キヤノンの業務用ビデオカメラXF400(XF405もほぼ共通)で外部レコーダーに収録するための設定でチェックすべきポイントや制限についてまとめました。
カタログやWeb上の情報からはわかりにくいところがあるので、もしXF400の購入を検討している方がいたら参考にしてください。
この記事の目次
RAW出力には非対応
これは当たり前ですが、XF400はRAW出力には対応していません。
本体記録優先と外部記録専用モード
収録先の設定は、本体記録優先と外部記録専用の2つのモードがあります。
本体記録優先は名前のとおり、XF400本体のメモリカードスロットに優先的に収録しつつ、外部レコーダーがあるばあいにはそちらでも収録を行います。
このばあい、外部レコーダーの設定によっては、XF400での録画/停止を行うと外部レコーダーでも連動させることができます。
外部記録専用になるとカメラ側は映像/音声の信号を送り出すだけになので、録画/停止操作は外部レコーダーのほうで行います。カメラ側の録画ボタンは機能しません。
HDMI出力のサイズは切り替え式
HDMI経由で信号を出力するばあい、サイズは4K UHDとFHDをメニューで切り替える必要があります。
初期設定では、HDMI出力はFHDになっています。
外部レコーダーでもUHDで収録したいばあいは、XF400側の出力設定をUHDにしておく必要があります。
カメラの設定がUHDならHDMI出力も自動でUHDになるわけではないので注意しましょう。
10bit 出力できるのはFHDだけ
機種選定時には気づいていなかったポイントです。
外部記録専用設定でも4:2:2 10bit出力できるのはFHD(1920×1080)時のみです。
4K UHDのばあいは、フレームレートが29.97fpsと23.98fpsであれば、4:2:2 8bitでの出力になります。
さらにフレームレートが59.94fpsのばあいは4:2:0 8bitになります。
加えて外部記録専用モードでは23.98fpsを選択できない点も注意が必要です。
本体記録優先モード
サイズ | フレームレート | 出力信号 |
---|---|---|
4K | 59.94fps | 4:2:0 8bit |
4K | 29.97fps | 4:2:2 8bit |
4K | 23.98fps | 4:2:2 8bit |
FHD | 58.94fps | 4:2:2 8bit |
FHD | 29.97fps | 4:2:2 8bit |
FHD | 23.98fps | 4:2:2 8bit |
外部記録専用モード
サイズ | フレームレート | 出力信号 |
---|---|---|
4K | 59.94fps | 4:2:0 8bit |
4K | 29.97fps | 4:2:2 8bit |
FHD | 59.94fps | 4:2:2 10bit |
FHD | 29.97fps | 4:2:2 10bit |
4CH出力はできない
XF400のオーディオはAAC 2CH録音とリニアPCM 4CHを選択できます。
しかし、HDMI経由でオーディオを出力するばあい、1CH/2CHまたは3CH/4CHのどちらかを選択するようになっていて、4CHすべてを外部レコーダーに出力することはできません。
そこで外部レコーダーへは1CH/2CHを送出しておいて、3CH/4CHの音声はカメラ側で収録したものを編集ソフト上で同期させるといった作業が必要になります。
また外部記録専用のばあいカメラ本体内の記録を行いませんから、実質的に4CH収録はできません。
別途オーディオ用のレコーダーを使用する必要があります。
4K 59.94fpsでは外部レコーダーのメリットはなし
ご覧いただいたように、外部レコーダーでの収録には意外に細かな制限があります。
また設定メニューのほうも記録設定、オーディオ設定、表示設定と分かれているので注意が必要です。
ご自分の求める設定が可能かチェックしてください。
また、4CH収録するには本体記録優先にする必要があります。
本体での収録は4:2:0 8bitですから、59.94fpsで録りたい方にとっては、本機のためにわざわざ外部レコーダーを導入するメリットはないといっていいでしょう。
逆にいうとFHD収録であれば、59.94fps、29.97fpsとも4:2:2 10bit収録でカラーコレクション/グレーディング耐性の高い映像を記録できます。