MIDI CAPTAINがいつの間にか進化して、スーパーマシンに変貌していました。
一部事実誤認があったので補足しました。
この記事の目次
MIDI CAPTAINはもともとMelo AudioのMIDI Commanderという製品から発展してきたもです。
以前は使用できるMIDIチャンネルに制限があるなど、ちょっと残念な仕様だったのですが、MIDI CAPTAINに生まれ変わって以来、着実にアップデートを重ねてきたようです。
楽器のコントロールはもちろんですが、新たに追加されたスーパーモードはHIDに対応しているためパソコンの拡張キーボードのように使えるようになりました。
ライブ配信での画面切り替え、動画編集ソフトのタイムライン操作、YouTube動画の再生/停止などを足下で操作可能です。
もちろん、PCやモバイルデバイス上の音楽アプリも操作できます。
スーパーモードで最強カスタマイズを実現
MIDI CAPTAINには3つのモードがあります。
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Normal Mode
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Geek Mode
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Super Mode
Normalモードは簡単にいうと、あらかじめ設定がプリセットされたモードで、市販のマルチエフェクターやPositive GridのBIASアプリなどをすぐに使えるようになっています。
GeekモードはMIDIコマンドをカスタマイズできるモードで、PC/CC/NOTEなどのパラメータを自由に割り当てられるようになりました。またMelo Audio時代は固定されていたチャンネルについても、MIDI CAPTAINでは割り当て可能になって、他のMIDI機器との連携がやりやすくなりました。
ただし、スイッチの操作についてはオン/オフだけという制限があったようです。
Superモードはここを大幅に改善してきました。
まず、ふつうの短押しに加えて、スイッチを放したときや長押しのダウン/アップにも対応。長押しのタイミングも指定できます。
また、何回押したかをカウントしてそれに応じたコマンドを送るといったことも可能です(最大9回までカウント)。
Superモードについては、あらためて別の記事でまとめたいと思います。
とりあえずデモ動画だけ紹介しておきます。
HID対応で拡張キーボード化
Superモードで特筆しておきたいのが、HIDのサポートです。
つまりMIDI CAPTAINからパソコンのキー入力と同じように文字を送信できます。
これを使えば、両手がふさがっている状態でもキーボードショートカットを足で操作できます。
もちろん動画編集時のコマ送りや編集位置のジャンプ、再生/停止なんかも可能。
個人的には、ライブ配信時のカメラスイッチングを足で操作したかったのでこれは助かります。
スイッチ操作を時系列に記録することで自動切り替えを可能にしています。
めだたないが重要な機能
MIDI CAPTAINにはそのほかにも特徴があります。
時間のある方は次の動画でチェックしてください。
ココに注意
下記動画の冒頭で紹介されているモード切り替えは絶対に操作しないでください。これは旧ファームウェアでの操作方法です。おそらくこれが原因で起動できなくなりました。ファームウェアの書き換えで現在は復旧しています。
3電源対応
まず電源ですが、DC9V、USB給電、AAバッテリー(単三電池)をサポートし、しかも同時供給が可能です。
特に単三電池だけでの動作も可能なのでかさばるACアダプターを持ち運ばなくていいのは助かります。
"rechargeble"とも書かれているので、ニッケル水素充電池でも利用できそうです。
最近はバッテリー内蔵のMIDIコントローラーもたくさんありますが、逆にバッテリーが劣化したらゴミになってしまうことを考えると、個人的にはこの仕様は大歓迎です。
Bluetooth MIDI対応(一部機種)
先ほどの動画を見るまでまったく知らなかったんですが、じつはBluetooth MIDIにも対応しています。※補足後述
この点についてこの項の終わりで補足します。
アンテナがついてたりロゴがあるわけでもないので外見からはわかりません。
動画の35~45秒あたりを観ると、最初はMIDIケーブルでマルチエフェクターと接続していますが、次にはワイヤレスアダプターをマルチエフェクターに装着するだけで接続しています。
つまりMIDI CAPTAIN自体はBluetooth対応しているわけです。※補足後述
受信側にワイヤレスアダプターを装着するだけでいいので、出費を抑えられます。
国内代理店(キクタニ)の取扱いがあることから、技適対応しているものと思われます。
6スイッチや4スイッチの姉妹製品はまだ国内取扱いがありませんが、これらも早く導入してほしいものです。
Bluetooth接続の設定については動画の11分過ぎあたりで紹介されています。
ココに注意
下記動画の冒頭で紹介されているモード切り替えは絶対に操作しないでください。これは旧ファームウェアでの操作方法です。おそらくこれが原因で起動できなくなりました。ファームウェアの書き換えで現在は復旧しています。
Bluetoothについて
実機を購入して確認したところ、Bluetoothを内蔵しているモデルとそうでないものがあるようです。
設定ファイルのスクリーンショットを掲載します。
どうやらカラーバリエーションのブルーとゴールドモデルはワイヤレス対応ですが、ブラックモデルは対応していないようです。
国内代理店(キクタニミュージック)でカラーバリエーションモデルを取り扱っていないのは、ワイヤレス通信の技適認証が関係しているのではないかと思われます。
スーパーモードはカスタマイズの敷居が高い
このように、非常にパワフルで魅力的なMIDI CAPTAINですが、残念なことにSuperモードはユーザーを選ぶのが大きな弱点です。
Geekモードだと本体上のホイールと液晶ディスプレイで設定できるんですが、SuperモードになるとPCに接続した状態で設定のテキストファイルを直接書き換える必要があります。
専用アプリが用意されていればまだよかったんですが、設定ファイルをテキストエディタで読み込んでパラメータの文字を書き換えることになるので、PCでの作業に慣れていないひとにとっては相当ストレスでしょう。
とはいっても、操作そのものは簡単です。HTMLのソースコードを書いたり、PHPで書かれたオープンソースのWebアプリをカスタマイズしたことがあればだいじょうぶでしょう。
実は隠れた本格派だった
ご覧のように、Superモードの追加、単三電池駆動、Bluetooth対応と実はかなり魅力的なスペックであることが判明しました。パソコンで使えるMIDIコントローラーを探している方にとっては充分検討の対象になると思います。
その一方で欠けている点もあります。
まず、MIDIホストモードには対応していないようです。ここはXSONICのAir Stepにアドバンテージがあります。(もっとも、ひょっとしたらすでに実装済みで、アピールしていないだけという可能性もありますが)。
それと私も使っているPositive GridのギターアンプSparkシリーズにはたぶん対応できません。これはSparkアプリ側でMIDI設定できるようになっていないのが理由ですが、Air Stepだと専用アプリにプロファイルが登録されているので、使用可能です。
Sparkアプリの仕様を解析できれば操作可能になるかもしれません。
Amazonでは販売店に注意(追記)
Amazonで購入する場合は、販売業者に注意してください。
私はこの記事公開後に実機を購入しましたが、Gimi Musicという業者が販売しているものは国内正規代理店(キクタニ・ミュージック)扱いではありませんでした。
キクタニさんでの保証やユーザーサポートは受けられないので、その点は理解しておきましょう。