テレビ会議でも複数のカメラを使えたらもっと効果的でインパクトのある提案ができるのに・・・、と思ったことはありませんか?
そんな方のためにOBS Studioのプラグインを紹介します。
この記事の目次
Web会議でもマルチカメラにしたい
Microsoft TeamsのWeb会議(ビデオ会議)機能では複数のカメラが接続されているばあい、それを順番に切り替えることができます。
たとえば、以前の記事で紹介したようなスマートフォンをWebカメラ化するアプリを使うことで、内蔵カメラでは自分の姿を映し、スマートフォンでは手元にある製品をよりアップで詳しく紹介するといった切り替えが可能です。
でも、順番に切り替えるだけなので目的のカメラ(画面)に一発でポンと切り替えられるわけではありません。
デフォルトで使用するWebカメラは、テスト画面で選択できます。
いっぽうOBS Studioは、ビデオカメラやスマートフォンをWebカメラ化することでマルチカメラでのライブ配信を可能にしてくれます。
そこで、TeamsでもOBS Studioのように自由にカメラを切り替えられたらなぁ、と思いませんか?
実はそんな願望を満たしてくれる、OBS Studio用のプラグインがあります。
それがOBS-VirtualCamです。
OBS Studio自身がWebカメラになってしまえばいい
OBS-VirtualCamの考え方は簡単。
OBS Studio自体が出力する信号を1台のWebカメラと思い込ませるというものです。
Web会議システムはWebカメラの映像を使ってオンライン会議するわけだから、本物のWebカメラでなくてもOBS Studioが出す映像と音を「これはWebカメラだよ」とWindows(もちろんMacでも同じ)に渡すことができれば、Microsoft TeamsはすなおにWebカメラとして受け取ってくれます。
もともとOBS Studio自体、ビデオカメラやスマホなど本来WebカメラじゃないものをWebカメラとして扱っているわけですが、こんどは自分自身をWebカメラに見せかけてしまおうというわけです。
だからOBS-VirtualCamという名前なんですね。
実際に、Microsoft TeamsがOBS VirtualCamを認識した画面を見ていただきましょう。
最初にも紹介したように、Microsoft Teamsのビデオ会議では事前テストとして、使用するカメラを選択できます。
ここで、OBS Studio自身がWebカメラとして認識されてるのがわかりますね(しかも1~4までありますが、ここでは詳細は省きます)。
このように、OBS Studio”自体を仮想カメラ化してしまえば、Microsoft Teamsのほうでカメラを切り替えなくても、OBS Studioでスイッチングした映像がそのままWeb会議に流れるというわけです。
Elgato StreamDeckを使えば、画面の切り替えもワンタッチで操作がスマートにできます。
またWeb会議システムでは、画面の共有は必須といっていい機能ですが、それもOBS Studio上でデスクトップキャプチャ映像に切り替えるだけで可能です。
OBS-VirtualCamをインストール
では、OBS-VirtalCamのセットアップと使い方を紹介しましょう。
インストーラーのダウンロード
まずへアクセスします。
リストからOBS-VirtualCamX.X.X-installer.exeをクリックして、インストーラーをダウンロードしてください。
"X.X.X"の部分はバージョン番号で、2020年8月現在は2.0.4です。
インストール
ダウンロードしたインストーラーをダブルクリックで起動します。
ライセンス確認画面が出るので、”I accept the agreement"を選択して次へ。
続いてインストール先フォルダーの選択。特に希望がなければ、そのまま[Next>]をクリックして先へ進みます。
OBS Studioと同じフォルダーにインストール使用としているので確認がでますが、そのはま[はい]をクリックして先へ進んでもらってかまいません。
続いて追加の設定です。1.を選んでいると、仮想カメラを4つ作成します。
これがさっきTeamsの画面に出ていた4つのカメラの理由ですね。
ふつうはひとつでも充分だと思います。
セットアップ内容の確認画面が出るので[Install]をクリック。
このときOBS Studioが起動しているとエラーが出るので、いったん終了してから再試行してください。
プラグインのインストールに成功したのでメッセージが出ます。
最後に完了画面が出てインストールは終わりです。
OBS-VirtualCam プラグインを使う
プラグインが正常にインストールされたか確認してみましょう。
OBS Studioを起動して[ツール]メニューを開きます。
メニューリストに[VirtualCam]が追加されているはずです。
そのままクリックして設定画面を開きましょう。
Target CameraのところがOBS-Cameraになっているのを確認します(リストを開くとOBS-Camera4まであります)。
[Start]をクリックすると、サーバーが動作してOBS-VirtualCamが使えるようになります。
あとは、Microsoft Teamsの画面で紹介したように、Teams側でOBS StudioをWebカメラとして認識してくれます。
Teamsで会議をスタートしたら、カメラの切り替えはOBS Studioの方で行ってください。
XSplit Broadcasterならプラグインなしでも
OBS Studioと同じようなライブ配信ソフトにXsplit Broadcasterというのがあります。
これもゲーム配信するユーザーにはよく知られた製品です。
実はXSplit Broadcasterにはこの仮想カメラ機能が最初から搭載されているので、プラグインをインストールする必要がありません。
2枚めに紹介したスクリーンショットでも、Webカメラのリストの中に”Xsplit Broadcaster"の名前がすでにあるので確認してみてください。
Xsplit Broadcasterは評判もよくてユーザーも多いようですが、無料版だと機能に制限があります。その点、知識と手間は必要になりますが、完全無料のOBS Studioのほうが自由がききます。
特にFukuzumiのばあい、キヤノンXF400のIPストリーミング機能をXsplitで使う方法がまだわからないので、いまのところOBS Studioを優先で使っています。
Web会議をマルチカメラ化する - まとめ
- プラグインの追加でOBS Studio自体を仮想Webカメラ化できる
- OBSの[ツール]メニューで仮想カメラ機能をスタートする
- Web会議システムにはWebカメラのひとつとして認識される
- カメラの切り替えはOBS Studio側で行う
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