ネットでいろいろリサーチしましたが、結局いままで使ってきたのがいちばん、ということでまた同じモデルを購入です。
このモデルを選ぶいちばんの理由は大きなボールと大きな本体サイズが生み出す快適性。
おかげでマウス時代に悩まされた、肩から手首にかけての負荷とは無縁になりました。
長時間のPC作業で疲労を感じてる方にはぜひ試して欲しい、個人的激押しの一品です。
さよならマウス
私が初めてマウスを使ったのはMacintosh Plus(1986年)ですから、それからもう30年以上経ちます。
その間、長時間のマウス操作で肘や肩に負担が大きく、気がつけば肩胛骨周りがガチガチに堅く、首が右方向へ回りづらいいびつなカラダになってしまいました。
フォトレタッチのような細かい作業はもちろんのこと、長時間のWebブラウズ(ライティングのための資料収集などでよくやります)でも手首から肘が重たくなるのは当たり前のこととして諦めていました。
しかし、2019年に当ブログをオープンするにあたり、これまで以上に作業に集中するため、マウスを捨ててトラックボールに切り替えます。
この切り替えは大成功で、それから2年間、快適なライティング作業を支えてくれました。
ちなみに、同時期導入したのがArchissのメカニカルキーボード、ProgresTouch RETRO Tiny。
こちらも快適なライティングを支える重要なパートナーです。
トラックボールを新調
このとき買ったのが、エレコムのM-HT1URBKという機種です。
このモデルが、購入から2年を経過したあたりから左クリックに不調を来すようになったので、買い換えることにしました。
仕事柄、パソコンは朝起きたら即起動、連日16時間以上は稼働し、Webブラウズやライティング、時にはフォトレタッチ、動画編集、Web制作などをやっています。
正直なところ、たった2年でスイッチが劣化するような機種は初めてだったので他機種に乗り換えようと思って調べたのですが、どうも取って代われるようなものが見当たりません。
唯一検討したのが、同じエレコムのDEFT PRO、M-DP1MRBKというモデルです。
これはオムロン製のスイッチを使用していて高耐久性(3年保証)を謳っています。
ところが、製品スペックを詳しく調べていったところ、M-HT1URBKも実はオムロン製だとわかりました(ただし3年保証はなし)。
最初Amazonの製品紹介ページばかり見ていて、その時点ではDEFT PROのほうだけスイッチの記述が目に留まったのですが、メーカーの製品情報を見たらM-HT1URBKのほうもオムロン製スイッチだったというしだいです。
それなら、これまでの快適性を捨てるまでもない、と判断して同じモデルを購入です。
M-HT1URBKのアドバンテージ
でかいボールは細かい操作が得意
M-HT1URBKの特徴は、直径52mmという他に類をみない大型ボール。
HUGEというペットネームの由来です。
エレコムの分類上では同じLLサイズとなるDEFT PROの44mm径ボールに比べてもさらにひと周り大型です。
この大きなボールに、ゲーム用と同等グレードの精密なセンサーを組み合わせることで、指先の細かい動きに正確に反応してくれるため細かい作業が苦になりません。
手首の負担が少ない、リストレストつき大型ボディ
ボールが大きいのでそれを包み込む本体の当然のごとくデカイ。
でも、そのデカさを利用して手首をそっくり載せられるリストレスト(メーカーサイトでは「パームレスト」表記)になっています。
このおかげで常に手首を浮かせておく必要がなく、肩~肘の負担が激減します。
ちなみに、リストレスト部分は低反発素材でクッション製が高くなっています。
大型ボディは机の上に占める面積は大きいのですが、実際にはマウスのように動かす必要がなく、設置面積以上の範囲を必要としないので、見た目から感じるほど邪魔にはなりません。
人差し指+中指操作
トラックボールには、親指で操作するものと人差し指で操作するものがあります。
当然のことながら、細かい操作は人差し指の方が得意。
さらに大径ボールのM-HT1URBKでは、中指も添えて操作できます。
これで人差し指の負担が軽くなり、より快適になります。
実際に使っている感覚でいうと、私のばあい指を立てて指先で操作するというより、もう少し寝かせたあたりがホームポジションとなります。
