しかし、ここで録音できたからといって、OBS Studioでもそのまますぐに使えるわけではないので注意が必要です。
そこで今回は、OBS Studioの音声ソースとしてiVCamを登録するための設定を紹介します。
この記事の目次
音声設定が必要なケース
まず前提です。
今回の記事では、iVCamのマイクを使用しなければならない状態を想定しています。
たとえばビデオ会議に参加するけど、Webカメラもマイクもないのでやむなくスマートフォンで代用、というばあい。
もうひとつのケースは、複数のカメラと映像ソースを切り替えて放送(配信)するばあい。
OBS Studioでシーンを切り替えたら、映像と音声がセットになって切り替わらなくてはいけません。
カメラとは別にマイクを用意することも可能ですが、それでは機材が増えてしまうので、カメラの内蔵マイクを使いたいというケースです。
設定がいらないケースも
ほかにちゃんとしたマイクとオーディオインターフェイスがあるんだったら、iVCamをマイクとして登録する必要もありません。
カメラの映像だけ収録できれば充分なので、今回の記事は気にする必要がありません。
設定の使い分けを想定してみよう
自宅からのライブ配信やテレビ会議では、基本的に前者だけあればOKです。
共通音源として設定さえできていれば、シーン別の音源としての設定はいりません。
なぜかというと、自宅という狭い場所からの放送なのでマイクとしての音源は基本的にひとつあればいいからです。もし複数のマイクが有効になっていると音声が多重化してしまいます。
要するに音がダブって聞こえてしまうので、好ましくありません。
そこで、iVCamからの音は、共通音源として登録します。
一方、シーンごとに切り替えるばあいは、広い会場、それもかなり離れていて別の場所の音が聞こえないときの使い方になります。たとえば屋内ステージと野外ステージでイベントが同時進行しているようなときですね。
会場間の距離があって互いの音が聞こえないけど、音響設備を増設せず、カメラ(iPhone)の内蔵マイクだけでなんとかしようという想定です。
同じくシーンの切り替えといっても、ひとつのステージの全体とアップといった切り替えだったら、シーンごとに音源を設定する必要はありません。カメラが切り替わるたびに音質や音量も変わってしまったら不自然だからです。
OBSでの録音パターンは2種類
さて、この前提を踏まえてOBS Studioの設定を考えていきましょう。
OBS Studioで音声を収録するにはふたつのタイプがあります。
ひとつは、シーンに関係なく、あるいは全シーンで共通して使用する音源です。これは先ほどのパターンでいうとほかにカメラもマイクもないから、スマートフォンで代用するばあい。
そしてもうひとつは、特定のシーンにだけ使用する音源です。つまりカメラの映像とセットになっていて、そのカメラに切り替わったときに、自動的に音声も切り替わるようにします。こちらはもちろん、シーンごとにカメラと音源を使い分けるばあいです。
共通音源として設定する
iVCamの音声をシーンに関係ない共通音源として設定するのは比較的簡単です。
OBS Studioの設定画面で「音声」タブを開いて、「マイク音声」のところに"Cable Output”を指定します。
シーン別の音源として設定する
いっぽう、シーン別の音源として設定するのはちょっとめんどうです。
まずそのカメラ用のシーンを作成し、映像ソースとしてiVCamを設定しますが、その時点でミキサーにはiVCam用のレベルメーターが表示されます。
レベルメーターはiVCamで拾った音に反応して動いているので、これがそのまま配信/録画されると思いうかもしれませんが、実際にはできません。
このレベルメーターは、カメラからの音声信号を受け取っているというサインだけで、配信/録画のための設定が別にあるんです。
マイク音源の設定だけやればいい共通音源とは勝手が違うので混乱するところです。
設定を行うにはiVCam用のプロパティを開きます。
ふつうは映像を受信するためのデバイス指定しかしませんが、その他の設定を見ていくと下の方に音声出力モードという項目があり、「音声のみをキャプチャ」になっているはずです。
ここで、「カスタム音声デバイスを使用する」にチェックすると、ドロップダウンリストが現われます。
リストを開いてその中からCable Outputを選択してください。
これでようやく、iVCamの音声をシーンで切り替えられるようになりました。
念のため、OBS Studioをいったん終了してから再起動するといいでしょう。
外部マイクとして使用する
iVCamからの映像を使用せずに、音声だけを利用することもできます。
要するにワイヤレスマイクの代用です。
この場合の設定は簡単です。
ソースとして「音声入力キャプチャ」を指定し、デバイスでCable Outputを選択すればOK。
あとはいったんOBS Studioを終了して、再起動したほうが確実です。
ミキサー部にレベルメーターが表示されないときは、登録した音声入力ソースを右クリックしてメニューから[ミキサーの非表示]をオン/オフ切り替えてみてください。
これでレベルメーターが表示されるはずです。
モバイル配信カメラとして機動性を発揮
これでiVCamの音声をOBS Studioでの配信/録画に載せることができるようになりました。
共通音源としての設定は簡単ですぐにわかったんですが、シーンごとに切り替える方法については情報がなくてかなり苦労しました。
おそらく、こういう使い方をしようという人が少ないのでしょうか。
でも、音声入力のやり方さえ判ってしまえば、ケーブルのいらないWi-Fi接続の利点を活かしたモバイルカメラとして、機動力をフル活用できます。
なにかのときの参考に役立てていただければ幸いです。
iVCamの音声をOBS Studioで配信 - まとめ
- 音声ソースは共通音源とシーンごとのふたつの設定が可能
- シーン別のソースは「カスタム音声デバイス」で指定する
- マイクのみ使用のばあいは、音声入力キャプチャで登録する
- 設定したらOBSを再起動、が基本
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