Catalyst CXが登場しました。→Catalyst CX公式ページ
それに合わせて従来のCatalystも新しいファームウェアがリリースされ、ほぼ同等の機能にアップデートできます。
そこでアップデートしたポイントや、新しいCatalyst Editについて紹介します。
この記事の目次
Catalyst CXと新Firmwareの関係は?
新登場のCatalyst CXはマイナーチェンジという印象で、ルックスやコントロール系はほぼ従来機を受け継ぎながら、細かいアップデートが行なわれました。
Catalystは併売されないようで、すでにメーカー公式サイトからは消えています。一方、Spider V MkIIシリーズはラインナップを縮小しながらもまだ継続しているのが意外でした。
Catalystと比較したばあいのCatalyst CXの特徴は次の2点に集約されます。
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アンプモデルが6種類→12種類に倍増
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エフェクトの構成を見直し
これらの変更に伴い、操作パネルの表記や機能が一部変わっていますが、ノブやスイッチの数、レイアウトは変更されていないようです。
ハードウェアそのものには手を加えず、ファームウェアアップデートに伴って機能の名称を修正したという感じです。
アンプモデルは12タイプに
アンプモデルは従来どおりLine6のギタープロセッサHelixを継承していますが、その種類が倍になり、より幅広い音作りができるようになりました。
セレクターには、CLEAN、BOUTIQUE、CHIME、CRUNCH、DYNAMIC、HiGAINの6ポジションがあり、それに対して従来は、CLARITY、ARISTCRAT、CARILLON、VOLTAGE、KINETIC、OBLIVIONの6つのアンプモデルがセットされていました。
CXでは各ポジションに対して新たに、ARCHETYPE CLEAN MOD、GRAMATICO GSG、ELMSLEY、2204 MOD、VENTOUX、BADONKの6つが追加されています。
アンプ本体での切り替え
アンプ本体でGroup1、Group2の切り替えを行なうには、CH AとCH Bのボタンを同時に押します。
アップデート後はリセット必須
ファームウェアをアップデートしただけでは、新しいプリセットは使えません。
アンプの設定を初期する必要があります。
CH BとManualボタンを同時に押しながら電源をオンにします。
このとき、それまでのアンプヴォイシング設定は上書き消去されるので、設定をカスタマイズしている方は、あらかじめCatalyst Editを使ってバックアップしておきましょう。
エフェクトの分類を見直し
Catalystでは”Effect"と"Reverb”のふたつのノブがありましたが、CXではこれが”Effect1”と”Effect2”に再編されました。
従来のEffectは、ピッチ/フィルター、モジュレーション、ディレイの3タイプからひとつを選択する形で、これに(Effectとは独立した)リバーブを組み合わせるという構成です。
この場合、モジュレーション+ディレイという組み合わせはできません。
これに対しCXではリバーブもエフェクトのひとつと見做されており、ふたつのエフェクトの組み合わせを選べるようになりました。
つまり従来はできなかったモジュレーション+ディレイという設定も可能になっています。
ちなみに商品説明では「24種類のエフェクト」と書かれていますが、従来はエフェクト18種+リバーブ6種だったので実質は変わらないようです。
アンプ本体でのエフェクト切り替え
アンプ本体でエフェクトを切り替えるには、EFFECTまたはREVERBのボタンを2秒間長押しして、エフェクト切り替えモードに切り替えます。
アンプヴォイシングセレクターの回りにあるLEDがエフェクトカテゴリーに応じた色で薄く点灯するので、セレクターを廻してエフェクトを選択します。
エフェクトのカテゴリを変更したいばあいは、エフェクト切り替えモードでTAPボタンを押してエフェクトのカテゴリーを選択します。
EFFECTまたはREVERBボタンを押すと選択モードを終了します。
カテゴリ内でエフェクトを切り替える
CATALYST EDIT v2.0.1で変更点をチェック
Catalystを最新ファームウェアにアップデートしたので、新しくなったポイントをPC用ソフトCatalyst Editでチェックしていきます(Catalyst Edit自体も最新版にアップデートする必要があります)。
スクリーンショットを見ても、一見違いはないように見えますがよく見ると、アンプタイプのセレクターとEffectのところが変わっています。
アンプセレクターの変更点
まずアンプのTYPE設定です。
6ポジションはそのままですが、その下にグループ切り替えのボタンが追加されました。
ここをクリックすることでGROUP1とGROUP2の切り替えを行います。
セレクターポジションとアンプタイプの関係をあらためて整理しておきます。
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CLEANポジション - CLARITY
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BOUTIQUEポジション ー ARISTCRAT
