そんななかで、前に録音したファイルを聴くという単純な作業につまづいたので、実際の操作方法について解説します。
この記事の目次
プロジェクト単位でのファイル管理
先日からZOOM のLiveTrak L-8を触っているのに続いて、こんどはハンディレコーダー型のH8も扱うことにしました。
H8は、フィールド、ミュージック、ポッドキャストという3つのアプリを用途に応じて使い分けますが、今回は音楽制作用の**ミュージック**の操作性について紹介します。
L-8、H8はともにマルチトラックレコーダーで、ファイルをプロジェクト単位で管理するところは共通しています。
プロジェクトというのはフォルダーのようなもので、実際に録音データをパソコンで見るとフォルダーとして扱われています。
マルチトラックレコーダーでは、複数の音源を同時に録音して別々のファイルに保存したり、あとから追加で録音したりします。
そこで、関連するファイルをひとつのプロジェクトにまとめて管理するわけです。
先ほどのスクリーンショットでいうと、2つのトラックの録音を5テイク収録したので、2×5=10個のファイルがひとつのプロジェクト(フォルダー)の中に記録されています。
L-8とH8で異なるファイル操作
先に触ったLiveTrak L-8ではコンソールの[早送り][巻き戻し]ボタンをプッシュすることで、曲の頭出し/末尾への移動を行います。
さらに、曲の先頭で[巻き戻し]を押せばひとつ前のファイルに移動、曲の末尾で[早送り]を押せば次のファイルへ移動となります。
つまり最後(直前)に録音した曲とそれ以前に録音した曲の聞き比べが簡単にできます。
ところが、H8にはこのようなボタンがなく、前に録ったテイクを聴くことができません。
タッチスクリーンの操作を試してもなにもないし、取り扱い説明書にも記述がありません。
これには困ってしまいました。
トラックへのファイル割り当てを利用する
その後、ZOOMの別のマルチトラックレコーダーを解説した動画を見ていて気がついたのは、トラックに対してファイルの割り当てができるということでした。
この機能は、たとえばトラック1にすでに録音したデータがあるとき、その割り当てを解除することで新たに別の録音をできるようになるというものです。
たとえば、リズムギターを録ったあとにそれを解除して、空いたトラックにこんどはリードギターを録るといった使い方をします。
これを利用することで、H8でも以前の録音を再生できるようになりました。
トラック単位の切り替えはめんどう
ただしこのやり方には不便なところがあります。
たとえば6トラック同時録音して、それを前のテイクと聴き比べるとします。
するとファイルの割り当てを6トラック分やらなければなりません。
さらに別テイクも聴くとなると、また6トラック分となります。
しかも、このメニュー階層が深くてなんどもスクリーンをタップする必要があります。
ボタンをプッシュするだけで、テイクごと切り替えてくれるLiveTrak L-8に比べるとこれはめんどうです。
残念なことにH8はタッチスクリーンの操作性がいまひとつなのも、煩わしさに輪を掛けてくれます。
実際の操作については、動画で紹介しているのでご確認ください。
ユーザーインターフェイスの改善求む
そもそも、トラック単位で割り当て本来の用途は、先に紹介したようなトラックの開放(空きトラックの確保)のほかには、別トラックの差し替えでしょう。
全体的には最後のテイクがよかったけどリードギターだけはテイク3がよかった、みたいなときリードギターのトラックだけ割り当てをやり直せばいいので簡単です。
とはいえ、L-8だったらOKテイクの選択自体が簡単なのに対し、H8のばあい、最新テイク以外への切り替えがめんどうなことには変わりありません。
できたら、ファームウェアのアップデートでテイク単位の切り替えもできるようにユーザーインターフェイスの改善をお願いしたいところです。
なにより取扱説明書にも特に記述がないのは本当に困ります。MTRユーザーなら知っていて当然という判断なのかもしれませんが、もう少し配慮してほしいものです。