AirStepを紹介します。
ポインティングデバイスの操作やキーボードショートカットだけでは手が足りなかったり、移動がめんどうだったりするとき、足踏み式のスイッチでパソコンを操作できる機能拡張デバイスです。
USBケーブルやBluetoothでPCと接続
AirStepはもともと、楽器演奏時に足で操作できるスイッチです。
ギターアンプ、マルチエフェクターなどで演奏中に音色を切り替えたいとき、両手がふさがっているので足で操作できるように作られました。
しかし現在ではDAWを使った編集や演奏も当たり前なので、USBポートを経由してパソコンとも接続できるようになっています。
AirStep / AirStep Lite公式ページ(日本代理店)
接続には昔からある5ピンのMIDI規格ケーブルを使うほか、USBケーブルを通じてMIDI信号をやりとりすることもできます。
加えてBluetooth接続にも対応しているので、ワイヤレスでの接続も可能です。
パソコンとの接続だけだったらBluetooth接続がいちばん手軽で便利でしょう。
たとえばライブ配信で使う場合、ふつうスイッチャーは配信用PCのそばに置くことが多いでしょうが、AirStepならMCの足下に置いて、MC自身が自分でシーンを切り替えるといった使い方もできます。
人手が少ない現場では役にたつはずです。ちなみに伝送距離は30mとなっています。
ちなみに接続端子を減らしてBluetooth接続だけに絞った、AirStep Liteというサブセットバージョンもあります。
キーボードの信号を送れるHID機能
楽器用だけでなくPC用としても使えるのがHIDコマンドへの対応です。
簡単にいうとAirStepを拡張キーボードのように使えるので、キーボードショートカットを割り当てることでほとんどのアプリケーションを操作できます。
配信でのシーン切り替え以外にも、動画編集時の再生、停止、早送りといったトランスポートコマンドを足で操作したり、複雑な連続操作を1アクションで実行するキーボードマクロ的な使い方もできそうです。
音楽演奏でいえば、譜面のページめくり、レッスン用動画の再生、早戻しなどを足で操作できます。
両手がふさがっている楽器演奏では大いに役立つはずです。
バッテリー内蔵で長時間駆動
AirStepは充電式のバッテリーを内蔵しているので、電源を用意する必要がありません。
大きなACアダプターを持ち歩いて電源の場所を気にしたり、配線に悩まされる心配も無用。
駆動時間は約300時間です。
USBホスト機能
パソコンにつなぐ上ではまったく関係ないんですが、個人的にはとっても重要な機能がUSBホストです。
音楽用のMIDI対応機器はUSB接続でパソコンにつなぐのは簡単ですが、MIDI対応機器同士のUSB接続には問題があります。
ほとんどの場合、親機になる機能がないためです。
しかしAirStepにはUSBホスト機能があるので、パソコンのように振る舞います。
現場でUSB 接続機器どうしをつなぐためだけにパソコンまで持って行く必要はなくなります。
私の場合、ギターアンプのスイッチャーとしても使いたいのでこの機能はとても重要です。
ちなみに低価格帯のMIDIコントローラーでこの機能を謳っている製品は見たことがありません。
価格がネック
ギター演奏用として見つけた機材ですが、パソコン用の拡張デバイスとしてもかなり使えると思います。
難点としては、Bluetooth接続オンリーのAirStep Liteでも標準小売価格2万6400円とやや価格が高いところでしょうか(最近値上がりしたようです)。
フルスペックのAirStepになると3万6850円もするので、用途と利用頻度がはっきりしている方でないとちょっと手が出しづらいでしょう。
いわゆる左手デバイスのほかにもっと作業性を改善したい方、机の上が手狭でデバイスの増設が難しい方、微妙な操作はいらないので簡単なオン/オフ操作で使えるものをお探しの方、ぜひチェックしてみてください。