US-4×4HR)から入力した音を直接OBS Studioからライブ配信するばあい、ステレオ音源についてはUS-HRシリーズの設定アプリを使って簡単にステレオ化できます。
問題は、ボーカルマイクなどのモノラル音源で、IN1に入れた音は左チャンネル、IN2に入れた音は右チャンネルに自動で振り分けられてしまいます。
これでは歌やトークがセンターにならないので困りものですが、Syncroomを通すことでごまかせます。
この記事のポイント
- OBS Studioへのマルチチャンネル入力では、マイク音声が片チャンネルだけになる
- OBS上でモノラル化すると、他のステレオ音源もモノラル化される
- ステレオ+拡張入力設定したSyncroomを通すと、マイクだけをモノラル化できる
- Syncroomは起動しておくだけ、ルームを作る必要はない
OBSでのモノラル化には問題が
次のスクリーンショットは、US-4X4HRのIN1をモノラル、IN3とIN4をステレオに設定した状態で、IN1につないだマイクを使って喋っているところです。
ご覧の通り、マイク音声は左チャンネルのみに入っています。
OBS Studioには入力した音声をモノラル化するオプションがあるので、これを使えばこの問題はいちおう回避できます。
音声ミキサー部分を右クリックし、[オーディオの詳細プロパティ]を選択。
詳細プロパティ画面のリストでオーディオインターフェイスを選択し「モノラル」をチェックすればOK。
これで左右チャンネルに同じ音が入ります。
ただし、US-4X4HRのように4チャンネル入力可能なオーディオインターフェイスであってもすべてモノラルにまとめてしまうので、ステレオ音源の入力はできなくなってしまいます。
Syncroomを通せばマイクだけモノラルが可能
この問題を手軽に解消する方法として、ヤマハのSyncroom用アプリを通すというやり方があります。
Syncroomは本来、オンラインで集まったプレーヤーがセッションするためのツールですが、そのためにステレオ入力と拡張入力の設定が可能です。
オーディオインターフェイスから入力する3つの信号に対応し、そのうちふたつをステレオに設定。さらに残るひとつは拡張入力として割り当てます。
拡張入力はモノラルに設定されますが、自動的に同じものが左右のトラックへ送られるデュアルモノ状態になるので、ボーカルが偏ってしまうことがなくちゃんとセンターに定位するというわけです。
詳しい設定は、Syncroom関連の紹介記事でご覧ください。
OBS Studioでの設定
OBS StudioでSyncroomの信号を扱うには、設定画面の「音声」で「グローバル音声デバイス」を変更します。
ふつうは「マイク音声」としてオーディオインターフェイスのドライバーを選択してあるはずですが、これをSyncroomのドライバに切り替えます(もちろん前もってSyncroomをインストールしておく必要があります)。
"マイク音声"のところのドロップダウンリストを開くとライン(Yamaha SYNCROOM Driver(WDM))というのがあるので、これを選択します。
これで、音声信号はまずSyncroomに入り、そこを通ってOBS Studioに入ります。
Syncroomに入った段階で拡張入力の信号はデュアルモノラル状態になるので、OBS Studioでもそのままデュアルモノラルというわけです。
一方、Syncroom上でステレオに設定した音もそのままOBS Studioに引き継がれます。
今回の例ではオーディオインターフェイスに入力した時点でギターの音がステレオなのでそこからずっとステレオ信号というわけです。
Syncroomは起動しておくだけでいい
ポイントとしては、Syncroomは起動しておくだけで構いません。
これでふつうのライブ配信でも、楽器はステレオのまま、ボーカルはどちらかに偏ることなくセンターに定位という設定ができます。