Catalystをたまたまお得な価格で購入できました。
カスタマイズ用PC用アプリのCatalyst Editについて情報が少ないので、全アンプモデル(取り扱い説明書では「アンプ・ボイシング」と表記)の初期設定を中心に紹介します。
この記事の目次
Catalyst本体のコントロール
まず、アンプ本体のコントロールを紹介します。
パネル左側にある”SELECTOR”でアンプ・ボイシングを選択します。
ノブを廻すと選択したモデルのところが白色ライトで光ります。
アンプモデル
アンプのモデルタイプ(アンプ・ボイシング)は次の6種類で、ノブで直接切り替えられます。
-
CLEAN
-
BOUTIQUE
-
CHIME
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CRUNCH
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DYNAMIC
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HI GAIN
さらにCH A、CH Bのふたつのボタンがあり、6つのアンプ・ボイシングと組み合わせると6×2=12パターンを保存/切り替えできます。
このほかにMANUALモードがありますが、ここにはプリセットとしての保存はできないようです。12パターンのプリセットとは違うものを一時的に使用するような場合に便利でしょう。
バンクとアンプモデルの対応関係
一方、PC用の編集ソフトであるCatalyst Editの画面に入ると、アンプモデルではなくBANK(バンク)という単位で管理するようになっています。
まずバンク番号を選んで、[TYPE]のロータリーエンコーダーで割り当てたいアンプ・ボイシングを選択するというスタイル。
数字の部分をクリックするとメニューがポップアップし、バンクを切り替えることができます。
ご覧の通り、1~6のバンクがあり、アンプ本体のロータリーエンコーダーと対応しているように見えます。
アンプ本体のみ操作する場合はあまり気にする必要がありませんが、Catalyst Editから編集したいときは要注意です。
Catalyst Edit上でバンクを選択すると、アンプ側のロータリーエンコーダーと連動して、対応するポジションが光ります。
しかし、本体のロータリーエンコーダーを廻しても、Catalyst Edit側のバンクは変わりません。
つまり、両者は相いに連動しているわけではなく、操作上ではCatalyst Editからの一方通行のようです。
アンプモデルとチャンネルの関係
Catalyst Edit上では6つのバンク×チャンネルA/Bの計12種のスロットにプリセットを割り当てることができます。
バンクとチャンネルAまたはBの組み合わせをここではスロットと既述します。
一方、アンプ本体のSELECTORは前述のように6ポジションだけです。
ここで気をつけたいのは、ひとつのアンプモデルに対してチャンネルA/Bが割り当てられているわけではない、という点。
つまりCLEANアンプに対するローゲイン&ハイゲインといった関係ではありません。
実際、ファクトリープリセット(工場出荷時の初期設定)でも、バンク1のチャンネルAはクリーンタイプのアンプ、チャンネルBにはブティックタイプのアンプが割り当てられています。
アンプのSELECTORが”CLEAN”ポジションにあっても、チャンネルBに切り替えたらブティックタイプの音が出るということです。
ただし、その他のポジションについては、どれもチャンネルA/Bに同じタイプのアンプが割り当てられていました。
【2024.1.19補足】
下記の表はCatalyst Editでバンクを選択したときに表示されるものです。
アンプ本体のセレクターノブおよびチャンネルA/Bボタンを操作しても、Catalyst Editには反映されません。
また、チャンネルA/Bボタンの切り替えでは、下記の表とは異なるアンプ・ボイシングが選択されます。
アンプ本体にプリセットされているボイシングとCatalyst Edit上に表示されるものの関係はいまのところわかりません。
アンプのセレクターポジション | チャンネルAのアンプタイプ | チャンネルBのアンプタイプ |
---|---|---|
CLEAN | CLEAN | |
BOUTIQUE | BOUTIQUE | |
CHIME | CHIME | |
CRUNCH | CRUNCH | |
DYNANMIC | DYNAMIC | |
HI GAIN | HI GAIN | HI GAIN |
どのスロットにどんな音色を割り当てるかは基本的にユーザーの自由ですが、なるべく混乱しないように同タイプのアンプで揃えておいたほうがいいでしょう。
MANUALモード
マニュアルモードは、バンクとチャンネルA、チャンネルBのどちらからも独立しているようにみえます。
このためマニュアルモードになっているときは、Catalyst Edit上ではバンクのナンバーが表示されず、バンクを切り替えることはできません。
そこからCatalyst EditのチャンネルA/Bボタンをクリックすると、(選択しているバンクの)AまたはBチャンネルに切り替わります(マニュアルモードを抜ける感じ)。
さらに特徴的なのが、ブースト、ゲイン、EQ、チャンネルボリューム、エフェクトおよびリバーブのノブをCatalyst Editでは編集できないという点です。
ブーストやエフェクトのオン/オフについてはマウスで操作できますが、ノブ部分はグレーアウトして操作できなくなります。
