WinShotの基本的な使い方に慣れたら、次はオプションを使ってみましょう。
WinShotのオプションには、キャプチャを便利にするものと、キャプチャした画像をある程度加工してあとの手間を省くものの2種類があります。
今回は中でも特に便利な5つを紹介します。
WinShot ダウンロードページ(ベクター ソフトライブラリ)
この記事の目次
保存先指定と連番設定
パソコンの操作を説明するような場面では、たくさんの画像を使って手順を説明する必要があります。
そんなとき毎回プレビューを確認してから保存していたのでは手間がかかるので、自動保存を使うと便利です。
WinShotにおける自動保存の特徴
WinShotの場合、自動保存を行うには[ビットマップ保存]か[JPEG保存]コマンドで出力先を指定します。
つまり「キャプチャ結果を自動で保存する」というモードやオプション設定があるわけではなく、キャプチャコマンドを実行する時点で自動保存されるかどうかが決まります。
なにも確認せずどんどんキャプチャしていきたいときは[ビットマップ保存]や[JPEG保存]で実行していき、キャプチャ結果を確認したくなったら[プレビュー表示]で保存するというように、その場に応じた柔軟な使い分けができるようになっています。
保存先の切り替え
また、**WinShotでは保存先フォルダを簡単に切り替えられるのも特徴です。
「環境設定」ダイアログボックスの基本設定タブでは「ファイル自動保存」で保存先のフォルダを複数登録できます。
この場合、登録した複数のフォルダに同時に保存されるわけではなく、その中のひとつのフォルダにだけ保存されます。
そして、この保存先はWinShotのコンテクストメニューからも切り替えられるようになっています。
つまり保存したいフォルダをキャプチャの実行直前に選べるわけです。
もちろん、自動保存を使わずに保存先のフォルダやファイル名をキャプチャごとに指定することもできます。
命名規則と連番設定
キャプチャ画像を自動保存する場合は、それぞれの画像に異なる名前をつける必要があります(別々の名前にしないとどんどん上書き保存されてしまいます)。
WinShotではこのファイル名の命名規則を指定できます。
初期設定では接頭語が"WS"、シーケンス桁数が"6”、開始番号が"0"、前回の番号を記憶がオフになっています。
この命名規則で実際に付けられる名前は次のようになります。
WS000000、WS000001、WS000002…
このように、最初に自動保存されるファイルは"WS000000"という名前で、そのあと自動保存するごとに数字が増えていきます。シーケンス桁数というのは、連番を6桁までつけられるということで、最大999999番まで使えることになります。
また、開始番号が"0"なので000000番からスタートです。1からスタートしたいときは開始番号をゼロにしておきましょう。
接頭語の"WS”というのはWinShotの略でしょう。もしほかのソフトでもキャプチャするような場合、どのソフトでキャプチャしたのか区別するのに役立ちます。"WS"でなくてもなんでも構わないので、ご自分のイニシャルや社名を入れてもらっても構いませんし、キャプチャ画像を使用するプロジェクトやドキュメントの名前でも構いません。
連番だけでいいのなら接頭語のフィールドはクリアして空白にしておいてもいいでしょう。
キャプチャ作業が何日も続くようなら(途中でパソコンまたはWinShotを終了するような場合)前回の番号を記憶にチェックしておくと、WinShotを起動するたびに連番がリセットされることなく、続き番号で自動保存してくれます。
時間差キャプチャ
時間差キャプチャは、メニューコマンドを選択したりホットキーを押してから画面キャプチャが実際に実行されるまでに時間差をつける方法です。
時間差キャプチャを使うとき
メニューを開いているところやメッセージが表示されているところをキャプチャしたいときに便利な機能です。
メニューやメッセージの中には、マウスを操作したりキーを入力すると消えてしまうものがあります。このようなとき、メニューコマンドやホットキーを使ったキャプチャはできません。
そこで時間差キャプチャオプションを使います。
時間差キャプチャを使うと、メニューコマンドやホットキーを操作してからある程度時間が経過したところで、実際のキャプチャが行われます。
この時間差を利用して、メニューを開いたりメッセージが表示されるように操作すれば、メニューやメッセージが表示されているところをキャプチャできます。
時間差キャプチャの設定
時間差キャプチャを使うには「環境設定」ダイアログボックスのその他の設定タブで「時間差キャプチャ」チェックボックスをオンにします。さらに、スピンボックスつきテキストボックスで、時間差を設定します。設定の単位は秒です。
メニューコマンドからの切り替え
時間差キャプチャのオン/オフ切り替えはメニューからも可能です。WinShotのトレイアイコンを右クリックし、コンテクストメニューから[クイック設定]>[時間差キャプチャを有効にする]をクリックしましょう。
ただし、メニューから実行できるのはオン/オフの一時的な切り替えだけです。
時間差の秒数を設定する場合は「環境設定」ダイアログボックスから行う必要があります。
画質を選べる品質指定
キャプチャ画像を保存するときに画質を指定したり、色数を減らす減色処理を行うことで保存時のファイルサイズを小さくすることができます。
品質指定は「環境設定」ダイアログボックスの品質/減色タブで行います。ここでは代表的なオプションのみを紹介します。
JPEG品質
JPEG形式の画像で保存するときの画質をスライダーで指定します。高圧縮にするほどファイルサイズは小さくなりますが、代わりに画質は低下します。高品質にすると反対に、画質の低下は抑えられますがファイルサイズは大きくなります。
