から32bitフロートによる信号処理に対応した超小型の10chミキサー&レコーダー、が発表されました。
32bitフロート処理を採用することでゲイン調整が不要となり、現場での設定ミスやトラブルを回避できるうえに大幅なコンパクト化も実現し、小規模イベントなどに手軽に持ち出せるユニークな製品になっています。
この記事の目次
単三電池駆動を実現した超小型ミキサー
LiveTrak L6でまず目を惹くのが超コンパクトなボディです。
2系統のコンボジャックとステレオ入力に対応した4系統の標準フォーンジャックを装備。
32ビットフロートに対応したことでゲイン調整が不要になったことや、EQの設定をデジタル化したことで物理的なノブも省略したことで、23×11cmという驚くほど小型なボディを実現しています。
モノラル10ch入力、12トラック同時録音
トラック1と2は、XLR端子と標準フォーンに対応したコンボジャック。
XLR端子は+48Vのファンタム電源にも対応しているためコンデンサーマイクも使えます。
標準フォーンジャックのうちチャンネル3とチャンネル4は、モノラル×2チャンネルへの切り替えも可能。
さらにチャンネル5と6はUSBオーディオの1/2チャンネルと3/4チャンネルに割り当てることもできます。
これにより最大でモノラル10chの入力に対応。ステレオマスターの2chと組み合わせることで、12トラックの同時録音が可能になりました(別売のmicroSDカードが必要)。
エフェクト&コンプレッサー搭載、AUXセンドは2系統
ミキサーのセオリー通り、入力系は左、出力は右側に整然とレイアウトされていて、基本的な使い方はミキサーに慣れた人ならすぐにわかります。
マスタートラックにはCOMPスイッチがあり録音や出力でもレベルオーバーを防いでくれます。1ボタンなので、複雑な操作は不要。
その左はエフェクト リターン用で、ホール/ルーム/スプリング/エコー/ディレイの5種類の空間系エフェクトを利用できます。
またAUXセンド用の端子もふたつ装備しているので外部のエフェクターでの処理もできます。
しかもプリフェーダー/ポストフェーダーの切り替えが可能です。
サウンドパッド、MIDI機器も利用可能
入力トラックのレベルやパン、EQなどの操作は、各機能に対応するボタンを押してからノブを廻す方式。
ひとつのノブをモード切り替えで操作することで、ノブの数そのものを減らしたことでコンパクトサイズを実現しました。
イコライザーはHIGH/MID/LOWの3バンドですが、MIDと連携するようにFREQというボタンがあるので、MIDの周波数帯を調整できるようになっている可能性があります。
そのほかには4つのボタンに効果音やジングルを割り当てられるサウンドパッド機能、外部のMIDI機器と連携できる3.5mmミニジャックなどを搭載しています。
USB-C端子はオーディオインターフェイス接続用で、12in/4out対応。PC/MacのほかiOSデバイスにも対応。
3つのセッティングを切り替えるシーン機能
ミキサーの設定を保存できるシーン機能を搭載。
A、B、C3つのボタンに保存することで、利用場面に応じたセッティングをワンタッチで切り替えることができます。
配信/ミニライブ/トークショウなど繰り返し利用する設定を保存しておけば、ボタンひとつで再現できるので設定ミスや現場でのトラブルを極力減らすことができます。
発展性の高さと機動力が魅力
ゲイン入力の設定が不要、セッティングの手間を軽減するシーン切り替えなどを、単三電池駆動も可能なコンパクトボディにまとめたことで、いろんな現場に持ち込んでの利用に活躍しそうです。
MIDIについては詳しくないのであくまで想像ですが、いろんな電子楽器を使い分けるライブで曲ごとにミキシングを変えるといった使い方もできるかもしれません。
もちろん、インターネットでのライブ配信やポッドキャスト/ネットラジオの番組制作にも活躍してくれるでしょう。
2系統のAUXセンドは、サブミキサーとしての活躍も考えられます。
一方、ニュースの時点でははっきり判りませんが、本格的なマルチトラックレコーダーの機能は備えていないようです。
最大12トラックはあくまで同時録音で、バウンスや録音済みトラックからの2ミックス作成には対応していないっぽいですね。
現場での音を各トラック+2ミックスに手軽に保存できるのはとても魅力だと思います。
あと気になるのは小さすぎてケーブルに引っ張られて不安定になったりしないかといったところでしょうか。