オープンソースのライブ配信用ソフトOBS Studioを使って、Facebookでライブ配信するための設定と操作手順を解説します。
なお、カメラをはじめとする映像・音声ソースについてはすでに設定済みであるものとして割愛し、Facebook関連の設定に絞らせていただきます。ご了承ください。
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この記事の目次
Facebook LiveでOBS Studioを使ってみよう
パソコンにWebカメラが接続されていれば、ブラウザ上から簡単にFacebookでライブ配信ができます。
でもこのとき使えるのはWebカメラ1台だけです。
そこにOBS Studioを加えることで、カメラを複数にして切り替えたり、パソコンの画面(デスクトップ全体)や特定のウィンドウだけを配信できるようになります。
そこで、今回はFacebook Liveを例に、OBS Studioの配信設定や操作の手順を解説します。
Facebook Live用の設定を登録する
まずOBS Studio側に、Facebookでライブ配信を行うための設定が必要です。
設定ダイアログを開く
OBS Studioを起動したら右下のボタンの中から[設定]をクリックしてダイアログボックスを開きます。
設定ダイアログボックスの「配信」タブをクリックします。
配信サーバーの設定
「配信」タブでサービスを選びましょう。
ここではFacebook Liveを使用するので、「サービス」ドロップダウンリストから選択します。
サービスを選択するとサーバーも自動的にセットされます。"Default”のままでだいじょうぶ。
ストリームキーの設定
続いて[ストリームキーを取得]をクリックします。
Webブラウザが起動してFacebook Liveのページが現われます。
[ライブストリーミングを作成]をクリックしましょう。
ライブ配信ページに切り替わったら「ストリームキーを使用」が選択されているはずです。
右下にある「ストリームキー」フィールドで[コピー]をクリックして、クリップボードへコピーします。
ストリームキーはあなたのライブ配信専用です。ライブ配信を悪用されないために、他人には絶対に知らせないように厳重に管理しましょう。
コピーが終わったらOBS Studioに戻って「ストリームキー」のフィールドに、コピーしたキーを貼り付けます。
その他の設定
配信に最低限必要な設定は以上ですが、その他に特に知っておきたい情報を紹介します。
出力解像度
まず、「出力」タブの「出力(スケーリング)解像度」です。
これはライブ配信される映像のサイズで、初期設定は1280×720ピクセルになっています。
フルハイビジョンで配信したいときは1920×1080を選択してもいいでしょう。
ただし解像度を上げるとそのぶんパソコンと回線に負担がかかって、映像の乱れ・遅れなどが起きやすくなります。
スマートフォンからの視聴者数が多いと想定されるようだったら、ムリに解像度を高くする必要はありません。
もうひとつ「色空間」の指定を紹介しておきます。
ここは”601"と”709”のふたつの指定ができますが、ビデオカメラなどを映像ソースとして使うなら"709"を選択しておくといいでしょう。
709は正式にはRec.709といって、現在のハイビジョンテレビ放送で使われる標準規格です。
Webカメラでの配信だったら、601のままでいいかもしれません。
プロファイルを保存する
Facebook Live用の設定が終わったら、[プロファイル]メニューからわかりやすい名前を付けておきましょう。
今後YouTube Liveなども使い分けるようになったとき、プロファイルを選択するだけで配信設定を切り替えられます。
Facebook Liveを開始する
準備が終わったらさっそくテスト配信してみましょう。
手順としては、
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OBS Studio側で配信を開始する
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Facebook Liveで配信映像を受信していることを確認する
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投稿用のコメントを入力する
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Facebook Liveの配信を開始する
のようになります。
ポイントはOBS Studioで配信を開始してから、Facebook Liveを開始するという二段構えになっているところです。
OBS Studioで配信を開始
OBS Studioで[配信開始]をクリックします。
ステータスバーに配信状態が表示されるのを確認しましょう。
これでOBS Studioからの信号をFacebookが受け取れる状態になります。
Facebook側で配信を開始
続いてWebブラウザに切り替え、Facebook Liveの配信準備にかかります。
ページ左側に、ライブ配信の説明を入力します。
ここに入力したテキストFacebookへの投稿としてタイムラインに表示されるので、配信を多くの人に見てもらえるようにわかりやすい説明を記入しましょう。
必須ではありませんが、すぐ上のフィールドにはライブ配信のタイトルを入力することもできます。
説明を入力すると、[ライブ配信を開始]ボタンがアクティベートされるのでクリックしていよいよ配信開始です。
最後に確認メッセージが出るので改めて[ライブ配信を開始]をクリックしましょう。
これで本当に配信が始まります。
ブラウザには配信中の画面が表示され、左上には"LIVE”の文字が、画面の下には配信の状況が表示されます。
こちらが実際にインターネットに流れている映像と音です。
多少の遅れが生じるので、配信が始まったのを確認できたら、配信している当人は見ない方がいいでしょう。
配信管理専門の担当者がいるばあいは、ちゃんと配信されているかこの画面で確認してもらってください。
OBSとFacbook Liveの関係
まとめると、OBS Studio側での配信開始は、ガスや水道の元栓、あるいは電気のブレーカーに当たるようなものだと考えてください。それに対してFacebook Live側の配信開始はキッチンやバスルームの蛇口から水を出すとか、家電製品の電源スイッチをいれるようなイメージです。
シンクの蛇口を開いても、元栓が開いていなければ水は出ませんね。そういうことです。
Facebook Liveを終了する
配信を終了するときも、2段階でストップします。
まずFacebook Liveのほうの配信を停止します。
確認メッセージが出るので[終了]をクリック。
続いて「このライブ動画は終了しました」というメッセージが出ます。
配信品質を5段階で評価するように促されますが、これはとりあえず無視してかまいません。
いちばん下の赤いテキストのところをクリックすると、ライブ配信は削除されてタイムラインには投稿されません。
そのままメッセージを閉じると、ライブ配信映像がタイムラインに投稿されるのでライブで見逃した人もあとから見ることができます。
続いてOBS Studioからの配信も停止
Facebook Liveでの配信を停めたら、続いてOBS Studioからの配信も停止しましょう。
[配信終了]をクリックしてこれで完全に終了です。
2回め以降の操作
次にまたFacebook Liveで配信するときはOBS Studioの設定は不要です(プロファイルを変更していない限り)。
OBS Studioで配信を開始したら、ブラウザを起動してFacebookの投稿画面で[ライブ動画]をクリックします。
ライブ配信の画面に移ると「カメラを使用」が選択されていますが、OBS Studioを使って配信するんだったら必ず「ストリームキーを使用」に切り替えてから配信をスタートしましょう。
ストリームキーのコピー&ペーストは初回の設定でもう終わっているので、2度めからは必要ありません。
チャットや会議を越えた本格的配信が可能に
以上、OBS StudioとFacebook LIveの使い方を紹介しました。
マルチカメラを使わないでPCに接続した(あるいは内蔵の)Webカメラだけで配信するなら、「カメラを使用」のほうを使います。つまりストリームキーの設定はいりません。
しかし、OBS Studioを使うことでマルチカメラの切り替えを行ったり、パソコンの画面を使った解説、静止画の表示や動画・音楽の再生なども可能になり、ライブ配信がより充実したコンテンツになります。
Web会議やチャットならWebカメラだけでも充分ですが、本格的なライブ配信を検討しているんだったら、ぜひOBS Studioを使ってみてください。
Facebook LiveでのOBS Studio使用法 - まとめ
- OBS側で配信をスタートしてからFacebookの配信を開始する
- 配信にはサーバーの設定とストリームキーが必要
- 配信の内容はタイムラインに投稿することも、削除することもできる
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