各描画ツールとも、いろんな装飾があらかじめ設定されているので、使い始めた瞬間から簡単にきれいな図版を作れるのが魅力です。
オプション設定が上級コマンドのような形で呼び出すのでなく、最初からプロパティとして表示されているので、グラフィックエディタの初心者でもすぐに使いこなせるようになると思いますよ。
編集ツールとプロパティ
SnagIt Editorの画面には、ウィンドウ上部にツールのカテゴリボタンがあり、そこをクリックするとウィンドウ右側のパレットに各種ツールやプロパティ設定が表示されます。
パレットはクイックスタイルとツールのプロパティのふたつに大きく分けられます。
クイックスタイルは簡単にいうといろんな装飾設定がプリセット登録されたもので、図形やスタンプを簡単に選べます。
SnagIt初心者はまずこのクイックスタイルを使うのがお奨めです。
クイックスタイルに好みのものがなかったばあいは、ツールのプロパティを使って細かいカスタマイズができるようになっています。
よく使うクイックスタイルがあったら「お気に入り」に登録しておくと便利です。
矢印
図形の中でも矢印だけは独立したツールとしてカテゴライズされています。
線の種類や始点、終点それぞれの形とサイズ、線の幅、不透明度などを指定できます。
また、その他のツールとも共通ですが色とドロップシャドウの位置を指定できます。
テキスト
文字入力用のツールです。
クイックスタイルには、文字色、輪郭線の色と幅、フォント指定とサイズ、位置揃えなどをセットにしたものが登録されています。
吹き出し
矩形や雲型、楕円などの図形の中にテキストを入力したものが吹き出しです。
図形の基本的な形、文字色、輪郭線などのバリエーションがクイックスタイルとして登録されています。
もちろんフォントのサイズや位置揃えなども指定できます。
図形
楕円、矩形、角丸の矩形、多角形などの基本的な図形を描画するのに使います。
線の太さやオブジェクト全体の不透明度などを指定できます。
スタンプ
シンボルマークやアイコン、スマイリーなどよく使いそうな図形がスタンプとして登録されています。
バリエーションが豊富なので、スクリーンショットをよりわかりやすくしてくれそうです。
スタンプしたオブジェクトはドラッグで拡大や移動が可能です。
塗りつぶし
クリックしたポイントを基準として、同じ色の範囲を自動認識して塗りつぶします。塗りつぶしたい色をスポイトツールを使って指定したり、不透明度を指定することもできます。
不透明度の設定と、塗りつぶしの範囲を自動判定するための「許容範囲」というオプションがあります。
移動
このツールはいまのところ使い方がよくわかっていません。
配置したオブジェクトを動かすだけだったらオブジェクトを選択するだけでできます。
Smart Moveというオプションをオンにするとキャプチャ画像のなかからアイコンなどの部分を認識して移動できるようになるようですが、筆者の環境ではSnagIt自体がクラッシュすることもあり、詳しいところまでは判らないのが実情です。
その他
選択範囲をぼかしたり、切り抜いたり、フリーハンドで線を描くといったツールがまとめられています。
直線ツールを使うと、矢印の両端がなくなった単なる線を描きます。
そのほかにも半透明の領域を描く蛍光ペン、消しゴム、拡大などのツールがあります。
クリックするたびに番号やアルファベットを自動で振ってくれるステップもここに含まれています。
効果タブ
プロパティの他に「効果」というタブがあります。
このタブでは、選択したオブジェクトではなく画像全体に対して加工を行います。
画像全体にドロップシャドウで影を付けたり、グレースケール化や明度・彩度などの調整、色の置き換え、透かしの合成、パースペクティブやページカールなどの加工が可能です。
スポットライトと拡大ツールを使うと先に選択しておいた範囲を部分的に拡大させることができます。
このとき拡大率だけでなく、周囲(選択していない範囲)を暗くしたり、ぼかしたりという効果も指定できるようになっています。
リサイズ
以上紹介したコマンド/ツールの中には、画像のサイズを変更するリサイズがありません。
実はリサイズを行うには画面下のサムネイルが並んでいるところの、すぐ上にあるピクセル寸法が表示されている部分を使います。
[▼]ボタンをクリックするとダイアログボックスがポップアップするので、ここで数値を入力してやればリサイズ完了です。
これだけ判っていれば、ブログ記事の解説図版作成用としては充分でしょう。
図版で説明することを目的として作られたソフトだけに充分な機能をもち、しかも細かい装飾はあらかじめクイックスタイルに登録済みなので、初めて使う人でもあるすぐにそれなりの加工ができます。
いまのところ唯一の不満としては、オブジェクトを描画した直後に選択が解除されてしまう点があります。
オブジェクトを配置して、さらにプロパティを変更しようとするともういちど選択しなおす必要があり、ひと手間増えます。