画の変換フォーマット選択画面。
また「デバイス」タブでは主要メーカーのスマートフォン／タブレットに合わせた画像サイズの指定ができます。
モバイル機器に対応した画面サイズを選べる。
同様に「Webビデオ」タブではYouTubeをはじめとして、Facebook、Vimeo、Instagramなどのサービスに応じたサイズを選択できます。
動画共有サイト向けのサイズも選択可能。
このほか、ビデオ／オーディオのエンコーダーやサンプルレート、ビットレートなどを細かく指定することも可能です。
ビットレートやエンコーダーを細かく指定することもできる。
加工素材データのリッピングにはお薦め
以上、UniConverterをつかったDVDメディアからのリッピングに絞って紹介してきました。
DVDメディアのコピー／バックアップ用としては操作が特殊だし、コピーガードの解除についてまったく不明なのでそう言ったようにお薦めできるかまではいまのところわかりません。
一方、動画編集用素材を抜き出すためのツールとしてはかなり使えそうです。解像度だけでなく、エンコーダーやフレームレート、ビットレートも細かく指定できるのは素材可能の手間が省けます。
また、抽出したデータからあらたなDVDを作成することもできるので、素材データライブラリの中からピックアップして新たな配布用メディアを作るといった使い方にも便利でしょう。
抽出した動画から新たなDVDメディアを作成することも可能。