そこで、ネットショップで目に付いた主要な製品について特徴をまとめてみました。
いずれも個人向けの低価格で入手できる製品です。購入を検討している方の参考にしていただければ幸いです。
この記事の目次
今回採り上げるソフトは7製品
- ターミネータ10+ データ完全抹消 BIOS版/UEFI版 (AOS)
- HD革命/Eraser Ver.7 パソコン完全抹消 (アーク情報システム)
- 完全ハードディスク抹消17 (ジャングル)
- ドライブイレイサー (ソースネクスト)
- 完璧HDD消去3 Windows10対応版 (フロントライン)
- DiskRefresher3(アイ・オー・データ機器)
- Paragon Hard Disk Manager 17 (パラゴンソフトウェア)
なお、今回の記事は、各製品の公式サイトにあがっている情報を整理したモノです。
実際に使用しての評価ではなく、あくまで自分に合ったソフトを探すためのガイドとご理解ください。
抹消ソフト選びのポイント
デバイス単位での抹消/ドライブ単位での抹消やCD/USBメモリ起動、外部ディスク/メモリカードなどの抹消といった基本的な機能はだいたいどの製品でも同じですから、それ以外のポイントでチェックしています。
抹消方式(レベル)で上書き回数はあまり気にしない
たくさんの抹消方式に対応していることをアピールしているソフトもありますが、あまり高レベルな方式は処理に膨大な時間がかかるので個人レベルの使用では実用的とはいえません。
また、Wikipediaなどによると現在では上書きの回数は1回で充分とみなされているようです。
要求される上書き回数について
Wikipedia内の説明を引用します。
フロッピーディスクの場合、1回のみの上書きを行った消去手法が処された状態においては、残留磁気探索によってデータの析出を行うことができる。しかし、現在のハードディスクにおいては同様ではない。ハードディスクにおいて1ビットを記憶している領域は、フロッピーディスクに比べて遥かに小さく、記憶領域がトラック中心からずれている事を利用して残留磁気を検出するということは、ほぼ不可能である。
アメリカ国立標準技術研究所(NIST)が2006年に発表したSpecial Publication 800-88の7ページでは、次のように述べられている。『2001年以降の(15GBytes以上の)集積度の高いATAハードディスクにおいては、データの完全消去はディスク全域に1回のみ上書きすれば事足りる』[4][7]。 また、Center for Magnetic Recording Researchは、次のように述べている『データの完全消去はディスクに対する1回の上書きのことである。アメリカ国家安全保障局も推奨要綱にて、同相信号除去比(CMRR)試験をした結果、複数回の上書きは何ら安全性の向上に優位な差をもたらさず、1回の上書きで十分であることを認めている』
ほとんどのソフトが、ゼロ書き込み方式、乱数書き込み方式、米国国家安全保障局(NSA)方式などをカバーしているので、一般ユーザー向けとしてはどれも大差ないと考えていいでしょう。
古いパソコンを廃棄するなら対応インターフェイスに注意
現在、ハードディスクの接続方式はSATAという規格がほとんどですが、昔のパソコンではIDEやSCSIといった規格を使っているものがあります。
古いパソコンを処分したいのなら、これらのインターフェイスに対応と明記されているものを選ぶのが安心です。
たくさんのドライブを処理するばあい
企業などでたくさんのパソコンを廃棄するばあい、複数ドライブの同時抹消ができると作業効率があがります。
逆に個人ユーザーならあまり重要ではないかと思います。
また抹消レポートの表示・保存といった機能も企業や団体で頻繁に抹消するばあいに便利でしょう。どんなパソコンをいつ、どんな方式で抹消したのかといったレポートを保存できるので後から確認できます。
定評のある定番ソフトがほしいなら
ターミネータ10plus データ完全抹消 BIOS/UEFI版がおすすめです。
・BCNアワード2019システムメンテナンスソフト部門最優秀賞受賞(10年連続)
・第30回ベクタープロレジ大賞情報漏えい防止部門賞受賞
・日経優秀製品・サービス賞 優秀賞受賞
など、高い実績と評価を集めています。
とにかくシンプルで使いやすいソフトがほしいなら
ドライブイレイサー(ソースネクスト)がお薦めです。
シンプルなユーザーインターフェイスと2ステップのクイック操作を売り物にしています。
多機能なソフトが欲しいなら
HD革命/Eraser Ver.7がお薦めだと思います。
・起動中のWindowsごと削除
・MBR領域の削除
・RAM容量256MB以下の低スペックパソコンの削除
・複数デバイスの同時抹消
・誤操作防止のパスワード設定
・SSDのSecure Erase、Trim対応
など、スペック面はかなり充実しています。
古いパソコンを処分したいなら
ターミネータ10plus データ完全抹消 BIOS/UEFI版やDiskRefresher3がお薦めです。
IDE、E-IDE、SCSIなどの古いハードディスクインターフェイス規格をサポートしています。
抹消結果を確認したいなら
ターミネータ10plus データ完全抹消 BIOS/UEFI版、HD革命/Eraser Ver.7、 完璧・HDD消去3、ドライブイレイサー(ソースネクスト)などがお薦めです。
ターミネータ10plusと完璧・HDD消去3は処理終了後にビューアーで内容を確認したり、レポートを保存することができます。
ドライブイレイサーには正常に消去されたかどうか確認するベリファイ機能とログ表示機能があります。
ファイル単位での抹消も必要だったら
完全ハードディスク抹消17(ジャングル)、完璧・HDD消去 3(フロントライン)には空き領域抹消機能があるので、ファイル削除→空き領域抹消と連続処理することでファイルを確実に抹消できます。
ただし、ファイルの削除→空き領域の抹消と連続操作するのはめんどうです。
そんなときはドライブ抹消とファイル抹消ソフトのセットパッケージがお薦めです。
ファイル抹消ツールとセット販売されているパッケージ
ターミネータ10plus 抹消セット版 BIOS/UEFI版(AOS)
電子データシュレッダー2をセットにしたお徳用パッケージ
HD革命/Eraser V7 パソコン完全抹消&ファイル完全抹消(ファンクション)
ドライブ抹消とファイル/フォルダ抹消をセットにしたパッケージ
完璧HDD消去3 PRO(フロントライン)
ドライブ抹消とファイル/フォルダ抹消をセットにしたパッケージ
Paragon Hard Disk Manager 17 Professional(ジャストシステム)
バックアップ、ドライブコピー、パーティション管理なども含んだ総合メンテナンスソフト
安全性最重視ならファイル抹消ソフトとのペアで
以上、ドライブ抹消ツールを選ぶときの指針を考えてみました。
どのソフトも、Windowsにインストールして実行するほかに、起動用のCD-ROMやUSBメモリを作成しての実行が可能なこと、外付けハードディスクやUSBメモリなどのリムーバブルメディアに対応していること、といった基本的なスペックはほとんど変わらないはずです。
ハードディスクの廃棄はそうそう頻繁に行うものではないので、有料のソフトを買うのをためらわれるかもしれませんが、個人情報を守るためにもどんなソフトがあるのか知っておくのは悪くないと思います。
ぜひ参考にしてください。
その上で、日常的なセキュリティまで配慮するなら、ドライブ抹消ソフトとファイル抹消ソフトがセットになったパッケージを買うのがお薦めだと個人的には感じました。
特にドラッグ&ドロップや右クリックからファイルを抹消できるシュレッダー機能や、空き領域の抹消のスケジュール実行機能などを備えたHD革命 Eraser Ver.7 パソコン完全抹消&ファイル抹消は要注目です。