縦スクロールのような前後方向の動作では、その状態から指先を伸ばしたり、逆に手元へ引き込むように指を曲げて操作します。
横方向のばあいは、指を動かすというよりは手のひらの中央を起点に指の中ほどでボールを撫でるような操作です。
どちらも指先の力はいりません。
ポインタ速度調整
M-HT1URKBには、ポインタの移動速度を調整する3段階スイッチがあります。
前項で紹介したような指先の操作だと、速度が中間(MID)のばあいフルHDサイズディスプレイの縦をほぼカバーできます。
指先を伸ばして上半分、指を曲げて下半分という感じです。
速度をHIGHにすると、伸ばす操作だけで縦いっぱいを移動できます。
逆にLOWにすると、画面の縦半分をカバーできるといったところです。
横方向もだいたい同様で、MIDにしておけば左右に撫でる動作だけで、フルHDサイズの横幅をカバーできます。
4Kサイズの大型スクリーンだとHIGH、ピクセル単位での画像編集作業だったらLOWにするといった感じでしょうか。
ちなみに、速度切り替えスイッチは右手を置いた辺りにあるので、作業中に素早く切り替えられます。
多機能なボタン割り当て
大型ボディを利して、ボタンは8つ。
このうち、いちばん多用する「左ボタン」は右手の親指で操作します。
対して右ボタンはボディ上面、ボールの右隣にあり、指の配置でいうと薬指に当りますが、Fukuzumiのばあいとっさのときは無意識に中指で操作していることが多いようです。
そのほかに、中央ボタンを兼ねたホイール、Webブラウザの[戻る][進む]に対応したボタン、Fn1~F3の計8つがあり、専用アプリケーションで自由に機能を割り当てられます。
ボール左側にあるボタンのうちFn1は、初期設定では左クリックになっているので、ふつうのマウスに慣れた方はこれを使うこともできますが、私の感触だと快適ではありません。
Fn2とFn3は未割り当てです。
またホイールは回転とクリックだけでなく、横方向(実際の配置だと斜め右上/左下)へのクリックも可能です。
この操作はチルトといい、初期設定では、ページの横スクロールが割り当てられています。
Fukuzumiのばあい、実は左右ボタンとホイール以外ほとんど使わないので、これらのカスタマイズは行っていません。
Webブラウズでたまに[戻る][進む]を使うこともありますが、たいていはVimiumでキー操作した方が早いのでホントにまれです。
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そうなるとふだん使わないボタンが5つもあるのでカスタマイズの余地は充分にあるんですが、DaVinci Resolveのような超多機能アプリケーションが相手だと、どんな機能があるのか把握する方がたいへんでカスタマイズにまで至っていないというのが正直なところです。
ちなみに、専用カスタマイズアプリ(エレコム マウスアシスタント5)では、プロファイルを使用することでアプリケーションごとに設定を切り替えられます。これも便利なところ。
好みは有線接続
このM-HT1URBKには、姉妹製品としてM-HT1DRBKというのがあります。
違いは前者がUSBケーブルの有線接続なのに対し、後者は有線/無線の両方に対応しているところです。
Fukuzumi個人の好みは有線接続なのでM-HT1URBKを選びましたが、今考えてみると無線接続もできるM-HT1DRBKを試しても良かったですね。
無線嫌いなのは、今使っているタワーPCの前に使っていたモデルに付いてきたL社製のワイヤレスキーボードとマウスの操作性が劣悪だったから。
頭の中で考えをまとめて、さぁタイピング/操作しよう!というときにぜんぜん反応してくれず、作業性が著しく低下してしまいました。
それで、ユーザーインターフェイス系については絶対有線派となったわけです。
ところが、M-HT1DRBKのスペックを見ると"有線接続”とだけなっていて、Bluetooth接続とは書かれていません。
専用の接続方式だとすると、ひょっとしたらレスポンスの問題は解消されていたかもしれませんね。
もしだめでも有線接続もできるから実害はなかったでしょう。
Bluetooth接続じゃないので専用レシーバーがUSBポートをひとつ使ってしまいますが、これは有線接続ならもともとポートひとつ使うのでデメリットというほどではありません。
デメリットは3つ