つまりアンプ本体側でしか変更できません(アンプのノブを操作すると、画面上のノブも動きます)。
その一方で、ノイズゲートやアドバンスドコントロール(SAG、HUM、BIAS、BIAS X)、エフェクト、リバーブ、キャビネット、マイクはCatalyst Editで操作可能です。
MANUALモードにはプリセット保存はできませんが、設定を変更したものはそのまま保持されます。
たとえばノイズゲートをオフにすると、以後もその状態が維持されます。
Line6 Catalyst Editの初期設定
各スロットにプリセットされている設定を紹介します。
パラメーターは各スクリーンショットで確認してください。
【2024.1.19補足】以下、Catalyst Editで操作したときの状態を紹介していますが、アンプ本体のロータリーエンコーダーを操作したばあいはまた違う動作をしているようです。ご注意ください。
バンク1 チャンネルA
プリセット名”Pristine”。
アンプタイプは”CLEAN”で、アドバンスドパラメーターはSAGとHUMだけです。
ドキュメントと名前が違う
実は、付属の取扱説明書とCatalyst Editに表示されるプリセット名には違いがあります。
説明書のほうではCLEANタイプのアンプモデル名は”CLARITY”となっていて、これはギタープロセッサーHelixシリーズのアンプ名と同じです。
バンク1 チャンネルB
プリセット名”Dirty Lead”。
アンプタイプは”CRUNCH”でブーストオン。
CABは12インチ1発でマイクはSM57。
バンク2 チャンネルA
プリセット名”Aristcrat"。
アンプタイプは”BOUTIQE”で、ブーストはオフ。
CABは12インチ1発でマイクはSM57。
バンク2 チャンネルB
プリセット名”Nashville Spark”。
アンプタイプは”BOUTIQE”で、ブーストはオフですがゲインがやや上げ目。
CABは12インチ1発でマイクはSM57。
バンク3 チャンネルA
プリセット名”Carillon”。
アンプタイプは”CHIME”。ブーストはオフ。
CABは12インチ1発でマイクはSM57。
バンク3 チャンネルB
プリセット名”Q for a day”。
アンプタイプは”CHIME”。ブーストはオン。
CABは12インチ1発でマイクはSM57。
バンク4 チャンネルA
プリセット名”Voltage”。
アンプタイプは”CRUNCH”。ブーストはオン。
CABは12インチ1発でマイクはSM57。
バンク4 チャンネルB
プリセット名”Mod Squad”。
アンプタイプは”CRUNCH”。ブーストはオンでブースト量94%。
CABは12インチ1発でマイクはSM57。
プリセット名”KINETIC”。
アンプタイプは”DYNAMIC”。ブーストはオン。
プリセット名”Dynamo Hmmm”。
アンプタイプは”DYNAMIC”。ブーストはオン。
CABは12インチ1発でマイクはSM57。
バンク6 チャンネルA
プリセット名”Oblivion”。
アンプタイプは”HI GAIN”。ブーストはオフ。
CABは12インチ1発でマイクはSM57。
バンク6 チャンネルB
プリセット名”Theater of souls”。
アンプタイプは”HI GAIN”。ブーストはオン。
CABは12インチ1発でマイクはSM57。
CABとマイクはすべて共通設定
以上プリセットをざっと見渡したところで、共通していることがありました。
全プリセットでキャビネットシミュレータとマイクが統一されています。
CABは12インチ1発、マイクはSM57です。
CABはスピーカーユニットを選ぶことはできませんが、12インチ2発または4発を選択できます。
マイクのほうは全16種類から選べます。
サウンドを変えたいならここからいじってみるといいかもしれません。
カスタムボイシングの保存
Catalyst Editで編集したアンプ・ボイシングをアンプ本体に保存します。
バンク表示の左にあるギターが並んだアイコンをクリックすると、メニューが現れます。
[Save Current Preset to Catalyst XXX](XXXはモデルナンバー)を選択すると保存先のスロットを指定できます。
その他の注意点
CatalystとPCの接続にはUSBケーブルが必要です(ワイヤレス接続はありません)。
PC側の端子は標準タイプのUSB-Bタイプとなります。
いちおうのまとめ
アンプ本体でボイシングの切り替えだけ使っているときはシンプルに見えたんですが、チャンネル切り替えが加わるとちょっと混乱します。
アンプ本体で選択したときのLED表示と、Catalyst Editでスロットを選択したときの表示がまったく関係ないように見えるからです。
加えて、アンプ本体での操作でもとまどう部分が出てきてしまい、どういうロジックで設計されているのか掴みかねています。
一方、MANUALモードだとふつうのシンプルなギターアンプ感覚で使えるので、いまのところこればかりです。
内蔵エフェクトの組み合わせも限られているので、曲に合わせていろいろ音色を変えるような使い方には(本機だけでは)向きません。
いろんなシーンに対応できる幅広さが欲しいひとは、BOSSのKatanaシリーズにしておきましょう(カタログスペックですぐわかることですが)。
Line6 Catalystで押さえておきたいポイント
- Catalyst Editはアンプ本体のセレクターノブとは連動していない。
- 6バンク×2チャンネル=12のスロットにボイシングを保存できる。
- 12のスロットとは独立したMANUALボタンがある。保存コマンドはなく、設定をエディットすると自動保存される。