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CHIMEポジション ー CARILLON
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CRUNCHポジション ー VOLTAGE
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DYNAMICポジション - KINETIC
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HiGAINポジション - OBLIVION
GROUP2
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CLEANポジション ー ARCHETYPE CLEAN MOD
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BOUTIQUEポジション ー GRAMMATICO GSG
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CHIMEポジション ー ELMSLEY
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CRUNCHポジション ー 2204MOD
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DYNAMICポジション ー VENTOUX
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HiGAINポジション - BADONK
もありますのでこちらもチェックしてください。
エフェクトの変更点
エフェクト部分は前述のとおり、Effect1とEffect2に再編成されました。
次のスクリーンショットでは、従来”Reverb”だったところにモジュレーション系のエフェクトを割り当てています。
エフェクト選択のフライアウト画面では、パネルのいちばんうえに、DELAY、MOD、FILTER/SYNTH/PITCH、REVERBの4つのボタンが追加され、エフェクトのタイプを切り替えられるようになりました。
重ね掛けはNo
たとえばディレイ+ディレイのように、同じタイプのエフェクトを同時に設定することはできません。
キャビネット関係の変更点
そのほかには、キャビネットシミュレーター関係に変更があります。
"DIRECT OUT|PHONES|USB"のラベル部分にオン/オフ切り替えのボタンが付きました。
キャビネットシミュレーターをバイパスして出力できるのではないかと思われます。
ファームウェアのアップデート方法
最後にファームウェアのアップデート方法を紹介します。
まず、Line6製品全体を管理するLine6 Centralというアプリケーションをパソコンにインストールしておく必要があります。
Line6 Centralを起動してユーザーアカウントでログインし、デバイスをUSB接続すると画面に製品が現れます。
ここではCatalyst60 version 1.02が認識され、その下に小さく[UPDATE AVAILABLE]と表示され、新バージョンがあることがわかります
この部分をクリックするとファームウェアのアップデート情報が表示されました。
右上にある[DOWNLOAD UPDATE]ボタンをクリックすると、新しいファームウェアをダウンロードします。
続いて同じボタンが[PERFORM UPDATE]に変わるのでそのままクリック。
ライセンス承認画面が現れるので[ACCEPT]をクリック。
これでアップデートが始まります。
最後にメッセージが出たら、アップデート作業完了です。
よくみるとLine6 Central上のデバイスがすでにバージョン2.01になっているのがわかります。
もしバージョンナンバーに変化がない場合は、いちどデバイス(Catalyst)の電源を切って、もういちど電源を入れてみましょう。
ソフトウェアアップデートは従来どおり
このように、Line6 Centralを利用することでファームウェアのアップデート作業がとても手軽になりました。
従来のようにアップデータの保存先を指定するといった手間がないので、パソコンが苦手な人でも簡単に操作できます。
一方、カスタマイズツールであるCatalyst Editのアップデートは従来どおりです。
これもLine6 Centralからできるようになると便利なのですが。
アンプ本体の機能をフル活用したり、音色をバックアップするにはCatalyst Editが必要になります。
今回はWindows PC版を紹介しましたが、すでにiOSアプリ版のほうも新ファームウェアに対応したバージョンにアップデートされています。
アップデート前は必ずバックアップを
最後に注意事項です。
ファームウェアをアップデートすると、Catalystでカスタマイズした設定は上書きされ消えてしまいます。
音色のカスタマイズだけでなく、エフェクトの組み合わせなどもリセットされてしまうので要注意です。アップデートの前には必ずCatalyst Editを使ってバックアップしておきましょう。
ふだんはアンプ本体しか操作しない人も、バックアップ/リストア用としてぜひCatalyst Editを入手しておいてください。