ギターの教則本を買おうと思ったんですが、書籍で買うとけっこう高いし、Kindleで読める教則本も多いのでサンプルをダウンロードしていろいろ試してみました。
教則本に限らず、ふつうの書籍にも通じるところがあると思うのでご紹介します。
ギター教則本を買いたいんだけど・・・
ギターの教則本って楽曲の版権もあるのか、どれもそれなりの値段で、まとめて買うとかなりの出費になります。
そこでパソコンだったらどうだろうと思い、アプリケーション版(Kindle for PC)とブラウザ版(Kindle Cloud Reader)を比べてみることにしました。
Kindle Cloud Reader
まず試したのはKindle Cloud Reader。
WebブラウザからサイトにアクセスしてAmazonアカウントでログインすればすぐに使えます。
ページを開くと、さすがに広々しているしモノクロ画面のPaperWhiteモデルに比べるとカラー印刷のものはさすがに読みやすいですね。
「現場のプロがやさしく書いたWebサイトの分析・改善の教科書 第2版」小川卓著(マイナビ出版)より
でも困ったことに、CloudReaderでは読めない書籍もあります。
ブラウザのコンテンツエリア上端にマウスポインタを持っていくとメニューが現われます。
操作はシンプルで、ライブラリ画面(書籍を選ぶ画面)に戻るボタンと、あとはページ移動用のメニューぐらいです。
肝心のギター教則本を見てみました。
「39歳からの本格的アコースティックギター」著者:打田十紀夫(リットーミュージック)
普通の書籍も同じですがCloud Readerだと、表示は見開き2ページ固定で選べないようです。
楽譜を読むにはちょっとつらいですね。
ブラウザの拡大機能を使ってみましたが、単純に拡大はできるものの表示位置の移動ができません。
つまり、横スクロールしてページをブラウザ中央に持ってくることができません。
「39歳からの本格的アコースティックギター」著者:打田十紀夫(リットーミュージック)
ちょっと実用にはならないようです。
Kindle for PC
続いてWindows PC用のKindleです。
こちらは専用アプリだけあって、ライブラリ画面には絞り込み用のメニューがあり、メニューも常時表示されていてCloud Readerより使いやすそうです。
またライブラリをリスト表示にすることもできます。このリストでは、購入したりサンプルをダウンロードした日時がわかります。
Cloud Readerのときと同じ教則本を読み込んでみました。
「39歳からの本格的アコースティックギター」著者:打田十紀夫(リットーミュージック)
初期状態ではやはり見開き表示ですが、こちらは単独ページ表示にすることもできます。
さらに倍率を変更することで、ずっと見やすくなります。
「39歳からの本格的アコースティックギター」著者:打田十紀夫(リットーミュージック)
こちらのほうが遙かに良さそうです。
アプリ版のほうが使いやすい
Kindle Cloud ReaderとKindle for PCを比べてみましたが、これは圧倒的にPC版の勝ちで、正直いってCloud Readerの価値がわかりません。
Cloud Readerは見開き表示固定なので視力の衰えてきた方(私も含めて)には、けっこうつらいと思います。
よほど大画面のディスプレイに表示しないと細かい部分が読めないのではないでしょうか。
その点、Kindle for PCは1ページ表示と見開き表示の切り替えができて、倍率変更も簡単です。
またCloud Readerで拡大表示したばあい、表示している位置の調整ができないので、読めないところが出てきます。
Kindle for PCはこの点も問題ありません。
さらに決定的なのは、Kindle for PCでは読めるけどCloud Readerでは読めないものがかなりあるということ。
実際、今回試しにダウンロードしたサンプルの中にも読めないものがありました。
このような問題点は、ギター教則本に限らず一般の書籍でも同じだと思われます。
ほんのちょっとした試し読みならともかく、本格的に読むならアプリケーション版を使うことをお薦めします。
教則本ならではの問題
ところでギター教則本に関してはアプリ版、ブラウザ版に関係なく電子書籍ならではの問題があります。
昔はギター教則本といえば純粋に書籍だけでしたが、近年は演奏例を治めたCDやDVDが付属しているものもあります。
このような付録は電子書籍では対応できません。
しかし、このへんはすでに対応が進んでいるようです。
今回試したサンプルについては、いずれも音源のメディアが付属するのではなく、出版社のサイトからダウンロードするようになっていました。
なかには書籍内の表記ではCDのままなのに、実際にはすでにWebから入手できるものもありました。
さすがに電子書籍化用タイトルに選ばれているだけあって、きちんと対応してくれているのは嬉しい限りです。
Kindle Unlimitedの魅力はユーザーしだい?
Kindle本を安く楽しめる方法としてKindle Unlimitedがあります。
月額990円を支払えば、Unlimitedの対象本はすべて無料というサービスです。
教則本はどれもそれなりの価格なので、Unlimitedが使えるのは本来かなり魅力です。
しかし、今回に限ってはいまひとつと感じました。
というのも、今回探している教則本の多くはリファレンス的なもので、必要に応じて繰り返し参照・練習するような使い方を想定しています。
ところがKindle Unlimitedは、実際には貸本のようなもので、いちどに利用できるのは10冊が上限です。
次の本を借りようと思ったら、すでに借りているものからどれかを返却しないといけません。
いちど返却したらまたダウンロードする必要があるので、リファレンスとして繰り返し参照するような本には不向きだと考えています。
これが普通の楽譜だったら、練習してマスターしたら返却でもかまわないんですが・・・(次の曲を練習したくなったらまた借りてくればいいし)。
そんなわけで今回探している教則本に関しては、多少お金がかかってもUnlimitedを使わずに購入した方がいいかなと考えています。