グレイスケール変換
フルカラーのキャプチャ画像を、モノクロームのグレイスケールに変換して保存します。
減色
フルカラーのキャプチャ画像を16色や256色に減らすことでファイルサイズを大幅に小さくできます。写真のような表現力はなくなりますが、文書作成中のようすをキャプチャする程度なら256色まで減色してもいいでしょう。
手頃な大きさにリサイズする
最近は大型のディスプレイでパソコンを使っている方も多いでしょう。デスクトップをフルスクリーンでキャプチャするようなばあい、フルHDサイズ(1920×1080ピクセル)でも、そのままのサイズではWebページの表示用としては大きすぎます。
大きすぎる画像のデメリット
画像サイズはそのままでも、Webページ上で見かけ上小さくすることはできますが、それは結局ムダです。
ファイルサイズが大きくなって容量をとるだけでなく、ページの読み込みにも時間がかかるのでSEO的な観点でも不利になります。
そこでお薦めなのが、最低限必要なサイズまで見た目の大きさを縮小するリサイズです。
キャプチャと同時にリサイズする
リサイズは、キャプチャした画像をいったん保存したあとで画像編集ソフトを使って行うこともできます。
しかし、必要なサイズがあらかじめ分かっている(たとえばWebサイトのレイアウトに必要な最大の横幅が確定している)のなら、キャプチャの時点で自動的にリサイズしてしまったほうが、手間が省けます。
リサイズの設定
WinShotでは「環境設定」ダイアログボックスのリサイズタブで、リサイズの設定を行います。
キャプチャと同時にリサイズを行うにチェックを入れておくと、自動的にリサイズを行ってくれます。
サイズの指定は、横×縦で任意の値を指定することもできるし、横幅や縦幅、長辺や短辺を基準にすることもできます。
横×縦で指定するとデスクトップのような大きなものも、小さなダイアログボックスも同じサイズに揃えられてしまうので、サイズ感がちょっと損なわれます。長辺または短辺を基準にするのが使いやすいかと思います。
また、元のキャプチャ画像に対する比率を指定することもできます。フルサイズのデスクトップ画面を一律に小さくするような使い方には適していますが、逆に小さなダイアログボックスなども同じ比率で縮小してしまうので、注意が必要です。
そういうときはコンテクストメニューの[クイック設定]で、リサイズのオン/オフを簡単に切り替えられるので大きな画像をキャプチャするときだけリサイズをオンにしてもいいでしょう。
クレジット表記や日時の記録に便利な文字列埋め込み
キャプチャ画像に日付や時刻を自動で書き込んだり、著作権者名のようにクレジットを入れることができます。
日付や時刻(まとめてタイムスタンプといいます)は、パソコンの中に持っているシステムクロックの情報をそのまま入れるので、キャプチャするたびにいちいち日時を確認して打ち込む必要はありません。
情報を自動で書き込んでくれるメタ文字
タイムスタンプを書き込むための設定はあらかじめWinShotに登録されているので、文字列埋め込みオプションをオンにするだけですぐに使えます。
具体的には、&d &t
という文字が設定されていて&d
の部分がキャプチャを実行した日付、&t
の部分が実行した時刻に置き換えられます。このようにほかの情報の代わりを表す代表者のような役目をする文字のことをメタ文字といいます。
WinShotの文字列埋め込みオプションでは、タイムスタンプのほかにも、OSのバージョン、コンピュータ名、ユーザー名の3つを表すメタ文字を指定できます。
文字列埋め込みの設定
文字列埋め込みオプションを使うには「環境設定」ダイアログボックスの文字列埋め込みタブを使います。
キャプチャ画像の文字列を埋め込むチェックボックスをオンにすると埋め込み機能が有効になります。
初期値としてタイムスタンプが設定されていますが、ほかの文字列に置き換えることもできます。たとえばあなたの名前やサイト名などを指定しておくと、自動的にキャプチャ画像に文字が入ります。
そのほかにはフォントの指定や文字色・背景色の指定、文字の埋め込みを行う位置の指定が可能です。
WinShotの便利なオプション - まとめ
以上、WinShotの中でも特に便利で利用機会も多そうなオプション5つを紹介しました。
5つの中でも特に保存先指定と連番設定、時間差キャプチャのふたつはなにかと便利でしょう。
また、リサイズ指定も覚えておいて損はありません。4Kサイズのデスクトップをフルスクリーンでキャプチャするようなケースでは、その場でリアルタイムに処理するにしろ画像編集ソフトで後処理するにしろ、いずれリサイズは必要になります。
できたら、一定サイズ以上の画像だけ自動でリサイズしてくれるようなオプションがあるといいのですが、当面はメニューコマンドでリサイズのオン/オフを切り替えられるので活用してみてください。
WinShotで特にお薦めのオプション
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自動保存時の保存先フォルダはメニューから切り替え可能
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減色や画質指定でファイルサイズを減らせる
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マウスやキー操作で消えてしメッセージには時間差キャプチャを使う
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大きすぎる画像はキャプチャ時にリサイズ
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文字列埋め込みでタイムスタンプを画像に書き込める