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プリセット"Clean1"の中身
Spider VシリーズとPCをUSBケーブルでつなぎ、アンプの電源をオンにしてSpider V Remoteを起動すると次のような画面が現れます。
音作りの基本になるAmpの設定を見ると、”American”タイプの”1965 Double Verb”というモデルが選択されているので、どうやらフェンダー社のツインリバーブがモデルでしょう。
クリーントーンの王道なので、当然ですね。
ちなみに”<01D>Clean 2"を選ぶと、ローランド社のジャズコーラスになるようです。
ついでにキャビネットのほうも見ると、"2×12 Blackface"がセレクトされていました。
左のリストがプリセットトーン一覧で、100種類以上のトーンのうち、Spider V20 MkIIのプリセットエンコーダーで直接選べるのは<01A>~<04D>の4×4=16種類です。
アンプのプリセットエンコーダーでトーンを選択するとリストのほうも連動します。
"<01C> Clean : US Double”が選ばれているのがわかります。
右ペインいちばん上の横長エリアが、入力から出力までの流れ。
つまりエフェクターやアンプのつなぎ方です。
左から順に
- Input
- Gate ※
- Wah
- Stomp
- Delay
- Amp ※
- Comp ※
- EQ
- Vol ※
- Mod
- Reverb ※
- Output
という並び。
この順序は入れ替えることもできますが、Clean 1では上記の設定。
この中で※をつけた、Gate、Amp、Comp、Vol、Reverbの5つがオンになっていて音作りに関係しています。
その他のオフになっているものは、アプリ上で設定を有効化すると、アンプ本体のエフェクトが効くようになります。
逆にアンプ上でFX1~FX3のボタンを押すとアプリ上の設定が有効になります。
FXボタンに連動するエフェクト
オフになっているエフェクトのうちStomp、Mod、Delayの3つは、それぞれアンプ本体のFX1、FX2、FX3ボタンに連動しています。
アプリ側で機能をオンにすればアンプ側のエフェクトがオンになりLEDが明るくなります(オフだと暗く点灯している)。
パラメータをいじれば、音が変化します。
逆も同様で、アンプ側でエフェクトをオンにするとアプリ側もオンになり、ダイヤルで調整するとアプリ側のパラメータ設定が変化します。
Stomp
Stompはオーバードライブやブースター系のエフェクトです。
Clean 1では"Screamer”というモデルが選ばれているので、Ibanezのチューブスクリーマー系なんでしょう。
Mod
Modは音に揺らぎを与えるコーラスやトレモロ系です。
”Opto Tremolo”というモデルが選ばれています。
Delay
Delayは山びこのような反響効果。
スクリーンショットではモデル名が切れてうまくキャプチャできていませんが、”Tape Echo”というモデルがセットされています。
ディレイをFXダイヤルでいじってみた
試しにアンプ側のFX3ボタンをプッシュしてディレイをオンにし、FXダイヤルでかかり具合を調整してみました。
ダイヤルをいっぱいに絞ると、MIXのパラメータが0%になります。
いっぱいに上げると50%に増えます。
たぶん、原音とディレイが掛かった音のミックス率を調整しているものと思われます。
ほかにも、フィードバックやトレブル、バスの値がわずかに変化しています。
その他のエフェクト
フローのうち、Gate、Comp、Volの3つは有効ですが、機種は選べません。
パラメータをいじったり、機能自体を無効化することはできるようです。
なお、この3つはアンプ本体のFXボタンとは無関係で、アプリ上からしかいじれないようです。
Wahは機種を選べますが、Clean 1では無効らしく、機能をオンにしてもFX1~FX3ボタンには影響しません。
トーンをプリセットエンコーダーに割り当てる
Spider V20 MkIIでは、アンプのプリセットエンコーダー(ダイヤル)に16ポジションしかないので、17番以降のプリセットはダイヤルで直接選択できません。
しかし、17番以降のセットを使いたいときに、いちいちパソコンやモバイル端末とつなぐのはめんどうです。
かといって、<01A>~<04D>に登録されているプリセットを上書きするのも使いづらいなぁと思っていたら、もっと簡単で合理的な方法が用意されていました。
単純にプリセットのリストを並べ替えればよかったんです。
<01A>~<04D>の間のどこか好きな位置に希望のプリセットをドラッグしてやれば、リストの順序が変わって、そのポジションでプリセットを使えるようになります。
実際の例を見てみましょう。
次の画面では、"<05A> Brit Plexi 45"をポイントしてこれからドラッグしようとしています。
これを<02A>のポジションに入れてみましょう。
ファクトリープリセットの<02A>はChime 1: Class-Aという名前です。
この位置へ"<05A> Brit Plexi 45"をドラッグします。
すると、次の画面では"<02A> Brit Plexi 45”になっているのがわかります。
そして、すぐ下の<02B>が Chime 1: Class-Aになっています。もちろんそれ以降も、もともとBrit Plexi 45があった<05A>のところまでひとつづつずれています。
このように、プリセットをドラッグするだけで、順番を入れ替えてくれます。
<02A>や<05A>というのはプリセットの名前ではなく、あくまでリスト上の位置を示すラベルなので、動くことはありません。
リストの並べ替えを行うと、「完了しました」という意味の英語のメッセージが現れます。
好みの音をすぐ呼び出せる便利さ
これでV20でもプリセットエンコーダーを回すだけで好みの音を選べるのがわかりました。
16ポジションもあれば、アマチュアが自宅練習するには充分でしょう。
ライブ会場でもいちいちPCやタブレットをつながなくてもいいのは助かりますね。
同じクリーントーンでも、アンプを変えたりエフェクターを組み替えたりしていろんなセットを作れるのは楽しそうです。
なお、プリセットリストのバックアップとリストアの方法については以前の記事で紹介しているので、参考にしてください。
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