Fukuzumiが感じるM-HT1URBKのデメリットは3つあります。
ただし、どれも人によっては気になるかなといった程度かと思います。
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右ドラッグが多少やりづらい
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左利き用モデルがない
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携帯性ゼロ
右ドラッグがやりづらい
希に右ボタンを押しながらドラッグすることがありますが、この操作だけは通常のマウスに比べ決定的にやりづらいと思います。
ただし、使用頻度が高いわけでもなく、一般のパソコンユーザーはこんな操作ほとんどしないと思うので気にしなくてもいいしょう。
左利き用モデルがない
3つの欠点のうち重要なのはこれかもしれません。せっかくの快適性を左利きの方に味わってもらえないのは残念です。
携帯にはまったく向かない
大きすぎて、ノートパソコンといっしょに持ち歩くというのはちょっと非現実的です。
耐久性はどうだったか?
左ボタンのスイッチが2年少々で劣化したというのは前述のとおりです。
DEFT PROは3年保証なんだから、正直、もうちょっと持ってくれたらいいのにと思います。
同じオムロン製スイッチ採用でも耐久性の異なる部品を採用しているんでしょうか。
もし、ボールの操作性や快適性で同程度と感じられる製品がほかにあったら、積極的に乗り換えてテストしてたと思います。
とはいえ、突然故障したとかいうわけではないし、一般ユーザーより遙かに使用時間が長いので致し方ないかなという気分もあります。
もうひとつ気になるのが、リストレスト部分の素材劣化です。
手首を載せるレスト部分がクッション性の高い低反発素材になっていて、おそらくポリウレタンあたりだと思われるので手汗による加水分解での劣化が心配されました。
今回買い換えに当って前の個体を調べてみたところ確かに劣化がわずかに見られましたが、逆にいうと買い換えを決めるまではまったく気づいていないというレベルでした。
ぼろぼろになってカスが散らばるとか手にまとわりついて不快といったことはまったくありません。
Fukuzumiは割と手汗が多いほうですが、一般の方だったらまず大丈夫でしょう。
ちなみに、新しい個体が届いて直接比べてみましたが、前の個体に比べるとパッドが明らかに柔らかいので、経時変化で堅くなっていたものと思われます。
ただし、反発性がまったく失われていたわけでもありません。
手頃な実売価格も魅力
もともとトラックボールはマウスより価格が高い傾向があり、さらに高機能モデルなのでそれなりの値段がします。
標準小売価格はM-HT1URBKが1万3673円、M-HT1DRBKが1万5631円です。
ちなみにDEFT PROは1万9558円。
ところが、実売価格は案外安くて、M-HT1URBKは4000円代半ばでした(今、記事を書きながら調べたら5637円までねあがりしてましたが)。
さらに、無線モデルのほうが3999円という逆転現象まで起きています(人気で供給量が多いのでしょうか?)
正直なところ、この実売価格も購入の大きな要因です。
もし定価近くだったら、価格に見合う耐久性なしと判断してほかの機種に鞍替えしていたことでしょう。
快適性、操作性に優れたお奨め品
というわけで、M-HT1URBKに対するFukuzumiの評価は、こんなところになります。
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耐久性、品質は最高レベルではない
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操作の快適性、体への負荷の少なさは優秀
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実売価格が手ごろ(買い換えも苦にならない)
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総合バランスで他に代わる商品が見当たらない
そこで読者の方にお願いですが、もしほかにお奨めのトラックボールがあったらぜひコメントでご紹介ください。
次の買い換えあたりで検討してみたいと思います。