BeCyIconGrabberの使い方を紹介します。
ちょっとクセがありますが、検索機能やお気に入りのファイルを登録しておけるので、頻繁にアイコンを抽出する人には使いやすいでしょう。
この記事の目次
BeCyIconGrabber
ByCyIconGrabberは、Benjamin Bentmann氏が制作・公開しているWindows用のフリーソフトです。
ファイルを選択するとその中にあるアイコンを一覧表示してくれて、そこから選んだものを簡単に保存できます。
インストーラーがなく実行フィアルをそのまま起動するだけですから、USBメモリなどで持ち運んで起動することもできます。
BeCyIconGrabberの入手と起動
ByCyIconGrabberはいろいろなところで配布されていますが、今回はソフトウェア配布サイトからダウンロードしました。このサイトは日本語化されているので、パソコン初心者や英語が苦手な人でも比較的利用しやすいでしょう。
step
1配布サイトへアクセス
uptodown.comで、へアクセスします。
ソフトウェアタイトルの下にある[最新バージョン]ボタンをクリックしましょう。
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2アーカイブファイルをダウンロード
ダウンロードページに切り替わるので[ダウンロード]ボタンをクリックします。
しばらく経つとファイル保存のダイアログボックスが現われるので、適当なフォルダーを選んで保存を実行してください。
ファイルはZIP形式書庫です。
step
3書庫ファイルを展開
ダウンロードした書庫ファイルbecyicongrabber-x.xx.zipを展開します。
"x-xx”の部分はバージョン番号です。
実行用のフォルダーを作成してそこへ展開するといいでしょう。
step
4BeCyIconGrabberを起動する
展開した実行ファイルを起動します。
ファイルからアイコンを抽出する
ウィンドウレイアウト
ByCyIconGrabberのウィンドウは左右2分割レイアウトです。
左側にファイルやフォルダーのリストがあり、そちらで選択したファイルの中にあるアイコンを右のペインに表示するようになっています。
フォルダ移動のインターフェイスに注意
このソフトで特徴的なのが上位フォルダへの移動です。
下位のフォルダへ移動するときは、リスト内のフォルダをダブルクリックするだけでいいんですが、上位のフォルダへ戻るためのコマンド・ボタンがありません。
実はこれは古いスタイルのユーザーインターフェイスならではの特徴です。
リストの先頭にある、名前のないフォルダのアイコンをダブルクリックすることで上位フォルダへ戻れます。
この名前のないフォルダにはドットが2個ついていて、これが親フォルダを意味しています。
つまり、どのサブフォルダを表示しても、リストの先頭にはこの[..]フォルダがあります。
サブフォルダの中にファイルをひとつも保存していなくても、必ずこの[..]フォルダだけは存在しています。
古いタイプのソフトにはこういうインターフェイスが残っていることが多いので覚えておくといいでしょう。
ファイル形式の絞り込み
ファイルリストの下には、フィルター指定用のドロップダウンリストがあります。
All Files(すべてのファイルを表示)では表示されるファイル数が多すぎて使いづらいばあいは、フィルターを指定して表示するファイル数を絞り込みましょう。
ファイルからアイコンを取り出すのならExecutable Filesを選んでおくのがお奨めです。
システムアイコンを取り出すばあい
Windowsが使用する基本的なアイコンは、System32フォルダ内のimageres.dllやshell32.dllに保存されていると紹介されるのがふつうでした。
ところが、BeCyIconGrabberでこれらのファイルを選んでも、アイコンが表示されません(すくなくとも私のPCでは)。
そこで少し調べてみたところ、Windows10のバージョン1903からはアイコンの保存場所が変わっているらしいという情報がみつかりました。
Windows10 Version 1903 で imageres.dllにアイコンが存在しない iPentec.comさん
それによると、Windows\SystemResourcesフォルダ内のxxx.dll.mumというファイルにアイコンが保存されているとのことです。
たしかに、SystemResourcesフォルダ内のファイルを調べるとアイコンが見つかりました。
ただし、FukuzumiのPCでは、これまで紹介してきたIcon ExplorerやIcon Viewerを使えばimageres.dllやshell32.dllにもアイコンが表示されます。
これについてはもしかしたらバージョンアップの影響などもあるかもしれません。
今後も情報収集を続けるつもりです。
保存するアイコンを選択
欲しいアイコンを含むファイルが見つかったら、右側のタブで目的のサイズがあるか確認しましょう。
このタブは保存するアイコンサイズには直接関係はありませんが、アイコンによってはサイズが限られていることがあるので念のためチェックしておいてください。
アイコンを選択したらサムネイルビューの下にある[Save...]をクリックします。
ファイル形式とサイズの指定
「名前を付けて保存」ダイアログボックスでは、保存先のフォルダとファイル名のほかに、保存形式とFormatを指定します。
抽出したアイコンをそのままアイコン画像として利用したいときはファイルの種類でIcon Files(*.ico)を選択してください。
Web用として使うならPortable Network Graphic Files (*.png)にします。
Formatはアイコン画像のサイズと色数の組み合わせです。
最初はすべての組み合わせが選択されているので、背景が青くなっています。
必要なものだけをクリックして選択してください。
[保存]をクリックすれば、抽出したアイコンが画像として保存されます。
対象ファイルを検索する
アイコンを含むファイルが明確でないときは「Search」タブを使って検索できます。
[New Search...]ボタンをクリックします。
検索ダイアログボックスが現われるので[Browse...]をクリック。
さらに「フォルダーの参照」ダイアログボックスで、検索したいフォルダを指定します。
指定したフォルダー内のサブフォルダーも検索したいときはRecursively Search Sub Directoriesにチェックしておきましょう。
[OK]をクリックして検索を実行すると、メインウィンドウに結果が現われます。
ファイル名の末尾に付いている数字は、そのファイルに含まれるアイコンの数です。
あとは同じ要領でアイコン画像を保存しましょう。
お気に入りファイルは登録しておく
ByCyIconGrabberでは、よく使うファイルを”Favorites"タブに登録しておくことですぐにアイコンの抽出ができます。
初期状態では「(Shell)」というフォルダが登録されています。
現状では詳しいことがわかりませんが、Windows本体ではないアプリケーションのアイコンもみつかるので、まずはここで探してみるのもいいかもしれません。
お気に入りはファイル単位で登録します。
”Directory"タブで目的のファイルを見つけたら、いちばん下にある[Favorites>>]をクリックしましょう。
"Favorites"タブに切り替えると先ほど選択したファイルが追加されているので、毎回探さなくても、ここからすぐにアイコンを保存できます。
なお、”Favorites”への登録ができるのは”Directory"タブからだけです。検索結果からは登録できません。
古くからのPCユーザー以外には・・・
BeCyIconGrabberはユーザーインターフェイスがオールドスタイルなのでタッチインターフェイスどころかちょっと前のデスクトップアプリに慣れた人にとっても使いにくそうなところが弱点です。
フォルダーツリーがない単なるリストなので、上位フォルダーへの移動やほかのフォルダーへの移動がめんどうなのは、ストレスを感じる人が多いのではないでしょうか。
加えて、imageres.dll、shell32.dllの内容を表示できないという問題もあり、ふつうのユーザーが使うにはやはりIconExplorerがお奨めかな、という気はします。
しいて言えばお気に入り(Favorites)を使ってファイルをすばやく選択できるのがメリットでしょうか。
特徴をしっかり理解して、使い分けてください。